2007年08月31日

『夜明けの口笛吹き』40周年

 このところ、『ノンサッチ』から、ムールディングの歌、「マイバード パフォームス」「スマーテスト モンキー」「ウォーダンス」「バンガロー」、だけ選んだプログラム設定で楽しんでいます。一曲ごとに、楽器も選ばれていて、音色を楽しめます。マタックスのパーカッションも、当然、音色から考え抜かれていて、旋律楽器の様にさえ思えます。
 それから、昨夜(8月30日)には、NHK BS1で、「マイケル・ブーブレ ライブ イン ロサンゼルス」の再放送があったので見ました。2005年収録のもの。ジェイミー・カラムに提供した歌が未発表のままのパートリッジですけれど、マイケル・ブーブレにも提供することはないか知ら。でも、曲を提供というのなら、マデリン・ベリーへの方が嬉しいです。ところで、エリカ・ウィッスラーのアルバムはどうなったのでしょう。

 さて、ピンク・フロイドのデヴュー作『夜明けの口笛吹き』が、発表から40周年ということで、記念盤が出版されました。
 XTC の『スカイラーキング』は、発表から21年です。25周年には、記念盤があるでしょうか。あるのならば、2枚組、あるいは3枚組で、1枚は、オリジナルの収録曲、もう1枚に、「メイク ア デン」「ファインド ザ フォックス」「ディア ゴッド」などを収録したもの、にして欲しいです。もちろん、高音質で。






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2007年08月15日

XTC (Cross, Junction, Turn)

 今でも、XTC というバンド名を「ecstasy (エクスタシー)」と読む方がいます。どうして、この読み方が広まったのか訝しくもあるのですが。レコードには、エックスティーシーとあったと思うのですが。
 私は、XTC の初期のイコン、ハサミ・コルク抜き・フック、の印象もあって、言葉には内容のない視覚的なイメージの名称のように受け取っていました。
 一つ目の文字・X は、二本の線が交差したもの。
 二つ目の文字・Tは 、一本の線が分岐したもの。
 三つ目の文字・C は、一本の線が巻いたもの。
それで、
Cross, Junction, Turn (クロス・ジャンクション・ターン)
などと、読んでみたりしていました。
 ともかく、XTC をエクスタシーと読んだり、ecstasy と関連づけるのは、バンドの持つ感覚とは、あまりに違っていると思います。
posted by ノエルかえる at 21:10| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年08月07日

Todd Bernhardt さんの「Green man」対談からメモ

 Todd Bernhardt さんのXTCファンブログでの、パートリッジへのインタヴューは、いつも興味深いものです。
 8月5日付の記事は、「Green Man」についての対談でした。その中から、興味を引いた事柄をメモしておきます。

 まず、音響について、パーカッションの部で、定規を振るわせた音を使っている、と言うこと。歌詞の「lay your head, lay your head」の部分。このような音響の使用は、デビュー作からよくはありましたけれど、様々な音色を拾い上げるパートリッジの耳のなすところでしょうか。

 次にオーケストレーションに関して。このことが、グレゴリーの脱退へと繋がったようです。グレゴリーは、この歌には、サンプルを使用すべきだと考えていたようです。本物のオーケストラの音を必要としたパートリッジと衝突したようです。
 ただ、パートリッジは、オーケストレーションもシンプルなものを望んでいたようですが。

 さて、オーケストレーションとも関連するのですが、この歌の全体の印象に付いてです。この歌が、中近東的だと言われることに、パートリッジは、随分と落胆しています。彼の意図では、これは、全くイングランド的なものなのですから。
 冒頭の木管楽器、この旋律の繰り返しが、歌の要になっています。これは、グリーンマンのズボンの様なイメージとのこと。これは、ムールディングの「Fruit nut」、また、パートリッジの「Wonder annual」のコーダのリコーダーと同様、古イングランドの音なのでしょう。
 Morris ダンスの音楽のような、近世以前からのイングランドの音と繋がっている感覚を意図してたようです。
 オーケストレーションにしても、Ralph Vaughan Williams のような、典型的なイングランド音楽を思い描いていたとのことです。

 そして、この歌の発想に関してです。子供に、子供向き童謡のビデオを見せている時に、そのビデオの童謡に触発されたとのことです。(童謡と言っても、マザー・グースのように、必ずしも子供のためではないのですが。) それがグリーンマン伝説に関わる童謡だったかどうかは、パートリッジは言ってはいないのですが、その童謡に、異教徒的性格を感じて、歌になると思ったそうです。



 追記:
『HOME SPUN』のパートリッジ自身のノートを、改めて読んでみました。ヴォーンウィリアムスのことも、異教徒のことも、彼は説明していました。私は、読まなかったか、直ぐに忘れてしまったかなのでしょう。迂闊なことです。スケッチ・テイクの方が、ナイロン・ギターの音色が古い時代の弦楽器のようですし、イングランド古歌らしく聞こえます。


Vaughan Williams 交響曲全集 ハインティンク指揮ロンドンフィル
posted by ノエルかえる at 10:19| Comment(0) | TrackBack(0) | Apple Venus | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年08月03日

「 Day in Day out 」

 "Friday is heaven" のラインがとても好きな「Day in Day out」です。
 ムールディングは、前衛的な要素を持ったパートリッジに対して、平易で親しみやすいものであると、ポピュラー音楽報道の中で言われます。
 でも、それも、表面的な印象ではないでしょうか。

 ともかく、アルバム『Drums and Wires』でのムールディングは、様々な試みを行っています。「Ten feet tall」でアコースティック・ギターを使い、「That is the Way」ではトランペットを使っています。トランペットは、The Specials のDick Cuthell。また、パートリッジの歌「Complicated game」では、本人は忘れているそうですが、マイクロフォンに電気剃刀を押し付けてノイズを造るということもしているとのことです。そして、「Day in Day out」では、少々ですけれど、テープの逆回転を使っているようです。パートリッジ以上に、意欲的で前進的なのかもしれません。
 なにより、歌の構造において、ムールディングの方に、特異性が大きく感じられます。

 「Day in Day out」は、その特異性が顕著な例でしょう。ムールディングの歌は、旋律が展開していくという形態ではありません。それは、旋律に時間に沿った位相とは別の位相を見出しているかのようです。
 それは、歌の旋律だけでなく、歌と楽器との関係の位相にも別の見方を示しているようです。パートリッジは、「楽器が全部、工場で造られるパーツのように聞こえる」と言っています。楽器は、それぞれ、自身の律動のみに依って音を発生しているかのようです。旋律がどのようなものであるかは、全く与らないかのようです。
 この歌の、面白さ、不思議さは、ここにあるのでしょう。各楽器は、自分が含まれている音楽世界の全体像に付いては想像の外にあって孤立しています。歌を聴く聴衆だけが、その全体を知ることが出来て、また、各楽器のつながりも見出せるのです。このような作曲法は、独特なものではないでしょうか。これを、もっと顕著にしているのが「Wake up」です。
 この歌も、チェンバースの特異なドラムズパターンで始まります。そのドラムズは、私たちの感情を鼓舞したり、煽るようなものではなく、まるで、自分の鼓動に耳を澄ますように、内省へ誘うようです。ドラムズパターンは、時間の進行を表してはいないので、歌の開始を告げてはいません。開始後暫くしてのコルグの捻音。この緩んだ音が歌の開始、時間の発生を示しています。けれども、その時間は、壁の中に閉込められて、堂々巡りをしているようにも思われます。
 『Drums and Wires』では、囁く歌い方が多いムールディングですが、この歌では歌い上げています。旋律も、無調ではないですが、不安定なもので、平易というわけではありません。
 一見、平易なようなムールディングの歌ですが、それは、コロンブスの卵のようなものです。一つには、卵自体の形が簡明だと言うこと。ですから、それが初めから机上に立っているところを見た場合は、不思議にも思わないかもしれません。けれども、寝ている卵を立たせようとすると、あまりに難しいのに驚きます。そして、その立たせる方法は、、
 ムールディングは、私たちが捉えられている常識を、軽々と越えているのではないでしょうか。

"Day in Day out" on iTunes store
posted by ノエルかえる at 11:43| Comment(0) | TrackBack(0) | Drums and Wires | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする