2008年06月30日

Wrapped in Grey

 昨日は、『English Settlement』と『Nonsuch』をプレイヤーに掛けました。
『イングリッシュ…』は、緑の草原の上、『ノンサッチ』は、臙脂の絨毯の上の感じ。どちらも、小編成だけれども、『イングリッシュ…』では草原を吹き抜ける爽快感、『ノンサッチ』では細かな肌理にまで染込むような心地良い湿度を感じます。両方とも緊密感のあるバンドの音です。

 それから、幻のシングルとなった「Wrapped in Grey」を繰返しました。
とても流麗なので、何の障りもなく耳に入りますけれど、とても特異で巧妙な構造なのではないでしょうか。

(Idea のサイトが障害中なので、チョークヒルから歌詞を写しました。)

ピアノとストリングスでの前奏:
バースのメロディー、最初はピアノだけ、続けてピアノとストリングス。
それから歌、バース:
Some folks see the world as a stone
Concrete daubed in dull monotone 、直ぐに続けてピアノで短くスキップ。
途切れずにブリッジ、とても長いブリッジです。
Your heart is the big box of paints
And others, the canvas we're dealt
Your heart is the big box of paints このあたりから、ストリングスが背景音。
How coloured the flowers all smelled
As they huddled there, in petalled prayer
They told me this, as I knelt there
ピアノでバース
続けてコーラス:
Awaken you dreamers
Adrift in your beds
Balloons and streamers
Decorate the inside of your heads
Please let some out
Do it today
But don't let the loveless ones sell you
A world wrapped in grey  ここからバックコーラスが始まり、
主旋律のメロディーと呼応します。
ここで一巡して、二巡目に入りますけれど、バックコーラスが途切れずに繋げています。

Some folks pull this life like a weight
Drab and dragging dreams made of slate

Your heart is the big box of paints
And others, the canvas we're dealt
Your heart is the big box of paints
Just think how the old masters felt, they call...
途切れずにコーラスへ
Awaken you dreamers
Asleep at your desks
Parrots and lemurs
Populate your unconscious grotesques
Please let some out
Do it today
Don't let the loveless ones sell you
A world wrapped in grey
ピアノの連打。一打毎に脹らむ感じ。
And in the very least you can
Stand up naked and
Grin 終結音。


先に現れた面を吸い込むようにして、次の面が現れるようです。
最後の「Grin」が何もかもを吸い上げるように終わります。
非常に卓抜した、パートリッジの、技法なのではないでしょうか。
posted by ノエルかえる at 09:53| Comment(0) | TrackBack(0) | Nonsuch | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年06月27日

Peckham Rose

Todd Bernhardt 氏とのパートリッジの対談から:

「River of Orchids」の歌詞、「Peckham Rose」は、マッチの名前から、とパートリッジは言っています。
チェコの人形アニメーション作家、ヤン・シュヴァンクマイエル (Jan Švankmajer)
の1966年の作品『Punch And Judy』の中で、
パンチが、蝋燭に火を点けるのに使うマッチが、Peckham Rose です。

パートリッジは、
この歌は、ストリングスのピチカートから発想したと言っています。
そのピチカートのリズムが輪舞を思わせ、
重ねたトランペットのタンギングが車のクラクションを思わせ、
渋滞している道路へと連想が進み、
また、ストリングスの音が、水の音を連想させ、
それに、ノートに取っていた「dandelion roared in Piccadilly Circus」が重ねられて、
ロンドンへと連想が及び、テムズ河が連想され、
この河に花々が浮かぶと言う想像になり、
これが、初めの車の渋滞と取って代わる、という幻想に到るのだ、と。
この多層な連想、旋回+車+水+河+花に、更にマッチの臭いが重なって、面白い、と。
それは、また、dandelion が草であって動物ではないのと同じで、
Peckham Rose が花ではない、という面白さもあるのだ、とパートリッジは言っています。

ピクチャ 1.gif

ebay にも、出品されていました。シュヴァンクマイエル の映画のものとは、違うデザインです。写真は見やすいのですが。ベルギーのマッチのようです。

1432_1.JPG


YouTube に投稿されている『Punch And Judy』:



posted by ノエルかえる at 15:01| Comment(0) | TrackBack(0) | Apple Venus | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

Jericho yields

「Knuckle Down」の歌詞にある「Jericho yields」、

yields は、中世英語で、[produce,bear]と共に、[surrender]の意味もあると。
そうすれば、
この行は、
エリコ降伏のときまで、角笛を鳴らせ、と読めます。

旧約聖書のヨシュアのエリコ侵略の故事。
posted by ノエルかえる at 10:28| Comment(0) | TrackBack(0) | English Settlement | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年06月24日

The Ballad of Peckham Rye

 XTC の作品とは関係ないのですけれど、webを検索していて見つけたものを備忘;

『The Ballad of Peckham Rye』Muriel Spark (Dame Muriel Spark)
( ミュリエル・サラ・キャンバーグ Muriel Sarah Camberg )
1918年生まれ、2006年没の、スッコットランドの作家。

『The Ballad of Peckham Rye』は、1960年の作品。
wikipedia の慷概からは、中上健次のような作品世界なのかしら、と思います。


from wikipedia

たこbar さんのwebページ


on Amazon.co

posted by ノエルかえる at 16:59| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年06月20日

漱耳

昨晩は『ノンサッチ』を聞いた。
音量を落として再生した。耳を峙てることはしなかった。
横になり、静かにしていた。
何も考えなかった。
音が耳を漱いだだけ。
posted by ノエルかえる at 09:03| Comment(1) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年06月17日

Close to You

使っているiMacで、ガレージバンドを出して、「Tis is Pop?」を辿ってみようとしたら、
「(They Long to Be) Close to You」になってしまった。
Bacharach の作曲。
今の私には、ポン、と飛び出すような気分は、もうはないということかしら。


on iTunes
posted by ノエルかえる at 16:17| Comment(4) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年06月06日

蜂と蛞蝓と青い少年

 都市の郊外の瀟洒な一軒家。幸福に見える家族が住んでいる。
 綺麗な台所で、妻が夕食の片付けをしている。ごく平凡な光景。妻の頭は、虫なのだけれど。洗った皿を並べる。とても綺麗に洗ってある。つるつるだ。寸分も違わない皿が等間隔に何枚も並んでいく。鼻歌を歌いながら。ありふれた光景。皿に妻の顔が映っている。女王蜂が、子蜂を巣の格子部屋に並べているようだ。
 夫は、新聞の記事を読んでいる。熱心に読んでいる。彼の記事だからだ。彼は判事で、彼の扱った事件の記事だからだ。パイプを燻らしながら。ごく平凡な光景。夫の視線は、新聞を突き抜けて、緩衝床を凝視しているけれど。丹念に読み込むのだ。分厚い資料も突き抜ける視線で。彼は一心不乱で、自分の姿に構っていない。半開きの口からは、べたべたとなんでもくっ付ける涎が漏れている。壁を這う蛞蝓に夫は似ている。
 「おや」と夫は声を挙げる。その声を合図のように壁紙が剥がれ落ちる。夫と妻はその上を這っていたのだけれど。
 青ざめた少年が台所の戸を叩いている。トトトトトトト、と叩いている。細かい刻みを休まずに。皆の頭が痛くなる。夜中に帰宅した少年は直ぐに眠り込む。したいことはなんでも出来る夢を見ながら。
 平凡な朝がやって来る。綺麗な皿が並べられ、朝食がのる。警察官がやって来たので、朝食は中断。警官は言う。アジア人が蹴られて重体です。この財布は息子さんのですか?きっと、飲んだ後に落としたのですね。ありふれた会話。妻は答える。まさか、お巡りさん、うちの子を連れてはいかないわよね。
 妻は鼻歌を歌っている。幸福な歌だ。ごく平凡なありふれた歌だ。夫は判事だし、よく分かっている。妻は鼻歌を歌っている。だんだん、掠れていく。


posted by ノエルかえる at 22:35| Comment(0) | TrackBack(0) | English Settlement | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

R-1340 Wasp

 アルバムとは、関係がありそうもありません。wasp で検索して見つけたのですけれど。
Pratt & Whitney 社の航空機エンジン。R-1340、通称、ワスプエンジン。
9気筒の星形をしたエンジンです。
で、
Wasp Star 。


Pratt & Whitney
posted by ノエルかえる at 17:57| Comment(3) | TrackBack(0) | Wasp Star | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年06月02日

Spiral & Arc

The Milk & Honey Band の新しい歌、ビデオクリップ「Spiral & Arc」がYouTube に。

アルバム『 Psychedelia Britannica 』は、夏に発表の予定と。


posted by ノエルかえる at 16:52| Comment(2) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする