2009年09月30日

Leisure

 「Leisure」、パートリッジ作の歌。この歌詞は、1933年に書かれた、ティン・パン・アレー・ソングのスタンダード「Lazybones」を、パートリッジが読み替えて作ったものだと言うこと。このスタンダード・ソングは、Johnny Mercer (1909-1976)作詞、Hoagy Carmichael (1899 – 1981) 作曲のもの。

 「Lazybones」の歌詞には、

Lazybones, Sleepin' in the sun,
How you 'spec' to get your day's work
done?

と。

(Chalkhills には、Lazybones, looking through The Sun / how d'you ever expect to get your day's work... と。古い歌なので、正確な歌詞が分かりません。)

 この the sun を、英国のタブロイド新聞、The Sun と読み替えることで、歌詞を作ったと言うこと。タブロイド紙・サンは、失業した労働者階級の人が、職を探して読んでいると言うイメージがあると言うことで。
 「Lazybones」は、怠け者を歌う暢気な歌のようですが、1933年だと、大恐慌の最中ではないかと思いますし、パートリッジの読み方は、当を得ているのかもしれません。

 また、『English Settlement』の同じC面にある歌「Knuckle Down」も、一心不乱に働くと言う意味ですから、何か、連想がありそうに思います。私は、単に、「Lazybones」の歌詞にある your rice と、「Knuckle Down」の歌詞の love his race の音の連想を思っただけなのですが。
posted by ノエルかえる at 23:19| Comment(2) | TrackBack(0) | English Settlement | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年09月29日

Ladybird 訳

「Ladybird」、マザーグースの「Ladybird! Ladybird!」を踏まえて入るのでしょうけれど。

 かなり宗教的に読んでみました。


聖母様、天道虫


天道虫、聖母様、
私めに、貴女様の庭を逍遙させたいと御考えだと伺っています、
もしや、私が思案しながら歩き回り、お目を覚まさせてしまったのではありませんか、
そうならば、どうか、お赦しのことを。

天道虫、聖母様、
私めに、貴女様の草原を逍遙させようと言うお積もりだと伺っています、
私が、お側に控えて居ります間は、翼を広げて飛び立つお積もりはないのですね、
聖母様。

樹木が虫に食われ割れ落ちてしまう、
そのような冬の間はずっと、
時間と言うものは、貨車よりも長いものに思えて居りました、
ですけれど、春が、またやって来ました、聖母様、
私は、貴女の御名前を唱えます、聖母マリア様、天道虫。

天道虫、聖母様、
私の枕を横切っておしまいになりたいと御考えなのだと伺っています、
さめざめと泣く素振りに似た嫋やかな楊、その美しさ、
けれども、それも貴女様の深く悲しげな美しさには敵いません、
聖母様、天道虫。

貴女様がお歩きになっている間、
私は、叢の中に伏せて、思案を巡らせて居ります、
貴女様へ近づく方はないかと、
けれども、少しずつ、貴女様は、遠のいて行くのです、
彼岸へと。

愛は店晒しにされて、反逆が卓上の遊戯になってしまっている、
そのような鉄の時代でした、
けれども、太陽は力を取り戻したのです、
今こそ、私は貴女の御名前を唱えます、
聖母様、天道虫。

聖母様、
貴女様は、御子のもとへ急がねばなりません、
貴女様の清廉なお望み、それは、どのような洪水も大火も傷を付けることは出来ないのです、
聖母様、天道虫。




「Ladybird! Ladybird!」:
Ladybird! Ladybird!
Ladybird! Ladybird!
Fly away home.
Your house is on fire

And your children all gone.

All except one,
And that's little Ann,

For she has crept under
The frying pan.


天道虫、天道虫、
おうちへとんでいけ、
おまえのおうちはもえてるぞ、
こどもはみんな逃げ出した、
いっぴきだけは別、ちっちゃなアンは、
フライパンの下に這い込んだ。
posted by ノエルかえる at 22:18| Comment(0) | TrackBack(0) | Mummer | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年09月03日

The Jesters

 「1000 Umbrellas」の歌詞にある「The Jesters」、BBS には書いたのですが、こちらには備忘していませんでしたから。
 歌詞の中では普通名詞だと思います。ですけれど、1930年代のアメリカに、The Jesters (あるいは、The King's Jesters) というコミック・コーラスがあったようです。
posted by ノエルかえる at 14:05| Comment(0) | TrackBack(0) | Skylarking | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年09月02日

1000 umbrellas の歌詞を読んで

 Idea のwebページのLyric では、六つのスタンザに分けられている「1000 Umbrellas」。大きくは二つの連になっています。
 8行ー7行ー9行の三つのスタンザが、大きな一つの連で、それが繰り返されているのですけれど、第一の大連の一つ目のスタンザは、「Misery oh oh misery」が繰り返されて、9行になっています。それと対峙するかのように、第二の大連の三つ目のスタンザは、「One thousand umbrellas opened / Two thousand umbrellas opened」の変化が加えられる繰り返しの二行が加えられて、11行になっています。
 9行ー7行ー9行 /
 8行ー7行ー11行
と言う構成です。
 簡単な楽句の繰り返しのようで、少しばかりの加減を加えることで、表面的には静的でありながら、動的なものを含んでいる、という複雑さを持っている歌です。その動きと言うのは、何か崩落するような揺らぎなのですけれど。

 歌詞は、
「One thousand umbrellas
Upturned couldn't catch all the rain
That drained out of my head
When you said we were
Over and over I cried
'Til I floated downstream
To a town they call
Misery oh oh misery
Misery oh oh misery

And one million teacups
I bet couldn't hold all the wet
That fell out of my eyes
When you fell out with me
Now I'm crawling the wallpaper
That's looking more like a roadmap
To misery oh oh misery 」
の二つのスタンザが、バース。
 三つ目のスタンザは、
「How can you smile and forecast
Weather's getting better
And you'll soon forget her
If you let the sunshine come through
How can you smile and forecast
Weather's getting better
If you never let a girl rain all over you」
のブリッジの部分と、
「And just when I thought that my vista was golden in hue
One thousand umbrellas opened to spoil the view」
のコーラスの部分がくっついたものになっています。

 この歌の歌詞での、核になっているのは、大連の最後の語「view」と韻を踏むその前の行の語にあるのではないかと思います。
 第一大連では、「hue」が選ばれています。第二大連では、「blue」。その嗚咽に近い語感が、この歌の核ではないでしょうか。「vista-hue-view」「skies-blue-view」、どれも視覚に関する語なのですが、線分ー構成の語に挟まれて、色彩の語があるのは、発色がある限定の中に閉じ込められているようで、物悲しさを感じさせるようでもあります。

 他に耳に残る語感に、「over and over」もあるのですが、これは、ムールディングが、「Grass」の中でも、印象的に使っていますけれど。パートリッジのこの歌では、意味が重層化されて面白いです。


 歌詞の描き出している情景は、朝食の食卓。たぶん卓上は乱雑に散らかっているのではないでしょうか。放り出されて中のシリアルがこぼれ出ている紙箱。点けっぱなしで天気予報を映している小さなテレビ。何かが飛び散ったのだろう、染みの出来た壁紙。
 「壁紙の上を這う」と言う表現は、パートリッジは、『English Settlement』の「No Thugs in our House」でも使っていました。「Sunny Jim」 は、シリアル食品の宣伝用のキャラクターで、日本でも有名なポパイと同様なものです。「High o'er the fence leaps Sunny Jim Force is the food that raises him」と言う宣伝文句が有名とのことです。「パッケージ裏の文句」と言うのは、『The Big Express』の「I bought myself a LiarBird」でも使っていましたけれど。


 拙訳です。

1000 の傘


一千本の傘を私は
ひっくり返したのだけれど、それでは、私の
頭から降り注ぐ雨を受けられはしなかったのです、
「水位が上がってます、私たちは破滅です」なんて、天気予報のお姉さんが言うものだから、
私は、何度も繰り返して、叫んでいたのです、
下る流れに浮かんで、ずっと叫んでいたのです、
そして、ミズリーと呼ばれる町へ着きました。

一百万の湯呑みを私が
持っていたとしても、それでは、私の
まなこから降り落ちる雨を受けるのは、きっと無理だったと思うのです、
天気予報のお姉さんは、私の視界から抜け落ちてしまいました、それなものだから、
私は、壁紙の上を睨め回しているのです、
壁紙は、まるで、道路地図のようですよ、
ミズリーと呼ばれる町へ至る道路の。

天気予報のお姉さん、どういうわけだか、にっこり笑って、
「お天気は回復傾向です」なんて言う、
「雨のことはすぐに忘れてしまうでしょう、
日の光が降り注げばですね」なんて、
天気予報のお姉さん、どういうわけだか、にっこり笑って、
「お天気は回復傾向です」なんて言う、
「あなたの軒にフレフレお嬢を吊り下げなければですね」なんて、
私の道行きが黄金色に彩られたと思った、その時、
一千の傘が開いて、景色を台無しにしてしまったのです。

一百万の塩湖、
小学校のアトラス地図を、私は思い出しますけれど、
その塩湖が雨水でいっぱいになってしまうかもしれません、
そうしたら、サニー・ジムだって、飛び越えられないですよ、
嬉しいなんて、そんな、
鍵を回してしまったのですよ、
ミズリーと呼ばれる町へと開く扉の。

モップとバケツ、それでもって、
雨を忘れてしまおう、
私は拭き続けました、
さっきまで泣いていたところをです、すると、
道化の一団が背後に忍び寄るでしょうね、
新しく王冠を戴いた君主を叩き落とそうと、
ミズリーの領主を。

天気予報のお姉さん、どういうわけだか、にっこり笑って、
「お天気は回復傾向です」なんて言う、
「雨のことはすぐに忘れてしまうでしょう、
日の光が降り注げばですね」なんて、
天気予報のお姉さん、どういうわけだか、にっこり笑って、
「お天気は回復傾向です」なんて言う、
「あなたの軒にフレフレお嬢を吊り下げなければですね」なんて、
私の仰ぐ空は、六月七月の快晴の青と思った、その時、
一千の傘が
二千の傘が、
一万の傘が開いて、景色を台無しにしてしまったのです。





 元は失恋の歌だと思います。使われている代名詞の you を、天気予報士の女性にして、やや幻想的に読み替えました。
「If you never let a girl rain all over you」の行は、あなたに少女が雨を振りかけることを決してさせなければ、とは読まずに、可笑しげな情景に読みました。雨と少女が、伝説や言い伝えで関連があるのかどうかは知りません。「フレフレお嬢」は、「てるてる坊主」の連想で、パートリッジの原詩から読み取ったわけではありません。それから、アンリ・カルティエ=ブレッソン (Henri Cartier-Bresson)の写真を思い浮かべはしました。


Fondation Henri Cartier-Bresson
posted by ノエルかえる at 23:59| Comment(0) | TrackBack(0) | Skylarking | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年09月01日

the wet and Sunny Jim

 「1000 Umbrellas」の歌詞を眺めていて、ふと思ったこと。
もちろん歌詞の世界とは、関係ないことなのですが。

 二連に、「the wet」と言う語が出ます。これは普通名詞で雨のことなのですけれど。調べると、1932年のアメリカ映画に『The Wet Parade』と言う題名の映画がありました。監督は、『オズの魔法使い』『風と共に去りぬ』のVictor Fleming。禁酒法を扱った映画と言うことです。この映画に、主演ではないのですが、重要な役で、パートリッジが好きな俳優のJimmy Durante が出演しています。
 と、デュランテも、ジムさんではありませんか?

IMDb のリストから:
The Wet Parade (1932)
http://www.imdb.com/title/tt0023685/


 ウィキペディアにあるポスターは、デュランテの顔のイラストです。
http://en.wikipedia.org/wiki/The_Wet_Parade

http://en.wikipedia.org/wiki/File:The_Wet_Parade.jpg

The_Wet_Parade.jpg
posted by ノエルかえる at 22:50| Comment(2) | TrackBack(0) | Skylarking | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

プロモーションフィルム

 シャドー・キャビネットのスティーブ氏の制作だと思われる、『Apple Box』のプロモーションフィルム。これが実際に使用されたのかどうかは、私は知りません。





 それから、プロモーションフィルムにも使用されている、アビーロード・スタジオでの録音の時の、アンディの様子を撮影したもの、こちらはスティーブ氏の制作とクレジットがあります。


posted by ノエルかえる at 09:52| Comment(1) | TrackBack(0) | Apple Venus | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする