2010年03月28日

Humble Daisy 訳

 パートリッジの「 Humble Daisy 」。『ソング・ストーリーズ』では、本人も意味は無いというようなことを言っていましたけれど。
 パートリッジのよく使う、おそらく好きな語はいくつもあります。battleship 、barge 、milk 、sip 、weather 。
 歌詞は、その内容は、このまま展開すれば、『 Apple Venus 』の「 River of Orchids 」に進むようにも思えます。また、振り返れば、『 The Big Express 』の「 Seagulls screaming 」の雰囲気も。

 「pick out」「lay on」、ともに、飾る、とか塗るとかの絵画的イメージで使用されていると思います。
 「pick out」には、耳で覚えて演奏するの意味もありますので、音楽のイメージもあるのかもしれません。

 太陽の降り注ぐ海辺の保養地のホテルの窓からの眺めの中の、意図されず隅に咲き出しているデイジーのイメージなのでしょうか。
 日本で育つと、デイジーという言葉にも拘らず、竜宮城のイメージが浮かびます。tangle ( 昆布 )、down to heaven などで。


 拙訳です。








小さな雛菊、さあ、
鎖を作るんだ、そして、それで軍艦を動けないように抑えておくんだ、
物の数にも入らないような雛菊、だけれども、さあ、
梯子を作るんだ、そして、沈んでしまっている流木の元に降りるんだ。

拡げられないまま朽ちている敷物、
愛人達の縺れた足取り、
辺りに漂う王室の艀、
僕が眺めているこの窓枠の中で、色々なその他の物のどれよりも、輝いている、
雛菊、
もしも誰もしないのなら、僕が、君のことを歌おう。

小さな雛菊、さあ、
レストランのテーブルに、朝食の代金の硬貨と、それにミルクを撒き散らそう、
物の数にも入らないような雛菊、だけれども、
僕は天国に落ち込んだような気分だ、君は僕を飾り立てるんだね。

二人で見上げよう、
馴染んだ空を見渡すんだ、
凪いだ日に、ちびちび飲んでしまおう、そうすると、
君は僕を眩惑させてしまうだろう、砂糖の山に登る蝿のように、
誰もそうしないのなら、僕が、君に色を塗ってしまおう。

小さな雛菊、
二人で見上げよう。
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2010年03月26日

La cathédrale engloutie

 パートリッジの「Humble Daisy」、何となく思い浮かんだのは、Claude Debussy の Préludes の第一巻の「La cathédrale engloutie / 沈める寺」。
 「Humble Daisy」は海で、「La cathédrale engloutie 」は、山中の湖のようには思うのですけれど。


posted by ノエルかえる at 08:32| Comment(0) | TrackBack(0) | Nonsuch | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年03月21日

Rook 訳

 パートリッジの「 Rook 」。二つのロンドが合わさった形式の歌。二つのロンドは、違った様相をしています。一つは、テニスンのように、水平方向の俯瞰を感じさせるもの。もう一つは、シェリーのように、垂直方向の上昇を感じさせるものです。水平方向の果てしなく続く俯瞰には一種の諦念を、垂直方向の上昇には、解放を感じます。
 歌詞は、アルバム『アップル・ビーナス』の「 The Last Balloon 」に続く、一種のレクイエムのようです。

 言葉では、「 rook 」「 crow 」とも、いくつかの意味があって、それも含意しているように思われます。 rook は、詐欺師、 crow は、他人の敗北を喜ぶ者、と言う意味。また、 crow は、立羽蝶の一種、milkweed butterfly のことも指します。西洋では、蝶は魂のことでもあります。
 「 by hook or by crook 」は、成句なのですが、一つは、 rook との韻があるのですけれど、ポピュラー歌謡でよく使う「フック」も連想させます。また、双方とも、曲がったと言う意味なので、大地を流れる小川のイメージも浮かんできます。「何としてでも」の意味だけに訳したのでは、豊かなイメージを減じてしまうように思います。私は、鴉の曲がった嘴と脚に結びつけました。
 「 I'll let go 」の go の主格は I なのだと思うのですけれど。この歌の話者 I が、カラスを取り押さえているようには思えませんので。けれども、はっきりしないので、不確かな訳にしました。


 拙訳です




深山烏よ、私から騙し取ったお前、
お前の帳面を読み上げてお呉れ、
誰が誰を殺したのか、そして、宝は何処に隠されているのか、書いてあるのだろう、
鴉よ、私の敗北を歓喜するお前、
お前の知っている全てを明かしてお呉れ、
あの鐘に刻んであるのは、私の名前なのか、知っているのだろう、
深山烏よ、私から騙し取ったお前、
沢を注意深く探してお呉れ、
私が関わっている秘密がそこにあるのではないだろうか、
鴉よ、私の敗北を歓喜するお前、
私がお前を見失う前に、あの鐘に刻んであるのが私の名前なのかを言ってお呉れ、

高く舞い上がれ、そして、洗濯物の列に信号を読み取るんだ、
汽笛を鳴らす機関車や鉄道標識の信号は壊してしまうんだ、
雲の底に書かれている伝言は何処にあるのだろう、見つけられたかい、
そこからの俯瞰図は果てしもなく不変、分かっているね、口外はしないように、

深山烏よ、私から騙し取ったお前、
お前の曲がった嘴を掴んででも、お前の折れ曲がった脚を取ってでも、何としてでも、
お前に何もかもを話させてしまおう、
鴉よ、私の敗北を歓喜するお前、
あの鐘に刻んであるのは、私の名前なのか、知っているのだろう、

夜が与えた翼をつけて、私も飛ぶのだ、草原の、そして、川瀬の上空を、
沢山の見聞で満ちている私の頭脳、けれども、夢から覚めてしまう、
私が死んだ時には、それまで身中に魂があったのだということが分かるだろう、
お前はそれを嘴で摘まみ上げ、最後の飛翔に載せてお呉れ、そう約束してお呉れ、


深山烏よ、私から騙し取ったお前、
沢を注意深く探してお呉れ、
私が関わっている秘密がそこにあるのではないだろうか、
鴉よ、私の敗北を歓喜するお前、
私が逝ってしまう前に、あの鐘に刻んであるのが私の名前なのかを言ってお呉れ。
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The Bells

 パートリッジの「 Rook 」、題名から、私がまず思い浮かんだのは、Edgar Allan Poe の「 The Raven 」です。歌詞を読み進むと、 bell と言う語もあります。やはり、ポーに、「 The Bells 」と言う詩作品があります。ラフマニノフは、ポーの「鐘」を元に声楽と管弦楽のための作品を書いています。
 また、ポーの詩「 The Bells 」を元にした、映画もあります。
James Young 監督の『 Bells 』。1926年の作品。
The Bells (1926)

ラフマニノフの『鐘』:


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Rook

 「 rook 」の意味をいくつか。

もちろん、鳥の名前、ミヤマガラス。
カード・ゲームの一種。
チェスの駒、縦横を直線に動く駒、ルーク ( 城 ) の別名。
イギリスのロケットの名前。1959年から72年まで運用。航空機の超音波のテストのために使用されたと。

また、カラスの飛行形態は、直線飛行。
posted by ノエルかえる at 10:34| Comment(0) | TrackBack(0) | Nonsuch | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年03月16日

This is Pop 訳

 パートリッジの「This is Pop」、『時計仕掛けのオレンジ』世界なのですが、その小説の暴力性はないのではないかと思います。ただ、大きな音が欲しいと言う、当時の、パートリッジの率直な思いなのでしょう。
 その大きな音も、響くというものではなくて、吹き出すという感じなのでしょう。歌詞の語は、-st と言う音を多用しています。lost、frost、fast、blast。それに、direction、selection の -ct と言う音。Pop と言う語にも、飛び出す、突然現れるのような感じがあるのだと思います。

 「 a milk bar 」、元の小説の「 Korova Milk Bar 」を使いました。
 「 a walkway 」は、工場内の通路のようなものの方が、SF的な雰囲気が出るのではないでしょうか。それも、動く歩道のような。
 「 transistor blast 」は、後に、BBC セッションからの選集のタイトルに使われました。
 「 direction 」にも、SF的な感じがあるのですが、アルバム『White Music』のアートワークの写真で、パートリッジは、矢印の入ったズボンを履いています。それを連想させられました。


 拙訳です。



ミルクバー「корова」で、僕は夢中になってる、
凍りつくほど冷えたソーダを飲みながらね、
そしたら、誰かが僕の矢印方向へ曲がって来てさ、
何度も訊くんだ、僕が選んだジューク・ボックスのこと、
「アンタが鳴らしているこの轟音、
これ、何ていうの?何ていうの?」

「これ? 飛び出す音だよ、これがひょっくりさ、
そーさ、そーさ、
ひょっくり、びっくり!」

構内連絡路で、それも速く動いている、
僕の持ってるものと言えば、最大音量のトランジスタ・ラジオ、
そしたら、誰かが僕の矢印方向へ曲がって来てさ、
何度も訊くんだ、僕が選んだ局のこと、
「アンタが鳴らしているこの轟音、
これ、何ていうの?何ていうの?」

「これ? 飛び出す音だよ、これがひょっくりさ、
そーさ、そーさ、
ひょっくり、びっくり!」

僕らは通路を間違ったかも、
僕らはずっと待ち望んでた、
僕らは、大きすぎる音で歌を掛けるんだ。

これがポップ。
posted by ノエルかえる at 22:40| Comment(0) | TrackBack(0) | White Music | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年03月14日

Sgt. Rock and Easy Company

 Sgt. Rock については、備忘していたと思ったのですが、( 『Black Sea』のカテゴリーではなくて、他にメモしたのか知ら? )
 米国のDC コミックです。
Robert Kanigher 作話、Joe Kubert 作画。1959年から。


The Hembeck Files!


title-sgtrock.jpg
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I'd like that 訳

 パートリッジの「 I'd like that 」。スタンダード・ナンバーの「 My Favorite Things 」を思いださせるような楽しい歌です。「 My Favorite Things 」の音形を反転させて調性を変えれば、「 I'd like that 」になると言うことはないでしょうけれど。このような歌、パートリッジはこれまでにも書いています。「 Rocket from a Bottle 」「 Yacht Dance 」「 Ballet for a Rainy Day 」、少し違いますが、「 Me and the Wind 」も。

 歌詞には古今の恋人たちが並べられていますが、その名前には、別の意味もあり、それも、使っているようです。
 Victoria は、英国の女王ですが、勝利の意味も。
 Hector は、ギリシャ神話の英雄ですが、弱いものいじめの意味も。
 Nelson は、英国の海軍提督ですが、レスリングの技、後ろから相手の首を押さえる、の意味も。

 歌は、エロティックな面もあります。

 拙訳です:






こんなことをしてみたいんです、
私たち二人で、どこかの小径を自転車で降って行くというのはどうです、
こんなことをしてみたいんですが、
私たち二人で、降る雨の帳に自転車で突っ込むと言うのはどうです、
マッキントッシュ・レインコートも羽織らず、濡れるにまかせて、
私はアルバート公ですね、貴女がヴィクトリア女王ならば、
( 我らの勝利、ハッハ )
私たちは可笑しがるでしょうね、滴が一滴当たる毎に、私が伸び上がってしまうでしょうから、
本当に高く、天高く伸び上がるでしょう、実際にある丈高いもののように、
言って下さいな、「ひまわり!」と。

こんなことをしてみたいんです。

こんなことをしてみたいんです、どうお思いです?
私たち二人で、私の家の暖炉の前に横たわるというのはどうです、
こんなことをしてみたいんですが、
貴女は、私を火箸の鉤から落として下さいますか、
私は焼き上がっているでしょうから、
貴女がトロイアの王女ヘレネーならば、私はトロイアの王子ヘクトールにはなりません、
( 貴女に辛く当たったりはしません、アア )
私たちは可笑しがるでしょうね、焔の舌が一舐めする毎に、私が伸び上がってしまうでしょうから、
本当に高く、天高く伸び上がるでしょう、実際にある丈高いもののように、
言って下さいな、「ひまわり!」と。

こんなことをしてみたいんです。

あまりに笑うものだから、私の顔は二つに割れてしまうでしょうね、
そうしたら、貴女が接吻の糊で付けて下さるでしょう、
こんなことがしたいんですが、
そう、こんなことがしたいんです。

こんなことをしてみたいんです、どうお思いです?
私たち二人で、寝台の上を漂うというのはどうです、
こんなことをしてみたいんです、どうお思いです?
貴女が私の腕枕で眠っている間に、
私が貴女の心の中、想像の中を櫂を漕いで巡るというのはどうです、
貴女がハミルトン夫人ならば、私はネルソン提督ですね、
( 貴女の頭を後ろから抱えて、なんて楽しい! )
私たちは可笑しがるでしょうね、私が櫂を一回漕ぐ毎に、私が伸び上がってしまうでしょうから、
本当に高く、天高く伸び上がるでしょう、実際にある丈高いもののように、
言って下さいな、「ひまわり!」と。

貴女がそう言うのを私に聞かせて下さいな!

言って下さいな、
「貴方は、向日葵になる、
私の雨で伸びていくでしょう」と、
もう一度言って下さいな、
「ひまわり!」と。
posted by ノエルかえる at 10:19| Comment(0) | TrackBack(0) | Apple Venus | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年03月13日

a piggy in the middle

 パートリッジの歌「 Living through another Cuba 」、歌詞に「piggy in the middle」と言う言葉が出ます。これは、英国の子供の遊びです。
 二人か、それ以上の人が、ボールを渡し合います。真ん中にいる人がそれを妨害すると言う遊びです。ドッジ・ボールに似ているようなゲームです。

 YouTube で探しました。画面が横になっていますが:





 この遊びをする時には、「piggy in the middle」と歌うのですが、そのメロディは、ブリタニア音楽の父 William Byrd ( ウィリアム・バード )の曲からだそうです。
「 A Fancy 」:



 この歌の歌詞には、「 bulldog 」 と言う語もあります。「 piggy in the middle 」と「bulldog 」は、両方とも、強力な板挟みの意味です。
posted by ノエルかえる at 09:23| Comment(0) | TrackBack(0) | Black Sea | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年03月12日

Hector and Helen of Troy

 「I'd like that」、もう一組は、ヘクトールとヘレネー。これは、夫婦でも恋人でもありません。歌詞にも、「I wouldn't Hector if you'd be Helen of Troy / もし君がトロイアのヘレネーだったら、僕はヘクトールにはならないよ。」と。
 ヘクトールの妻は、アンドロマケー。ヘレネーの夫は、パリス。パリスは、ヘクトールの弟。
 歌詞では、Hector が、ギリシャ神話の英雄 ヘクトールの意味と、普通名詞の「弱いものいじめをする人」の意味の両方を同時に使っています。


 映画では、『 Helen of Troy 』。1956年の公開。監督は、Robert Wise 。ヘレネー役は、Rossana Podestà 。ヘクトール役は、Harry Andrews 。

Helen of Troy (1956)

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 他に映画では、Μιχάλης Κακογιάννης ( Mihalis Kakogiannis ) 監督の『 Τρωάδες ( The Trojan Women )』。1971年。
 これは、エウリピデスの悲劇で、トロイア戦争の後の物語ですが。
 ヘレネー役は、Ειρήνη Παππά ( Irene Papas ) 。

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2010年03月11日

Emma, Lady Hamilton and Horatio Nelson

 パートリッジの歌「I'd like that」のもう一つのカップル、ホレーショ・ネルソン提督とエマ・ハミルトン。英国が誇る英雄と一世を風靡した美女のカップルなのですが、公娼出身のエマは、ウィリアム・ハミルトン卿の妻であり、ネルソンとは愛人関係。三人の奇妙な同居も世間の知る所でもあります。また、エマは不幸な死を迎えます。この楽しい歌に相応しいのかどうか。
 エマは、モデルとしても知られていて、その相手の中には、文豪ゲーテも。

 エマとネルソンの恋愛は、映画にもなっています。『That Hamilton Woman ( 邦題:美女ありき )』。1941年の公開。監督は、アレクサンダー・コルダ Alexander Korda 。エマ役は、ヴィヴィアン・リー。

That Hamilton Woman (1941)

( 以前に備忘したと思っていたのですが )

 YouTube にあるトレイラー:





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2010年03月10日

Albert and Victoria

 「I'd like that」の歌詞に出る、Albert と Victoria 。英国の女王 アレクサンドリナ・ヴィクトリアと、その夫 ザクセン=コーブルク=ゴータ公子アルバートなのですが。
 『 Albert and Victoria 』と言う、テレビドラマが、1970年から71年に、英国のITV で放送されていたそうです。シチュエーション・コメディ。こちらは、19世紀の中産階級の家庭なのだそうです。


Albert_&_Victoria.jpg
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2010年03月08日

Rainwear

 パートリッジの歌「I'd Like That」の歌詞に出る、Mackintosh raincoat 。ホームページを備忘しておきます。アルバムでは、三曲後のムールディングの歌「Frivolous Tonight 」には、Rael Brook shirts が出るのですが、二人は相談して、取り上げているのか知ら。
 『Skylarking』にも、黄色のレインコートが出てました。

 マッキントッシュ・レインコートは、日本の女性に人気があると言うことですが。

Mackintosh Rainwear



mac.gif
posted by ノエルかえる at 21:15| Comment(2) | TrackBack(0) | Apple Venus | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年03月07日

Fruit Nut 訳

 ムールディングは、一つのアルバムに数曲の歌を提供するのですが、それは、全く違った面を持つものです。ただ、このアルバム『 Apple Venus 』の二曲「 Frivolous tonight 」「Fruit Nut」は、一見、似ているように思えます。両方とも、愚者礼賛をしているように思えます。それでも、やはり、何か違う次元のような気もします。

 「Fruit Nut」、歌詞は、短い言葉の連なりです。薄くて短い短冊のような言葉なのですが、指物名人の品のように、どのように繋がっているのかが分からないほどの巧みさで、一体化しています。言葉が、水平方向、垂直方向に複雑に絡んでいるのですが、その複雑さをまったく感じさせないで、ただの小さな箱のように見せています。

 いくつかの食べ物と楽器が並べられて、イメージを織りなしています。
 fruit & nut ( チョコレート )、苺、ラズベリー、ストロベリー・フール ( デザート )。それに、 bud ( 芽 )と言う植物用語。
 fruit →flute フルート、hoot 喇叭。

 また、どの語にも、いくつかの意味があり、それも、上手く連想に使われているように思えます。
 hobby は、ハヤブサ類のうち、小さなものを指す語でもあります。
 ところで、歌詞の中には、nut は出ないのですが、、


拙訳です、






看板「畑ニ居リマス」

畑仕事の最中なんです、ボクの「愚者」を育てているんです、
みなさん、興味の対象を何か持つべきですよ、( おっ! ハヤブサだ )
健康でいるには、独り用の小屋が要りますよ、( 外聞は脱ぎ捨てようっと ) 。

新芽に殺虫剤を撒いている最中なんです、ボクの「未生」に湯浴みをさせているんです、
病気に罹らないようにしなくてはいけませんよ、
殺虫剤を混ぜているんです、家内は何も言いません。

ボクのことを、本流から外れている、
そうでなければ、ユルユルの土台の上の空っぽ頭な男、
と言う人もいるね、( あ、ストロベリー・フール、食べたくなっちゃった )
でもいつか、そう言った人たちも解ると思う、
そしたら、当て擦りでも言おう、おならでも嗅がせてやるかな、
黄金の林檎、末広がりの梨というのは、ボクのことだからね。

というわけで、畑仕事の最中なんです、
誰かを大笑いなんかさせませんよ、
畑仕事はボクを落ち着かせますからね、穏やかにさせますからね。
posted by ノエルかえる at 10:42| Comment(0) | TrackBack(0) | Apple Venus | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年03月06日

Making Plans for Nigel 訳

 「Making Plans for Nigel 和訳」と言う検索がありましたので。

拙訳です、





わたし共は、息子のナイジェルのことばかり考えているのです、
ただもう、あの児に一番のものをと願っております、
息子のことを心配しているだけなのです、
あの児、ナイジェルは、わたし共の手助けがないと何も出来ないのです、
ナイジェルが、「幸せだ。」と申しているのなら、
あの児は幸せに決まっております!
就職出来て幸せなんです!
わたし共は、息子のナイジェルのことばかり考えているのです、
英国鉄鋼の関連会社にいれば、あの児の将来は確かです、
ナイジェルの生涯は、保証の印鑑を押されたも同然なのです、
ナイジェルが、「幸せだ。」と申しているのなら、
あの児は幸せに決まっております!
就職出来て幸せなんです!
あの児は、人見知りで、自分から話すことはないのです、
ですが、お話しをする場所は嫌いではないです、
特に、話しかけられるのは大好きなんです。
あの児は、就職出来て幸せなんです!
わたし共は、息子のことを考えているだけですよ。




追記:
この歌詞の可笑しみは、両親が息子のことを考えていると言う語、plans が、
British Steel のplant 、工場とかけられているところです。

plant は、植物の意味でもあるので、後年の「Fruit Nut」にも繋がるのかしら、
と、ふと、思ってしまいました。
posted by ノエルかえる at 08:29| Comment(0) | TrackBack(0) | Drums and Wires | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年03月03日

Fly on the Wall 訳

 「XTC 対訳 Fly on The Wall Lyrics」と言う検索がありましたので。

 あまり、考えていません。Idea のサイトに掲載されている歌詞を見ながら、そのまま訳しました。
 Fly は、昆虫の蝿と言うより、監視用のロボットカメラのようです。

 拙訳です。


「ワタシは、壁に取り付いてるハエです。
ワタシにはたくさんの監視カメラがあります、
それで、箪笥の下から、アナタを見張っています。
アナタの家の玄関から飛んで入って来ました。
アナタは気が付いていませんでした。もうずっと、アナタの番地、調査対象に挙げられていたのです。
ワタシは知っています。アナタのお母さんは、赤ん坊だったアナタをぶちました。
ワタシは知っています。アナタは小銭を貯め込んでいます。
誕生から墓場まで、コンピューターに記録してあります。」

壁に取り付いているハエ、それはすべてを見ているのです。

「ワタシは、壁に取り付いてるハエです。
それはそれはうずたかく積み上げられたファイルにアナタも載せられています。
ですが、アナタは、健康がいささかすぐれないようです。
快復の見込みのない人には、ある “場所” を用意していますよ。
ワタシは知っています。アナタの収入も、アナタの生活費も。
ワタシは知っています。アナタの気晴し、アナタが熱中しているもの、アナタの欲望も。
ワタシは知っています。アナタが生きている間のことを。
ワタシは知っています。アナタが土塊になった時のことも。」

壁に取り付いているハエ、それはすべてを見ているのです。

人は生まれ人は死ぬのです。
そのすべては、数字として理解されるのです。
その途中のことは、数えないのですけれど。

壁に取り付いているハエ、それはすべてを見ているのです。

「ワタシは知っています。アナタが生きている間のことを。
ワタシは知っています。アナタが土塊になった時のことも。」







追記:
 この歌の可笑しみは、昆虫の蝿にコンピューターの bit を投影しているところだと思います。
 この歌が発表された頃は、まだ、家庭にコンパクトなパソコンが入って来るずっと前なのですが。でも、そのコンピューターが家庭に入り込んで個人を見張っている、という近未来SF的な光景が歌われています。
 蝿の立てる羽音の、短い断続的な音の連続、ブンブンブン、それが、コンピューターの立てる機械の音、ジジジジ、と似ているのと、蝿の目も、複眼なので、小さな点の集積で、それが機械のセンサーに似ているので。
 それに、昆虫の身体は、節があって、bit の集積に見えます。
 人間の声が滑らかに伸びていくのや、目が、きれいな球で、滑らかな表面をもっているのと、比較すると、デジタルと、アナログのアナロジーのように思えます。
 この歌を書いたとき、ムールディングは、面白いイメージの変換だと思ったのではないでしょうか。
 「Ball and Chain」も、普通では、囚人に付ける足枷なのですが、それを、起重機の鉄球とそれをつっている鎖に、イメージを変換しているのと、同じ用法でしょうか。
posted by ノエルかえる at 11:05| Comment(0) | TrackBack(0) | English Settlement | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年03月01日

Fruit Nut

 ムールディングの「 Fruit Nut 」、少しばかり違うのですが、英国に、名前の似たチョコレートがあります。Fruit & Nut 。Cadbury 社のチョコレート菓子。1928年から続いている菓子です。
 ムールディングの歌、『 Wasp Star 』の「 In Another Life 」にも、Milk Tray が出てますし、チョコレートが好きなのかしら。

Cadbury: Cadbury Chocolate

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a strawberry fool

 ムールディングの「 Fruit nut 」、歌詞に strawberry fool と言う語があります。歌詞の内容とは、直接関係ないのですが、strawberry fool という、16世紀頃から伝わっている、英国のデザートがあります。
 歌の途中に、ちょっと思い浮かべれば、また違った感覚があるのかもしれません。ムールディングが好きなのかどうかは、私は知らないのですが。

 About.com の説明:

Strawberry Fool - Recipe for Strawberry Fool - Fruit Fool Recipe


 YouTube には、strawberry fool はないのですが、mix berry fool の recipe がありました。

YouTube - How To Make Mixed Berry Fool


 about.com によると、fool は、フランス語の fouler ( 圧しつぶす ) が訛ったものとのことです。
posted by ノエルかえる at 13:53| Comment(0) | TrackBack(0) | Apple Venus | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする