2010年04月30日

Atlantis

 パートリッジの「 Then she appeared 」の歌詞の「 Atlantis 」、

 大陸アトランティスは、プラトンの対話編『クリティアス Κριτίας 』に最初に描かれる。『クリティアス』はプラトンの晩年の作で、クリティアスの寓話は途中で終わる。
 近代に、Ignatius Loyola Donnely が『 Atlantis,the Antediluvian world 』を著して、怪奇伝説となった。


 アトランティスの名称は、ギリシャ神話の神のアトラス Άτλας が由来と言うのも一つの説。
 アトラスは、世界の西の果てで、天を支える。
 アトラスの娘の一人、ヘスペリデス Εσπερίδες は、父親のアトラスが天を支えている向こうの庭園に住んでいて、黄金の林檎を守っている。
( ので、林檎と関係? エデンの園の東で生命の樹を守るヘルヴィムとは対? )
 ヘラクレスの12の功業の11番目は、その黄金の林檎を手に入れると言うもの。
ヘラクレスの難行は、「 The Ugly underneath 」にも。
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2010年04月29日

Marie Celeste

 「 Then she appeared 」の歌詞に出る「 Marie Celeste 」。

正しくは、Mary Celeste 。メアリー・セレスト号。19世紀の二本マストの帆船、商船。

 1872年の11月に、ニューヨークから、イタリア・ジェノバに向けて出航した後、12月に、ポルトガル沖で、無人の状態で発見された。
 船には、船長とその家族、それに乗組員の10名が乗船していたが、全員が不明。船本体、船荷にもほとんど損傷のない状態だった。

 その後、特異な事件として、一般に流布されるに従って、様々な逸話が加えられて、怪奇伝説となって行った。

 現在では、積み荷のアルコールがいくらか漏れ出していたため、そのような危険な荷物は初めてだった船長以下、爆発を恐れて、狼狽して、船から逃げ出した、と考えられていると言う。



 アーサー・コナン・ドイルが、スティーブンソンやエドガー・アラン・ポーに影響を受けながら書いた処女作で、この事件を題材にしている。1884年の作品。

 ドイルは、この作品で、船の名前を、Mary Celeste からMarie Celeste へ変更している。パートリッジが使ったのも、この変更されたもので、現実の事件の船の名前ではなく、怪奇伝説の船の名前である。

 ドイルの作品の梗概は以下のよう。
題名は、『 J. Habakuk Jephson's Statement 』。
 アメリカ人の医師、J. Habakuk Jephson は、Marie Celeste へ乗り合わせた。そして、たった独りの生き残りとなった。後になって、彼は事件の顛末を語る。
 10名の乗員の中に、アフリカ系の男がいて、その男は白人を恨む極端な人種差別主義者で、一人ずつ他の乗員を殺して行った、Jephson 自身は、神聖な宝石を持っていたために生き延びることが出来たのだ、と。

Sir Arthur Conan Doyle - Conan Doyle's 'Ghost Ship'

 ドイルのこの作品が元になったのか、事件は怪奇伝説となって、幽霊船の話しとなる。

 1935年に、英国で、『 The Mystery of the Marie Celeste 』という題名の映画が公開。監督は、Denison Clift 。主演は、ドラキュラ映画で有名な、Bela Lugosi 。
 プロットは以下。
 Briggs とMorehead と言う二人の航海士がいて、親友であった。Morehead は Sarah と言う女性に恋をしていて、彼女を Briggs に紹介するためにニューヨークへ呼ぶ。ところが、 Briggis は、Sarah に恋をしてしまい、求婚する。Sarah もそれを受け入れて結婚することに。Briggis は、Morehead に告白するが、それは二人の友情の終わりを意味した。
 その後、Briggs は、航海に出ることになり、Sarah も同行する。船員が不足のため、Morehead に赦しを乞い、手助けを求める。Morehead は、Grot と言う男を遣る。Briggis 自身も、Lorenzen と言う、精神に問題のある男を雇う。
 航海が始まると、船員が一人ずつ殺される。また、船員たちは、Sarah を強姦しようとする。Lorenzen は、Sarah を守ろうと、襲った男たちを殺す。しかし、彼は殺した後、その苦しみに耐えられない。
 乗員が、Lorenzo と、Lorenzo の始めからの知り合いの Wilson と、もう一人の Katz になった所で、誰もが、この中に犯人がいると確信する。Wilson は、Lorenzo は優しい性格だから、人は殺せないと思い、Katz を撃ち殺す。ところが、Lorenzo は、6年前に同じ船に、不正乗船したのは自分だと白状し、( 6年前にも同様な事件があった ) その時の復讐をするのだ、と言って、Wilson を殺す。けれど、殺した後、彼は精神が分裂してしまい、自ら海に身を投げる。
 映画のラストショットは、Morehead が Grot に金を渡すところ。

The Mystery of the Marie Celeste (1935)


 歌詞の笑う乗組員というのは、パートリッジの創作か、何か伝説があるのかが分かりません。
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2010年04月28日

Cherubim

 「 Then she appeared 」の歌詞の語、Cherubim 。

Χερουβείμ 。
ケルビム。正教では、ヘルヴィム。

 智天使。
四つの顔と四つの翼、翼の下に人間の手のようなもの。

エデンの園の生命の樹を守る。 ( なので、林檎と関係? )
エデンの園の東にいる。 ( 歌詞の後に、西にあるアトランティスがあるので対? )
神の姿を見ることができる。
神の乗り物となる。 ( 歌詞の後に、アレクサンドリアのカタリナがあって、カテリナは車輪の伝説があるので、対? )


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 正教のヘルヴィム讃歌、ハンディ・ビデオなので、手ぶれもありますが、儀式の雰囲気も窺えるので、






 また、ベートーヴェンの第九交響曲の、歌詞にも、ケルビムは登場します。

Küsse gab sie uns und Reben,
Einen Freund, geprüft im Tod;
Wollust ward dem Wurm gegeben,
und der Cherub steht vor Gott.



 ヘルヴィム讃歌は、チャイコフスキーも書いています。




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2010年04月27日

William Fox Talbot

 パートリッジの歌「 Then She Appeared 」には、たくさんのものが登場します。日本盤のライナーに付せられた対訳にも説明がありますけれど。
 一つずつ、備忘しておこうと思います。

Fox Talbot 。

William Fox Talbot 、1800年に、スウィンドンもその中にあるウィルトシャー州のLacock Abbey ( ラコック・アビー :元修道院だったものをタルボット家が購入して館にしたもの )に生まれた人。1877年に没。
 写真技術の考案者の一人。

William Fox Talbot - Wikipedia, the free encyclopedia

 Lacock Abbey は、Fox Talbot Museum になっています。ナショナル・トラストの管理。
National Trust | Lacock Abbey | Fox Talbot Museum


 写真のコレクションは、今は、英国図書館に移されているそうです。

 この館、ハリー・ポッターの映画に使われたそうですが。

 写真のいくつかが、メトロポリタン・ミュージアムにあって、webでも見ることが出来ます。
William Henry Fox Talbot (1800–1877) and the Invention of Photography | Thematic Essay | Heilbrunn Timeline of Art History | The Metropolitan Museum of Art


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2010年04月22日

The Disappointed 訳

 パートリッジの「 The Disappointed 」、アルバム『 Nonsuch 』では、「 Rook 」から前に三曲目の歌。対になる後ろに三曲目の歌は、「 Then she appeared 」。「 The Disappointed 」は、もとは、アルゼンチンかペールーの政変で行方不明になった人たちを探す近親者たちが、写真を掲げてパレードをすることを歌にしようとしたと言うことです。ですから、もとは、disapperared だったわけです。

 「 The Disappointed 」、このテーマの音の組成は、「This is Pop 」と同じです。θ - ις -π。基本的には、両方とも三音ですが、「 The Disappointed 」の方は、頭の一音が細かく三分割されて、全部で五音です。(This)-( is )-(Pop)、[(The) (Dis)(a)]-(ppoin)-(ted)。
 「This is Pop 」では、三音が鋭い角度で跳ね上がっていたのですが、「 The Disappointed 」では、頭の音が谷折りに折れて溝を作っています、その後の二音も緩慢な上昇で、不安定さを感じさせます。そのために、「This is Pop 」では真空の軽快さを感じさせていた同じ音の組成が、重みのあるものになっています。

at the bottom of the pack、
at the bottom of the pile というイディオムを black との韻のために変化させているのかと。

拙訳です。





喪人、
喪人の皆は、摺り足で輪を廻る、
喪人の首から下がった鑑札はどれも同じ様、
喪人となる前の彼らの心を引き裂いた者の
肖像と名前が記されている。

喪人、
喪人の皆が、我が館に集う、
喪人らは、悲辛で声を詰まらせる、
悲辛、傷心で一族の
長になろうと言う悲劇。

嘗ては、私は憐憫など抱かなかった、
このような、破滅し愛に見放された輩には、
ところが今は、私の指にあるお前の指輪、
これが、私が喪人の代表者になったことを証している様子。

喪人、
喪人らが、私を肩に担いで運ぶ、
人知れぬ影の国へと、
そこでは、陰々な行軍吹奏隊が
傷心のための曲を演奏する。

日は暮れて暗くなった、
どこも、どこも暗い。

喪人、
喪人は、何百万と言う数になった、
裂かれた心の切れ端で造られた、
私たちの記念館の前で止まったバスから、
喪人らが、溢れ出す。

喪人、
刻々と増えていく、
喪人は太陽にしみをつけて暗くする、
喪人の一団のその底で、
今や、私は、正真正銘、傷心の王だ。
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2010年04月21日

Garden of Earthly Delights

 Steve Hillage (guitar/vocals)、Dave Stewart (organ)、Clive Brooks (drums)、Mont Campbell (bass/vocals)は、Uriel と言うバンドを組んでいたのですが、1969年に、名前を変えてアルバムを発表しています。バンド名は、Arzchel 。アルバム名も同じ。覆面バンドのように、メンバーはそれぞれ、Simon Sasparella、Sam Lee-Uff、Basil Dowling、Njerogi Gategaka と名前をかえています。サイケデリックなアルバム。

 そのアルバムの一曲目の歌の題名が、「Garden of Earthly Delights」。
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2010年04月20日

Scarecrow people 訳

 パートリッジの「 Scarecrow people 」、多面的な面を持つアルバム『 Oranges & Lemons 』ですが、カーニバルのパレード順の三つの部、道化、山車、一般の人の行列、のように見る場合だと、この歌は、山車の列の中の中心にあるように思えます。案山子を使った英国のお祭りで思い浮かぶのは、ガイ・フォークですが。
 この歌は、彼自身のお気に入りの歌の一つと言うことです。彼の頭には、『オズの魔法使い』があったと言うことです。その映画、その音楽は、ポピュラー文化の揺るぎない神髄になっていると思われます。『オズの魔法使い』は、西洋社会にデパートが登場した頃の小説で、そのデパートが表象する、それまでの西洋社会とは違う社会のあり方を体現した作品と言うことです。デパートと言う企画された消費をブランドと感じる社会です。パートリッジも、デパートの蠱惑 ( 消費の幻惑 )を音響化したのでしょうか? パートリッジの『オズの魔法使い』への眼差しと、サイケデリックへの眼差しは、同じように思えるのですが。
 『オズの魔法使い』と言えば、ライオンとブリキと案山子の三人ですけれど、パートリッジのこの歌の歌詞も、ポリフォニックと言うか、多層になっているように、私は思いました。航空便のアテンダントか、ツアーガイドの説明のような部と、やや幼い語りの部と、やや古めかしい語りの部があるようです。
 歌詞の内容は、あるいは、同じアルバム中の「 Mayor of Simpleton 」との呼応があるのかも。

拙訳です。






みなさま、当機にご搭乗ありがとうございます、
最新式のストロー紙飛行機の旅を楽しんでいただければ幸いです、
ご覧下さい、みなさまの普段とまるっきり同じ様子がこちらでもご覧頂けるかと存じます、
ご覧下さい、だだっ広い荒野に有刺鉄線、だあれもこの土地には関心を持ってませんけど、
わたしどもは、縁の方に立っていてみなさまのような方達を眺めているのです。

なぜかって、ぼくらは脳みそがないんだもの、ぼくらはこころがないんだもの、
って言うことはつまり、らんぼうでいやな風がぼくらをばらばらに吹き散らすってこと、
ぼくらはかかしのにんげんなんだ、
おにいさんたちと一緒のことがいっぱいだよ、
おにいさんたち、人生をうまく始められなかったら、
しまいには、かかしにんげんになっちゃうよ、やっぱり。

みなさま、お食事でございます、お口にお合いになるといいのですが、
ですけれど、石油からの化学製品だけで出来ております、
みなさまは、自然食品でない方がお好みだと考えましたものですから、
ところで、みなさまがこちらにご滞在の間に、わたしどもに何かご助言を頂けますでしょうか?
戦争についてです、わたしども、向こうの違った形のかかしと戦争を始める所なのでございます。

なぜかって、ぼくらは脳みそがないんだもの、ぼくらはこころがないんだもの、
って言うことはつまり、らんぼうでいやな風がぼくらをばらばらに吹き散らすってこと、
ぼくらはかかしのにんげんなんだ、
おにいさんたちと一緒のことがいっぱいだよ、
おにいさんたち、人生をうまく始められなかったら、
しまいには、かかしにんげんになっちゃうよ、やっぱり。

ここでは、我らは泣くことはない、
老病貧それに人を損なうものの、
発生の見込みは、ここではなあい、
だから、我らは心配も恐れも、ここではなああい、
我らの文明、それは、汝ら人間の文明を基礎にしているようだ、
何故と言うに、人間はこの世で最も聡明な動物だからであある、
現在では、どうであるかあ??

ここでは、我らは愛することはない、
顔を赤らめてのぼせることは、ここでは須らく求められてはない、
何人も著述を誌さない、何人も汝ら人間の肖像を描こうとしない、
我らの文明、それは、汝ら人間の文明を基礎にしているようだ、
何故と言うに、我ら悉皆、首を引き抜かれて死んでおるからであある、
現在では、どうであるかあ??

なぜかって、ぼくらは脳みそがないんだもの、ぼくらはこころがないんだもの、
って言うことはつまり、らんぼうでいやな風がぼくらをばらばらに吹き散らすってこと、
ぼくらはかかしのにんげんなんだ、
おにいさんたちと一緒のことがいっぱいだよ、
おにいさんたち、人生をうまく始められなかったら、
しまいには、かかしにんげんになっちゃうよ、やっぱり。

なぜかって、ぼくらは脳みそがないんだもの、ぼくらはこころがないんだもの、
って言うことはつまり、ほかのにんげんたちがぼくのたましいをちりぢりにやぶるってこと、
ぼくはかかしのにんげんなんだ、
ぼくは、きみにどうしても伝えたいことがあるんだ、
ぼくらが始めにちゃんと勉強しておかないと、
しまいには、かかしにんげんになっちゃうよ、やっぱり。
posted by ノエルかえる at 21:26| Comment(0) | TrackBack(0) | Oranges & Lemons | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

straw aeroplanes

 パートリッジの歌「 Scarecrow People 」の歌詞には、straw aeroplanes が出ます。飲み物を飲む時に使うストローを使って作る模型の飛行機です。紙飛行機の一種。
 YouTube に何かビデオがと思って、作り方のビデオを、






 模型好きのパートリッジですが、紙飛行機も作って飛ばして遊んでいるのでしょうか?
posted by ノエルかえる at 13:06| Comment(0) | TrackBack(0) | Oranges & Lemons | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年04月16日

The Ugly Underneath 訳

 パートリッジの「 The Ugly Underneath 」、アルバム『 Nonsuch 』では、「 Dear Madam Barnum 」と対になっていると思われるのですが、それは、仮面を軸にと言うことでしょうか。
 歌詞は、なぜか、食べ物に関した語を使って作られています。bake、gluttony、cake、spoon、chew、lemonade、sugar-coat、fork、tread ( ワインを作る時に葡萄を踏み潰すこと )。 the ugly underneath が、何か食べ物に関するものの言葉の連想があるのかもしれません。mask やwheel も食べ物と関係しているのか知ら?

 nitty-gritty は「物事の核心」という意味で使われる語なのですが、言葉としては、虱と塵です。18世紀の英国の奴隷移送船で、奴隷を下ろした後の、虱と塵が残った船底を指すのが語源という節もあるそうです。
 ただ、パートリッジがどう言う意図で使っているのか、よく分かりません。
Nitty-gritty


 ヘラクレスの十二の功業は、困難な事業を指す時に使いますが、グラス一杯の水で洗うというのは分かりません。三十年間掃除されたことのないアウゲイアースの家畜小屋を一日で掃除するというものはありますが。他の神話かもしれません。


 did you ever try to ( ) away the wheel の行、
Idea 、Chalkhills のサイトの両方とも、take を入れています。歌詞カードには、roll が入れてあります。録音の歌唱では、roll に聞こえます。


 拙訳です






まずは、何より握手についてですが、皆さん、
温かくて火傷しそうな握手のことですが、
そんな握手、注意を逸らそうと言う意図なのですよ、
心の底の醜さから。

さて、次は結婚についてですが、
コーディネイトされた寝室のことです、
そこで、お伽噺は反故にされ、細かく裁断されるものです、
ああ、心の底の醜さと言うものです、
花嫁の可憐さは以前のこと、
残念なことに、妻は大食いがあるだけ、
ケーキに食らいついていますよ、それが核心(nitty-gritty ) というもの、
それが、心の底の醜さというもの。

ところで、皆さん、無理にでも仮面を引き剥がそうとしたことはありますか?
それでは、スプーンのようなものを使ってやってみましょう、
ヘラクレスの十二の難行のようだということは確実なのですが、
やってみましょう、泣いても平気ですよ、
皆さんが噛み続けているものが真実です、
それは何より硬いものですし、難しいものですよ、
コップ一杯のレモネードで洗い流すのは。

心の底の醜さ、
次は、政治家たちについてのことですが、
私が彼らのとっておきの悪態を見ても、
怪しくは思わないでしょうね、
政治家たちの心の底の醜さ、
選挙が終われば、
政治家たちは、まぶされた砂糖は啜り取ってしまう、
そして、政治家は皆さんを利用してしまうのです、ほくそ笑んでますよ、
それが、皆さん、心の底の醜さというものです。

ところで、皆さん、車輪を外して転がし捨てたことがありますか?
それでは、フォークのようなものを使ってやってみましょう、
目に付き難いものを見てご覧なさい、それが人に現実を分からせるのですよ、
やってみましょう、軋たって平気ですよ、
皆さんが踏み続けているものが真実です、
それは何よりも硬いものですし、難しいものですよ、
コップ一杯のレモネードで洗い流すのは。


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2010年04月14日

Dear Madam Barnum 訳

 パートリッジの「Dear Madam Barnum」、Phineas Taylor Barnum は、親指トム将軍( General Tom Thumb )という、矮人を見せ物にして成功した興行師ですが、その名前を使った歌です。
 この歌を歌っている主人公も、馬に攀じ登るという表現がされているので、矮人なのでしょう。歌は主人公である矮人が、ほぼ全編を一人称で歌っています。ところが、サーカースのハイライトである綱渡りのシーンは、この矮人を外から見る視点の持ち主が歌い手に変わっています。( 観客か、歌の書き手でありナレーターか。 ) 歌い手が、矮人を二人称にして、外から見てのその様子を歌い上げています。物語の最も緊迫した場面を、その主人公の内面を全く隠して、外見の描写だけにするという手法で、緊迫度が増強されています。
 その綱渡りの部分は、You を道化にして読みました。


 拙訳です、






おいらが作り笑いを顔に着けるとさ、
それ、夜の公演が始まるのさ、
一般客は笑ってるのさ、
でも、今では、おいらは思うのさ、お客たちはさ、
おいらが奥様の高い馬に攀じ登ったらさ、
見せ物の幕は下ろされるのを知ってるのじゃないかとさ、
だからさ、バーナムの奥様、
おいら、ピエロを辞めようかな。

奥様は、おいらは何もかもの名人だったというのだけどさ、
でも、今では、おいらは思うのさ、おいらはさ、
サーカスのパレードの最後で掃除してるんじゃないかとさ、
子供客は手を叩いて喜ぶのさ、
おいらが床に落っこちたらさ、
おいらの心臓は裂けて破れちゃったのさ、
でも、子供たち、もっと、って、叫ぶだけなのさ、
もしかおいらがさ、ズボンをずり下ろす
たった一人の道化でなかったらさ、
バーナムの奥様、
おいら、ピエロを辞めるのに。

ほら、道化が高く張られた綱を渡るよ、
“真実”と“偽り”の間に渡された綱だよ、
道化の転落防止網は何処かに取払われてしまっているよ、
ほら、網がないので道化はとっても驚いているよ、
でも、バンドは楽しげに演奏を始めたよ、
さあ、さあ、ショーが始まるよ!
今日の公演の最後の演目だよ!

おいらは、笑ったように見える顔に塗ってるのさ、
もしかおいらがさ、ズボンをずり下ろす
たった一人の道化でなかったらさ、
バーナムの奥様、
おいら、ピエロを辞めるのに。
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2010年04月11日

My bird performs 訳

 ムールディング、インタビューでは、ときどき、僕にはビバルディ過ぎるという言い方をしますが。

拙訳です


偉大な芸術というのはちっとも僕を動かさないんだ、
年代物のワインも、著名デザイナーの衣裳も僕を微動だもさせない、
でも、僕の小さな世界は、僕のために、身を震わせて歌うんだよ、
僕の鳥は、甘く歌うんだよ、
可笑しな安物が
僕の樹を飾っている、
そうなんだ、僕の鳥は歌ってみせるんだ、
千匹のチェシャ猫が
僕の中でなぞの笑いを浮かべている、
そうなんだ、僕の鳥は歌ってみせるんだ、
さあ、始めるよ。

シェイクスピアのソネットは僕をひとりぼっちに取り残してしまうんだ、
シェイクスピアの演劇舞台も、その高尚な文章も僕を退屈させたまま、
でも、僕の小さな世界は、僕のために、身を震わせて歌うんだよ、
僕の鳥は、甘く歌うんだよ、
一番明るい花火が
僕の空に打ち上がる、
そうなんだ、僕の鳥は歌ってみせるんだ、
鳥かごは開いている、
でも、鳥は飛ぼうという気持ちは持っていない、
僕の鳥は、歌ってみせるのだから、
さあ、始めるよ。

僕は何を持っているかいつも言っているだろう、
( そうだね、君はいつもそう言っている )
見てご覧、これが僕の鳥だ!
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2010年04月09日

(The Everyday Story of) Smalltown 訳

 これは、以前に訳していたもの、訂正もしないままです。
歌詞を読み返すと、後の「グリーンマン」に繋がるようです。ただ、歌の始めの部分の we と、終わりの部分の I が、重ならないようにも思えます。 I は、グリーンマンのような村の聖霊のように思えます。

拙訳です。


スモールタウン

小村の生活、
毛布に包まり鼾をかいていると、
金音で起こされる。
牛乳配達がやってきたのだ。
寒村には、
秘密組織の社員が隠れていたりもする、
恋人たちが眠っていたりもするのに…

バイクの煙管の墨色の輝きを見せて
彼は滑走する
男たち、若者たちを仕事へと急き立てるのだ。
僕らは、
ポプラの並木の中にたっている。
目覚まし時計を造っているのだ、
僕らの妻たちを起こすものを。
僕らに、時間があるかなんて聞かないでほしい。
人生が終るサイレンが鳴らないかと焦りながらやっているんだから。

小村の生活、
谷間に縮こまっていた村が、子供の救世軍に起こされる。
日曜日の行進だ。
便所で咳き込んでいる、そんな生活。
いったい誰が、村を駄目にしたんだろう、

進歩婦人、
あなたのとっては、何も同じと言うのですね、
僕が、オクソのスープを飲み干す間を下さい、
そしたら出て行きましょう。
最新のナイロン製寝間着カタログのあなたは、
見るもおぞましい訳ではないです。
ちょっとだけ年の僕には、あなたは早すぎるのですよ。
次に会った時には、
1990年ですよ、て言うのですかね。

僕は、千年、ここに住んでいる、多分、これからも、まだ。
兵役から逃れた子どもたちを匿ってきた、
子どもたちは、その返礼に僕を愛してくれたもの。
その愛し方と言えば、
軋むベッドや、
自転車小屋や、
彼らの頭中やで、
独身者も、既婚者も、
ローリー党員も、レッズ党員も、
それぞれの方法で。
どれだけ、僕は満たされたでしょう。





2012年6月26日、訂正
パートリッジのインタビューを読んで:
The Everyday Story of Smalltown 訳: ノエルかえる不恵留
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2010年04月07日

Poor skeleton steps out 訳

 さびしい骸骨にしたのは、北杜夫の『さびしい・・シリーズ』が頭にあったからです。歌詞の内容は、「ディア・ゴッド」や「ルック」と重なる部分もあるようです。

 拙訳です、





さびしい骸骨、現れ出た、無用の血、無益の脳、役立たずの考え、
それにその他色々の勲章を飾り立てて。
さびしい骸骨、近いうちに、人間を脇に押しやって、
自由気ままになれる、それはもう疑いなし。

たくさんの都市々が血を流すと、さびしい骸骨は土の中で僕らの健康を祝して乾杯する、
「肉はすべて滅び去る。」
さびしい骸骨、のどの渇きもそのままで我慢して、楽しい雄叫びもまだとっておこう、
現れ出るその日まで。

さびしい骸骨、現れ出た、深い筋肉の仮面の下に閉じ込められた、
無期刑からの突然の釈放だ。
さびしい骸骨は慈愛深い、トラックの運転手にだって、
映画スターにだって、強盗にだって、女王にだって、同じように献身する、勇敢な機動部隊。

技術というものが衰退しても、さびしい骸骨は地面に小切手を書く、
「肉はすべて滅び去る。」
ダフ屋からチケットは買えないよ、
さびしい骸骨が現れ出る日には。

さびしい骸骨、現れ出た、性別からも、茶とか黒とか白とかの
肌色の違いからも解放されて。
さびしい骸骨は無骨者、人々は、骸骨になりたがっているのだ、
って、思わないのだろうか?

幸運なことに僕らはみんな骸骨だ、僕らは死んだら自由になる、
「肉はすべて滅び去る。」
僕は、ずうっと、わめいたり、すねたり、ふてくされたりするだろう、
僕が死んで僕の骸骨が現れ出るまでは。

ほら見て、骸骨坊やがやって来た。
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2010年04月04日

Danse Macabre

 新聞に、小池寿子 先生の『「死の舞踏」への旅  踊る骸骨たちをたずねて』が紹介されていたので、パートリッジの「Poor skeleton steps out」を思い浮かべました。

 YouTube にあった、サンサースの『Danse Macabre』をミュージックビデオにしたもの。演奏は、ストワフスキ指揮のフィラデルフィア管弦楽団、1925年の録音。ストワフスキは、ディズニーの『ファンタジア』にも出演。





「死の舞踏」への旅|単行本|中央公論新社


「死の舞踏」への旅―踊る骸骨たちをたずねて

「死の舞踏」への旅―踊る骸骨たちをたずねて

  • 作者: 小池 寿子
  • 出版社/メーカー: 中央公論新社
  • 発売日: 2010/02
  • メディア: 単行本





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Bungalow 訳

 ムールディングの「Bungalow」。

 「Bungalow」と言うたった一語、小さな黒塗りの箱のような、それが水平線のような完全に平らな所に静かに置かれていて、それに、両の手を差し伸べると、ゆっくりと多彩なイメージが立ち顕われ昇って行く、一本の白い煙のように、そんな感じの歌です。
 一つの語には、無限と思われる旋律が内包されている、と思わされる歌です。とすれば、その一語は慎重に選ばなければならないし、その語を、深く考えなければならないでしょう。

 ムールディングは、以前、「Ball and Chain」で、テラスハウスを歌にしましたけれど、これは、また、家を歌っています。

 私は、以前、Luxury accommodation traps the sun. のあたりを、ギリシャ神話の太陽を曳く馬車と読んでいました。それは間違っていて、改めます。前の行から続く、pimento spare Luxury accommodation traps the Sun. と一文に読んでいたのも一因です。何かで、その馬車を指すのに、accommodation か、その派生語を何かで読んだのかもしれませんが、典拠を備忘していないので、分かりません。
2007年03月05日 Bungalow 歌詞

 歌詞カード、Idea のサイトでは、連立てはなく21行の続いた歌詞になっています。チョークヒルでは、デモ版も併記されていて、それでは、6連 ( Bungalow 一語だけの行も連とすれば、7連 ) です。
 歌を聞きながら、それとはまた違う、9連立ての詩に読みました。

Idea Lyric:
http://www.xtcidearecords.co.uk/lyrics/lyrics_1.htm

Chalkhills: Reel by Real: "Bungalow"



Bungalow

Bungalow

By the sea


Bungalow

In the sea air

Climbing rose

Time to spare


Luxury accommodation traps the sun


So we're working every hour that God made

So we can fly away

Saving it all up for you


Bungalow

Bungalow

By the sea


Bungalow

Silver shoreline

In the gorse

You can be mine


Standing prime position for the town


Working for a vision through this life

So we can fly away
Saving it all up for you


Bungalow
Bungalow

You wait and see


拙訳です、





バンガロー、
バンガロー、
海のそば。

バンガロー、
潮風のなか、
薔薇が巻き付いて、
余生を送る。

豪華な部屋は陽差しを一杯に入れている。

ここで僕らは、神が造ったどの時間も生き切って、
ここで僕らは、飛んで行ける、
すべての時間をこの為に貯めていたんだ。

バンガロー、
バンガロー、
海のそば。

バンガロー、
銀浪の海岸、
エニシダの茂みのなか、
いつの日か僕のものになる。

町を見下ろす絶好の場所に建っている。

僕の人生を観想するのにも絶好、
ここで僕らは、飛んで行ける、
すべての観想をこの為に貯めていたんだ。

バンガロー、
バンガロー、
待っていておくれ。




Chalkhills: Reel by Real: "Bungalow"
posted by ノエルかえる at 10:53| Comment(0) | TrackBack(0) | Nonsuch | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする