2010年11月29日

Pumpkin head

 アクセス解析のリンク元に、「pumpkin head 意味」と言うものがありました。その検索結果には、goo 辞書があり、意味に、「のろま, うすのろ, ばか者.」と。Yahoo! 辞書も同様。

 ですが、そう言う意味があるのか知ら? Oxford 辞書にはないのですが。web のFARLEX の辞書にもありません。Longman 辞書にもありません。ウィキショナリーには、アメリカのスラングとして、「a severe head injury resulting from a beating. 殴られて、ひどい怪我を負った頭。」、または、やはりスラングとして、「an Asian, who are reputed to have big round heads.  大きな頭をした( と考えられている )アジア人。」
と。

 「 The Ballad of Peter Pumpkinhead 」とは、関係ないとは思います。
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2010年11月28日

You're the Wish You Are I Had 訳

 パートリッジの「 You're the Wish You Are I Had 」。
 歌詞は、「 Rocket from a Bottle 」に通じる部分もありますし、「 Ballet for a Rainy Day 」「 Stupidly Happy 」に通じる部分もあるように思えます。

 歌が作られた順はわからないのですが、この歌、ムールディングの「 Washaway 」に合わせたのかもしれません。

 「 I'm going off my head 」というところは、面白く思いました。頭が外れて、飛び出すと言うのは、戯画的で、パートリッジの好みなのだと思います。
 林檎を食べさせる、と言うのは、創世記の神話からでしょうけれど、一二杯飲ませると言うのが分かりません、何かの神話か説話でしょうか? パートリッジの好きな『フランケンシュタイン、あるいは現代のプロメテウス』から?

 「 What was I supposed to do? 」、最近のニュースでは、十代の黒人少年を射殺した六十代の婦人の言葉に、この用法がありました。武器を手に金を脅し取ろうとしいた少年に対して、この言葉を使っていました。過去に自分が採った行動の他に措定出来る行動があっただろうか、自分には考えられなかった、と言う趣旨で使われている用法です。
 この歌でも、「どうすればよかったんだろう?」と読む方が自然なのかもしれないのですけれど。自分が創り上げた幻想が、眼前に現存しているのを見た驚き、と言う感じを出したいと思いましたので、自分がしていたことさえ、わからなくなった、という風に読みました。


 拙訳です



一体僕は、何をしようとしてたんだ?
僕は世界を廻り歩いた、そしたら、ただ、彼女がそこにいたんだ。
僕の血は、ほとんど氷のようになったよ。
彼女は君の顔をしていた、君の唇だった。
それに、君の目だったし、君の髪だったんだ。

君は、僕がずっと抱いていた願望だと言うのに。
君は僕の願望なんだ、僕が抱き続けていた妄想。
君は僕の望みの投影なんだ。

僕が造り上げたものだって、彼女がわかっているかどうか、僕にはわからない。
僕は彼女に林檎を食べさせて、
それに、ほんの少し飲ませたんだけど。

願望、願望、僕の願望、
願望、願望、僕の願望が、君へなだれこむ。

一体誰が信じるだろうか?
僕が、思いで天使を地上に降ろした、何て言ったとしたら。
誰もが、僕が頭を吹き飛ばした、って思うだろう。
彼女は、僕と同じバスに乗り、後ろに座ったんだ。

君は、僕がずっと抱いていた願望だと言うのに。
君は僕の願望なんだ、僕が抱き続けていた妄想。
君は僕の望みの投影なんだ。

雨の日にこんな事が起こるなんて、少しも知らなかったんだ。
僕が前に捨てちまった望みの欠片が全部集まって、
君になるだろう、なんて知らなかったんだ。

願望、願望、僕の願望、
願望、願望、僕の願望が、君へと結晶する。

ああ、でも、思い焦がれるのが、君の迷惑ならば、
そう、僕を地獄へ落としておくれ。
いや、もし、君が僕の願いを持ち帰ってくれたなら、
この冷たい世界は、程よく火照るだろう。

僕がずっと抱いていた願望、それが君なのだから。
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2010年11月21日

Reign of Blows (Vote No Violence!) 訳

 パートリッジの「 Reign of Blows (Vote No Violence!) 」。


拙訳です。



暴力の時代、
暴力の領国、
暴力の作用が、人々の肩に滝のようになだれ掛かる。
あまりの大勢の男たちが兵士の装いをさせられた、
一方で、神の子羊は地中に曳き行かれた。
冠の重みが被さる地面の下。
それは、苦難と蛮行の冠なのだ。
それは、鉤十字と金槌と、
余計者だけを刈る円鎌のシンボルなのだ。

暴力の支配、
暴力の領国、
暴力の時代が、革命の嵐に先だって始まる。
人々には、解決の余地がない。
そのために、拷問が頭を擡げるのだ。
青と白と赤に飾られた星条旗、
鉄の処女が荒々しく打ち壊す。
共和国が炎上する光を半面に受けて、
ヨシフ・スターリンはまるでアンクル・サム ( 合衆国 ) そのままだ。

暴力の時代、
暴力の領国、
暴力の波流がアベルの亡骸を流してしまった。
そして、カインが世界中のバベルの王になったのだ。
だけれども、君がカインを彼の車で殺してしまい、
テロリスト口調で話すとしたら、
私は、君がどのような人間であるかは問題にはしないんだ。
覚えておいて欲しい、暴力は、黒の女王が王座に帰るのに、
賛成票を入れるだけだ、ということを。
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2010年11月19日

I Bought Myself a Liarbird 訳

 パートリッジの「 I Bought Myself a Liarbird 」。

 歌詞の内容はともかく、使われている言葉、rain、summer、は、次のアルバム『 Skylarking 』の核になるイメージのようなのですが。


拙訳です。
最初の On an average English …と、最後の On an average English …、違うように読んでみました。最初のは、物語の始まりのかんじがあるようなので。


僕は自分で、「ライヤーバード」とか言うのを買ったんだ。
ライヤーバードはやって来て、僕はガブガブ飲んで、ベロベロになったんだ。
嘘がパラパラ降り注ぐ、雨のように、
それは、ありふれた英国の夏の午後のことだった。

僕は自分で、一冊のノートを買ったんだ。
ギターの腕を磨いて、下見に行ったんだ。
ライヤーバードの真似た触れ太鼓の通りの仕事かどうか。

ライヤーバードが自分から言ったことはただ、
「オレはオマエを有名にできる。」
言ったことはただ、
言ったことはただ、
「誰でも知ってる名前にできる。」
それだけなんだ。

「思うに、セカイはオマエのもの。
オマエがあると思うもので出来ている。
ウソかマコトかどうか、
オマエの聖書でわかるだろう、
そうでなければ、このレコードの裏スリーブで。」

僕は自分で、ライヤーバードを一羽買ったんだ。
ものごとはドンドン滅茶苦茶になるんだ。
ライヤーバードは、カッコーカッコーとだけ繰り返すアホーになって、
僕がやるもの全部を飲んで膨らんだんだ。

僕は自分で、大失敗を買ったんだ。
ライヤーバードはガツガツ喰って、ブクブクになって、止まり木を折ってしまったんだ。
そうなって、僕らは気が付いたんだ。
ライヤーバードは、自分では飛べない鳥だったんだ、って。

ライヤーバードが自分から言ったことはただ、
「オレはオマエを有名にできる。」
言ったことはただ、
言ったことはただ、
「誰でも知ってる名前にできる。」
それだけなんだ。

「思うに、セカイはオマエのもの。
オマエに返すものはない。
ウソかマコトかどうか、
オマエの祈禱書でわかるだろう、
そうでなければ、コーンフレークの箱の側面で。」

僕はライヤーバードを追い出したんだ。
酒は一杯ちょっとだけど、それ以来、僕は分かっているんだ。
真実は輝いている、
いつもの英国の冬の午後の陽のように、って。
posted by ノエルかえる at 16:58| Comment(0) | TrackBack(0) | The Big Express | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

Lyrabird

 パートリッジの「 I Bought Myself a Liarbird 」、

Liarbird は、Liar - bird 、嘘・鳥なのでしょうけれど。
Lyrabierd と言う鳥がいます。オーストラリアの固有種です。コトトリ ( 琴・鳥 ) 。物まねがとても上手な鳥です。


 BBC のドキュメンタリーのビデオがYouTube に。



posted by ノエルかえる at 16:46| Comment(0) | TrackBack(0) | The Big Express | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

The Lie

 パートリッジの「 I Bought Myself a Liarbird 」の歌詞に、The lies falling out like rain と言う行があるので、関係ないのですが、
Sir Walter Raleigh の詩「 The Lie 」を備忘しておきます。


Go, Soul, the body's guest,
Upon a thankless errand;
Fear not to touch the best;
The truth shall be thy warrant:
Go, since I needs must die,
And give the world the lie.

Say to the court, it glows
And shines like rotten wood;
Say to the church, it shows
What's good, and doth no good:
If church and court reply,
Then give them both the lie.

Tell potentates, they live
Acting by others' action;
Not loved unless they give,
Not strong but by a faction.
If potentates reply,
Give potentates the lie.

Tell men of high condition,
That manage the estate,
Their purpose is ambition,
Their practice only hate:
And if they once reply,
Then give them all the lie.

Tell them that brave it most,
They beg for more by spending,
Who, in their greatest cost,
Seek nothing but commending.
And if they make reply,
Then give them all the lie.

Tell zeal it wants devotion;
Tell love it is but lust;
Tell time it metes but motion;
Tell flesh it is but dust:
And wish them not reply,
For thou must give the lie.

Tell age it daily wasteth;
Tell honour how it alters;
Tell beauty how she blasteth;
Tell favour how it falters:
And as they shall reply,
Give every one the lie.

Tell wit how much it wrangles
In tickle points of niceness;
Tell wisdom she entangles
Herself in overwiseness:
And when they do reply,
Straight give them both the lie.

Tell physic of her boldness;
Tell skill it is pretension;
Tell charity of coldness;
Tell law it is contention:
And as they do reply,
So give them still the lie.

Tell fortune of her blindness;
Tell nature of decay;
Tell friendship of unkindness;
Tell justice of delay:
And if they will reply,
Then give them all the lie.

Tell arts they have no soundness,
But vary by esteeming;
Tell schools they want profoundness,
And stand too much on seeming:
If arts and schools reply,
Give arts and schools the lie.

Tell faith it's fled the city;
Tell how the country erreth;
Tell manhood shakes off pity
And virtue least preferreth:
And if they do reply,
Spare not to give the lie.

So when thou hast, as I
Commanded thee, done blabbing--
Although to give the lie
Deserves no less than stabbing--
Stab at thee he that will,
No stab the soul can kill.
posted by ノエルかえる at 15:22| Comment(0) | TrackBack(0) | The Big Express | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年11月18日

Summer afternoon

 パートリッジの「 I Bought Myself a Liarbird 」の歌詞に、an average English summer's afternoon と言う言葉があります。

 直接関係しているとは思わないのですが、小説家 Henry James の言葉に、
「 Summer afternoon... to me those have always been the two most beautiful words in the English language. 」と言うものがあります。たぶん、Henry James が アメリカの小説家 Edith Wharton に送った手紙の中の文、確かめてはないのですが。
 Henry James はもうすでに大成していた時に、これから文学の世界に出ようとしていた Edith Wharton が彼に作品を送って批評をもらったと言うことです。James は、若い Wharton の才能を高く評価したと言うことです。
posted by ノエルかえる at 19:33| Comment(0) | TrackBack(0) | The Big Express | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

Kate Bush 「 The Kick Inside 」訳

 少し前、インターネットを見ていて、ケイト・ブッシュの「 The Kick Inside 」の話題があったので、読んでみました。

私がお兄様に掛けていた透かし模様の薄布、それに、派手な模様の覆布、
そんなものはもう取払ったのよ。
本当に、お兄様ったら、どちらかと言えば、ローマ神話の精霊ね、つまらないわ。
お兄様の尊敬の念、ゼウス様にお聞かせしとくわね。
そうね、お兄様がこの書き置きを読んでいる頃には、
私はゼウス様のお側で寛いでいると思うわ。

ほんの一瞬、そうでなくも束の間のことよ、私が夢中だったのは。
お兄様がなさること、一瞬だけ、私は憧れたの。
私の胸の奥には、逸るものがあるのよ、
だから、お兄様を捨てることになったの。
お兄様には、いつまでも満ち足りていると思われるのでしょうね、毛布の下が。
でも、私には、そこにはもう何もないのよ。
私はお兄様の妹に生まれたわ。
けれども、もう私はお兄様の手には届かないわ、
そう、ちょうど、荒れ狂う嵐の中に放たれた矢を、お兄様は掴めないように。

お兄様と私は、お父様があやす膝の上で、
昔の神話を聞いたわ。私たち泣かなかったわ。
私はいずれまた家に帰ると思う。でも、それは、
太陽のアポロンと月のアルテミスがあの丘の上で会う時なのよ。
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2010年11月17日

All Along the Watchtower 訳

 時たま、「 All Along the Watchtower 訳」と言う検索がありますから。これは、ボブ・ディランの歌なのですが。



見張り塔から見渡せる限り、王子たちは警戒をし続けた。
その警戒の最中に、女が王子たちの元に来ては去って行った、それに裸足の召使も。

城壁の外の遠くで、山猫が吠えた。
二人の騎馬の男が近づいていた。風が鳴り始めた。

ペテン師が盗人に言ったそうだ。
「抜け道はきっとある。
あそこはもう滅茶苦茶が極まっている、息つく間もない。
都会の勤人は俺の酒を飲む、田舎の百姓は俺の土地を掘り返す。
とこでもかしこでも、一人として、その何が価値なのかを分かっていない。」

盗人は、柔らかい口調で話したそうだ。
「それで熱り立つことはない。
この世の同胞の中には、人生など戯れごとと思っている者も多い。
しかし、お前と俺は、この世の隅から隅まで渡って来たんだ、この状況が運命でもないだろう。
軽々しく話すのは止そう、時刻も遅くなっている。」






 追記:
 ボブ・ディランは、コーラスを先に歌い、ヴァースを最後に回しています。XTC もそれに倣っています。上の拙訳は、ヴァース - コーラスの順で読みました。
 コーラスを先にするのは、歌の世界が突然に始まるという効果を持っていて、謎めいた雰囲気が醸されるのだと思います。ヴァースが最後で、そのままにされているのは、歌の中の物語が解決されることがなく、不安感を持ったまま永遠に続いていると言う印象を残します。XTC は、それを、テープが突然切断されると言う手法で、より強い印象にしているのだと思います。
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2010年11月15日

ムールディング参加のチャリティー・ソング

 ムールディングの息子の Lee Moulding のバンド、The Sundaydogs の Jon が脳に損傷を負った少女が歌う歌をプロデュースしたとのこと。それには、ムールディングも参加しているとのこと。
 リリースは近いうちにと言うこと。



詳細: http://blogs.myspace.com/index.cfm?fuseaction=blog.view&friendId=52091954&blogId=539726327#ixzz15LM3JSxj
posted by ノエルかえる at 18:54| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年11月14日

This World over 訳

 これは、チョークヒルのサイトの歌詞を元にしました。

蛇足:『 When the Wind Blows 』がアニメーション映画になって公開されたのは、1986年なので、この歌よりも後です。絵本の出版は、1982年なので、この歌よりも前です。

拙訳です。



ああ、それはつまり、この世界は終わってしまう、と、あなたは言われるのですね。
そうしてつまり、次の世界が始まるのだと。

そうなった時、あなたはこれまでのどんな母親もそうしていたのと同じように微笑むでしょうか?
双子の新生児に産湯を使う時にですよ。
そうなった時、あなたはミサイル戦のことを子守唄に歌うのでしょうか?
異常な数の手足を拭いてやる時にですよ。

なのに、あなたは、この世界は終わってしまう、と言う。
そうして、次の世界が始まる、と言う。
ああ、この世界は終わってしまう、と、
あなたは言いながら、悲し気に笑い顔を作るのですね。

そうなった時、あなたは、遠くなり神話の国と化してしまった
この世界のことを子供たちに語り聞かせるのでしょうか?
そして、顔が知られた指導者のことも?
そしてまた、庭ではもう何も生えない理由を教えるのでしょうか?
この世界が終わってしまったのは、
その指導者が箍の外れた競争に勝ちたいと思ったからなのだ、と、教えるのでしょうか?

そうなった時、あなたはこれまでのどんな父親もそうしていたのと同じように微笑むのでしょうか?
子供たちと一緒の日曜のハイキングの時にですよ。
そして、あなたと子供たちは、どこまでも続く瓦礫の堆積に行き当たり、
子供たちは、「ロンドンって、どんなの?」と、聞くでしょうね。

あなたは答えるのです、「ああ、無くなった世界だよ。」と。

そして、あなたは、遠くなり神話の国となってしまった世界のことを教えるのでしょうか?
どうやって、御子が聖母の元にやって来たかと言うことも。
そして、あなたは子供たちに教えるのでしょうか?
世界の上のすべてのものを人間が殺してしまった理由を。
そして、非難も退けられると言うのでしょうか、人間は御子の名の下にしたのだから、と。

この世界は終わってしまう、
そのように思えるのです。
この世界は終わってしまう、
続いた夢の終わりなのです。

この世界は終わって、消えてしまう。
posted by ノエルかえる at 13:41| Comment(0) | TrackBack(0) | The Big Express | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年11月11日

Seagulls Screaming Kiss Her, Kiss Her 訳

 これはかなり以前に訳していて、私のコンピューターに残っていたものです。もう投稿していたと思っていたのですが、無いようなので。
 改めて、検討はしていません。

追記:
 この歌の彼女には人魚のイメージがあります。つぎの『 Skylarking 』の「 Mermaid Smiled 」に繋がるかしら?


浜には雨が降っている。
彼女が躙り寄ってくるけれど、僕には届きはしない。
並ぶ波は、描かれてしまったように動かない。
鷗たちの渦巻く声。

軍艦色の海、
空ろな波音を立てて、退いてゆく潮。
翳った波打ち際は、眠気を誘う。
鷗たちの渦巻く声、
「決めろ、決めろ」

桟橋ではためく旗には、
一体全体、お前が待つ訳は、と、綴られている。
霧が目の前のものまで隠してしまったけれど、
彼女が近づくのは見える。

腰を降ろそうにも、デッキチェアは白布の下。
吟遊詩人の口上に縋ろうにも、それは空ろな救命胴衣。
彼女の髪には潮の香が残っている。
鷗たちの渦巻く声、
「決めろ、決めろ」

躊躇う者は逃す者

彼女を望むのなら、
手を取って告げなければ、
躊躇っていたら、11月まで躊躇っていたら、
11月には、もう事は決まっている、
彼女は砂へ還るのだ。
少女のままに留めておかなければ。

君の外套好きだよ、と、僕は言う。
彼女の有り難うが、僕の心を牽き揚げる。
僕は、彼女の言葉が聞き取れない、
鷗たちの渦巻く声で。
posted by ノエルかえる at 12:07| Comment(0) | TrackBack(0) | The Big Express | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年11月07日

All You Pretty Girls 訳

 パートリッジの「 All You Pretty Girls 」。

 歌詞の中の 「 when I'm fathoms asleep 」で使われている fathoms 、海の深さを測る単位で、 1 fathom は、約1.8メートル。日本語の尋が六尺で、ほぼ同じです。
 普通、形容詞には使いません。ここでは、複数形のようでもあるのですが、所有格のようでもあって、よく分かりません。複数形なら、数ファゾムの深さの眠りでしょうし、所有格なら1ファゾムの眠りです。
 どちらにしても、深い眠りではないのだと思います。1ファゾムの眠りとすると、船員用の狭い船室の寝床を想起させます。

 「 the salt sea rolling 」の salt sea は、塩辛い海の水と言うことなのだと思います。ですけれど、死海と読むと、想像が広くなるので、そうしてみました。



拙訳です、



なァ友よ、ひとつ頼まれてくれるカ、
なァ友よ、おいらが海で死んだらヨ、
なァ友よ、ちょっとしたボヒメイを書いてくれヨ、
そいで、それを流してくれヨ、聞いとくレ、こう書くんだヨ。

「幸あれ、幸あれ、ベッピンさんたち皆々に。
港そばの、田舎娘に町娘、皆々に。
幸あれ、幸あれ、ベッピンさんたち皆々に。
浜辺で海を見て待っている娘たち、皆々に。」

「幸あれ、幸あれ、ベッピンさんたち皆々に。
港そばの、もの静かな娘におしゃべり娘、皆々に。
幸あれ、幸あれ、ベッピンさんたち皆々に。
浜辺で海を見て待っている娘たち、皆々に。」

おいらは思い出すんだ、娘の振る白い二の腕をヨ、
ゆれゆれて目まぐるしく変わる海の
その蒼海原の波頭を見るとヨ。
おいらは思い出すんだ、毎晩、一尋の深さの眠りの底で、娘をヨ、
夢の中ではヨ、
おいらと娘は同じにゆれたんだヨ。 ギシギシ

おいらは見当つけてるんだ、娘の頬にヨ、
吹き荒ぶ死海の水が飛んでよ、真珠の涙になったんだろうってヨ。
おいらが港を出港した、あの日のことヨ。
おいらは恋しいんだ、娘の拡げた温いシーツがヨ。

ナンカもっと言おうと考えるにはヨ、
おいらは、まだまだ、飲まにゃいけまいヨ。

posted by ノエルかえる at 13:12| Comment(0) | TrackBack(0) | The Big Express | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年11月04日

Wake Up 訳

 ムールディングの「 Wake Up 」。

 代名詞の you を、「ぼく」にして読んでみました。
 第三連の瀕死の男と、 you 「ぼく」は、同じ人間かもしれません。


拙訳です、

「起きなさい!」の声

洗濯のしてないシャツの中のきれいなのを着て、
そのまま、ぼくは、ふらつきながら階下に降りる。すると夜明けなんだ。
そしてバスに乗る、バスの中は大騒ぎなんだ。
ぼくはこの大騒ぎにいつまでも慣れないんだ。
ぼくは、起きたままの顔だったって、気が付いたんだ。
ぼくは、人間の競走に出たんだ。
ぼくは、世間はぼくを追い越して行った、と分かったんだ。

誰が気にする? ぼくが死んでいるかもしれないって。
誰が気にする? ぼくが病床に臥せっているって。
誰が気にする? ぼくが覚え書きを残しているって。
誰が気にする? ぼくが秘密をもう話してしまっているかもしれないって。

「起きなさい」の声。

軽い食事をしただけで、休み時間は終わってしまう。
そのまま、ぼくは次の仕事に取りかかるんだ。
にっこり微笑む女の子のせいで、
ぼくは気が散ってしまっていた、それで、元気が出たんだ。
ラジオが大きな音で鳴っているんだけど、
片方の耳に入って、もう片方の耳から出て行ってしまう。
ぼくは、レコードが終わったことも気が付かなかったんだ。

「起きなさい」の声。

道路には、さっきから集まった人集りがある。
一人の男が瀕死になっていた。
血が側溝に流れて行く。
ぼくは口を大きく開けているけども、何も言えないんだ。
男の身体は、鰻のようにのたうち回っている。
群衆の人々には、何の分別もなく、触りもしないし、思うこともないんだ。
誰かが行って、毛布を掛けてやればいいのに。

誰が気にする? ぼくが死んでいるかもしれないって。
誰が気にする? ぼくが病床に臥せっているって。
誰が気にする? ぼくが覚え書きを残しているって。
誰が気にする? ぼくが秘密をもう話してしまっているかもしれないって。
誰が気にする?
posted by ノエルかえる at 16:47| Comment(0) | TrackBack(0) | The Big Express | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする