2015年08月05日

パット・マステロットのオレンジズアンドレモンズ回想 2

ベルナール「貴方は彼のプログラミングを真似たわけですけれど、それで、パートリッジさんの考え方が分かりましたか?」
マステロット「ええ。それに、一つのパートを熟知することは、歌そのものをより良く理解することになります。実は、私は、独学で学んでいるのですから。歌を、記憶と繰り返しで身に付けて来たのです。ですから、自分自身の歌を書く時も、ほとんど他の人には分からない、走り書きを書くだけなのです。ですから、プログラミングされたものは、その[ ドラムの ]パートがどういうものかを、私に分からせてくれる、あるいは、もっと微細なところまで耳を澄まさせることが、よくあるのです。これは、「ブーン・バ・ブーン」なのだろうか、「ブーン・バ・ブーンブーン」なのだろうか、と聴き込むのです。それとか、「ちょっと待てよ、このバリエーションは一回しか無いぞ、セカンド・ヴァースの八小節目の中だけのパターンだ。これは意図的なものに違いないぞ。サード・ヴァースの八小節目にも同じパターンが再び使われているから。他のところでは使ってないのだから。」このようにして、細部を考え出して行くのです。 
 幾つかの曲については、そのようでないものもありました。アコースティック・ギターだけのものがありましたから。それは、たぶん、大型ポータブル・ラジカセか何かで録音したもののようでした。もう少し、肉付けされたものもありました。キーボードか何かで重ね録りされたものだと思いますけれど。 
 その宿題の理由なのですが、ポールが私にアルバムにどの曲を入れるのかの選曲を手伝って欲しいと言うこともあったのです。とてもたくさんの曲があったのです。30曲を越えてもう何曲かあったと思います。時間がかかりそうなので悩みましたよ。当時、私は、デニス・へリング Dennis Herring [ アメリカのレコード・プロデューサー、エンジニア。 ] とスザンナ・ホフス Susannna Hoffs [ 1959年生まれのアメリカの歌手。この時のレコードが何なのかは調べられませんでした。 ] の仕事をしていたのです。それで、彼らには曲が必要でした。それで、「アンディ・パートリッッジの曲があるけれど、聴きたいんじゃない?」と言ったのです。カセットの一本を渡しました。でも、帰っては来ませんでしたけれどね。 
 兎に角、私は、リード・リハーサル・ファシリティーで XTC に会ったのです。彼らは、昼食を容れた小さな袋を持って入って来ました。ピーナッツ・バターのサンドウィッチとバナナと何かそのようなものでした。予算はぎりぎりの様子でした。しばらくの間、レコードを作りにイギリスに行くのだと思い込んでいました。でも、彼らは、こちらに来てレコード制作をすることにしていたのです。 
 私は、直ぐに、曲の範囲がとても広いことに気がつきました。私はポールにこう言ったのです。「これでは、まるで、デューク・オブ・ストラスフいあと XTC が同時にあるようなのだけれど、それは承知なのかい? 彼らをどちらかの方向に誘導するつもりなのかい?」 すると、ポールは、こう答えたのです。「いあ、僕は彼らに選択の余地を広く持たせたいんだ。彼らは、トッドとの仕事でとても惨めな思いをして来たからね。『 Slylarking 』の製作では、口に出すのも憚られるほどの酷いことがあったんだよ。僕は、今回は、彼らにそんな思いをして欲しくないんだ。何もかもに、満足して欲しいんだよ。彼らがそうしたいのであれば、それが何であっても、僕はそうするんだ。」 
 それで、リハーサルでは、実際にレコードにしたよりも何曲か多くの歌を仕上げもしたのです。私が覚えているのは、「 My Train is coming 」です。」
posted by ノエルかえる at 03:00| Comment(0) | TrackBack(0) | Oranges & Lemons | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする