2019年07月10日

バーンハート、パートリッジ対談「 All Along the Watchtower 」4

バーンハート、パートリッジ対談「 All Along the Watchtower 」3: ノエルかえる不恵留





バーンハート「仰ることは分かります。それから、スタジオにいると、時間が消えてしまうと言うのも、可笑しいですね。」
パートリッジ「そうです。スタジオに入ったと思ってご覧なさい、「さて、みんな、もう片付けなくちゃ、朝の3時だよ。」と言うことになるのですよ。」 
バーンハート「( しばらく笑う ) その通りですね。さて、モールディングさんとチェンバースさんは、この歌では、一緒になって上手くグルーブを出しています、そして歌を通してずっと…」
パートリッジ「ええ。それに、よくステージのライブでも演奏したのですが、その時には、終わりの部分のダブ風の所ですが、あそこはずっと長く伸ばしていました。それに、だんだん速くなっていました。歌mp前半分は、「自分で転がる」ファンクの様なのですが[ パターンを歌う ]、それが後半分では、寸断されたものになるのです[ 歌の終わりに向かう部分を歌う ]、間が空いて大きな空間性があり、突き刺す様なリズムになるのです。ライブでは、この部分は、次第次第に速くなって行きました。私たちがこの歌をライブで演奏していた時には、最初の部分と次の禍々しくて突飛な部分との間に、ギア・チェンジがあったのです。この二つの部分は、テンポが完璧に合っていたのです。二つがぴったりと合うと、それを聴いていてこの上ない喜びを感じました。」 
バーンハート「この歌でのバリー・アンドリュースさんの演奏の仕方については、貴方はどうしてほしいと言われたのですか?」
パートリッジ「そうですねえ。前半部分では、バリーは、長く持続させる音を弾いています、スワールやスィープを使っていますね。でも、後半部分では、…」 
バーンハート「スタッカートですね。」
パートリッジ「後半では、スイッチを切ったり入れたりしながら、ブーとかピーとか言うノイズ的な音を弾き始めるのです。壊れたコンピューターの様な音ですね。それは、そう言う弾き方がリズミックだからなのです。ベースとドラムは当然にリズミックなのです。長く持続する音はもはやないのです。それで、私の歌い方も、どんどんと、短く途切れ途切れになって、リズミックになるのです。全てがリズミックになって、意味の取れない会話の様になっているのです。スキャットの歌い方に似てはいますけれど、スキャットではありません。ただのノイズなのです。」 
バーンハート「ええ、私は、あれはスキャットだと思ってました。」
パートリッジ「最近は、私は、なかなかのスキャットの歌い手なのですよ、実は。でも、あの頃は上手くありませんでした。スキャットではなくて、リズミックなノイズだったのです。ヴォーカル・ドラムと言うか、声でドラムを打っていた様なものだったのです。」 
バーンハート「そうですか。そこは、私は貴方と意見が合わないところですね。私は、初期にも貴方はスキャットをしていたと考えていますから。「 Watchtower 」や「 Scissor Man 」を自分が初めて聴いた時のことを覚えているのですが、私は、「この人はジャズのことをよく分かってるんだな。だって、ここでは、大体、スキャット・シンガーになってるからね。この人は、声を楽器にしてるんだ。それが詰まり、ジャズを分かってると言うことだよね。」と思ったのです。」
パートリッジ「( しばらく笑う )「早く、空にスキャット信号を上げて! 僕らにはスキャットマンがいなくちゃ!」[ この台詞、何に基づいているのか私には分かりません。 ] 
 この最近では、偉大なジャズ・シンガーとスキャットの対決をすることを始終夢見ているのですよ。そうですね、エラ・フィッツジェラルドとかとの対決ですね。」 
バーンハート「( 笑いながら ) そんなことを。例えば、他には、ルイ・アームストロングとかですか。 
 話を戻してですね、貴方たち四人のメンバーは、それぞれ、音楽に間を見つけようとしていたのですね、それは、戦いの様でもあり、貴方が言うところに依れば、会話であった訳ですけれど。」
パートリッジ「そうなのです。それに、この歌に対しては、私たちは音楽的な価値を感じていなかった、と言うことも理由にあると、今考えると、思うのです。それで、この歌を使って、私たちは冒険をすることが出来たのでしょう。私たちは、自分たちの音楽にこそ、この歌よりももっと価値があると思っていたのです。まあ、「自分の子供には手を上げない。」と言うことですかね。ですけれど、これはディランの歌であり、ヘンドリックスが自分の様式で演奏した版が既にあった訳ですから、それに、これまでどれだけの人がこの歌をカバーしたかも分かりそうにないですしね、兎も角、私たち自身の歌ではないのです、ただ、この歌を台無しにしてしまう認可は得たと言うだけですよ。それで、この歌の中に、とても創造的なものを私たちは見つけたと言う訳です。」 
バーンハート「まるで規制などないですから、心配することはないでしょう。貴方のもう一つのジャズとの共通項ですね、こう言う遣り方がジャズと共通しています。普通、ジャズ・ミュージシャンは、スタンダード・ナンバーを取り上げて、自分たち自身のものにしてしまうのですよね。それは広く認められている表現様式だからです。ですから、してはいけない理由はないですよね?」
パートリッジ「ええ。「All Along the Watchtower」を解体するのは、とても面白かったです。私の言う意味がお分かりでしょうか?」 
バーンハート「ええ。コルトレーンの様な人が、「 My Favorite Things 」を取り上げるのと同じですよ。それを分解して、自分の方法論に従って、それを再構成するのです。「All Along the Watchtower」のことで、印象に残っているものは何ですか?」
パートリッジ「そうですね、歌詞の「 and the wildcats did growl 」の所で、面白がって唸っていましたよ。( 笑う ) 私の「ジョニー・ウィンター」的唸りです。デイブは、今でも、私のジョニー・ウィンターの物真似が好きなのです。30秒ほど一つの音を伸ばして、それから飛び上がって、それで、ブルースのフレーズを弾く。これが、ジョニー・ウィンターの物真似です。この歌と、「 Citadel 」の歌詞が本当に好きなのです。とてもよく似ています。包囲された場所なのです。でも、それは現実の都市なのか? それとも、個人の心象としての包囲性[ besiegement ]なのでしょうか? besiegement という言葉があるのか知ら、もしかしたら、今、私が造った語なのか知ら。」   



おわり。 



誤訳、疑問点を指摘して下さると、助かります。 

posted by ノエルかえる at 09:07| Comment(0) | White Music | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする