2019年08月15日

バーンハート、モールディング対談「 Frivolous Tonight 」について 1

トッド・バーンハートさんのコリン・モールディングへのインタビュー。「 Frivolous Tonight 」について。2009年3月29日に、MySpace で公開のもの。今は、チョークヒルのアーカイブに保存されています。 

Chalkhills: XTCFans: Colin's Take: Colin discusses 'Frivolous Tonight"





バーンハート「さて、これまで、私たちは、貴方のこれまでの全仕事の中から四曲についての対談をして来ました。今回は、「 Frivolous Tonight 」です。『 Apple Venus 』セッションの中からこれを選ぶのは、良い選択の様です。と言うのは、それは少なくとも私の思うところではですけれど、この歌が、直近の貴方の書法を凝縮しているものの様に思われるからです。貴方は、最近では内省的になっている様に思われます。歌詞の面では、家庭内の出来事に焦点を当てている様です。音楽の面では、懐古的なスタイルを採られています。」
モールディング「そうですね。私は思うのですが、人というのは、その人が学んだことの総体なのではないでしょうか、貴方も同意されると思うのですが。ソングライターとしてですが、私は、ライターであるのだから、この上なく誠実に書かなければならない、そうでないと、書いた歌を真面目に受け取って貰えないのだから、と駆け出しの頃は考えていました。少しでも不真面目なものについては、頭を向けることが出来なかったのです。と言うのはですね、私のことを真面目に受け取ってくれる人は一人もいない、と私は感じていたからです( クスクス笑う )。 
 ですが、年齢を重ねてくると、「そう言う考え方は的を外している。」と思う様になるものです。私は、私が好きな歌、例えば、コール・ポーターの「 Let’s Do It 」ですが、その様な歌に注意を注ぐ様になったのです。「 Let’s Do It 」は傑作ですね。たくさんの行に、聴き手を騙す様ないたずら的な語法が使ってあるのです。「 Let’s Do It 」を聴くと、これまで私は歌をまったく間違った仕方で考えて来たのではないかと、思う様になったのです。それで、このアルバムの時には、軽佻な流儀で歌を書いて見ようと考えたのです。」
バーンハート「意図してそうしたのですか?」
モールディング「定まった方針があったとは、言うつもりはありません。流れでそうなった、と言うことです。その頃ずっと、ノエル・カワードのものをたくさん読んでいたのです。それに、[ ミュージカル ]ショーの創成期の頃の曲を注意して聴いていたのです。ロジャース&ハマースタインですよ[ ロジャース&ハマースタイン - Wikipedia ]。それに、同じ頃のその他のものも。そうしていると、このライティング・スタイルで一度書いてみたいな、と思ったのです。 
 その頃、私たちは、ヴァージン社に対してストライキをしている最中でした。記憶に間違いがなければですけれど。まあ、たくさんの水が橋の下を流れて行ってしまったのです。その期間、私は、なんどもなんども『 My Fair Lady 』や『 West Side Story 』を聴いていたと思います。それに、他のミュージカルの音楽もです。このスタイルで書いてみたいと思う気持ちは、この様に、他の人が作った音楽を聴くことを通して、起こったのです。( クスクス笑う ) 私の場合、大抵は、そうして事が起こるのですよ。」 
バーンハート「そのスタイルの音楽は、もっと若い時も、少年時代にも、たくさん聴いていたのですか?」
モールディング「私は、その手の音楽は嫌いでした。大人の音楽ですからね。興味がありませんでした。ブラック・サバスの「 Paranoid [ Paranoid (Black Sabbath song) - Wikipedia ]」と、どうやって合うのです? ( 笑う ) ミュージカルは、ヘビーじゃありませんでしたから。」 
バーンハート「( しばらく笑う ) それはその通りですね。でも、ミュージカルの音楽のいくつかは、貴方が望みもしないのに、貴方の中に浸み込んでいたのでしょうね、私はきっとそうだと思います。」
モールディング「本当のことを言いますと、今は、あの手の軽佻なものが大好きなのです。」 
バーンハート「気持ちの変化はいつ起こったのですか?」
モールディング「歳を取っていったと言うことに尽きますね。40代か50代になった時だと思いますよ、その頃になると、人は、何が好きかと言うことで他人から評価されることを気に掛けなくなるのです。その歳になると、それがどうした、と言うことになるのです。ちょっとどうかなと言うものを好きになっても、それも構わないと思うようになるのです。それで、そんなものを好きになっても、他の人の注意を惹こうと、それについて口にすることはないのです。その曲というのは、おそらくはですね、自分の父親が「ハイ・ファイ」で聴いていた様な、ずっと昔の曲なのです。 
 私の父は、ボブ・ディランの大ファンでした。私がまだ幼児の頃、父が『フリーホイーリン・ボブ・ディラン[ https://ja.wikipedia.org/wiki/フリーホイーリン・ボブ・ディラン ]』を聴いていたのを覚えています。元々、私は、音楽は真面目なものだと考えていました。それで、ミュージカル・ショーの曲は、ラジオでちょっとだけ耳にしていたと言うだけです。でも、貴方の言う様に、人はそれを聴いてしまっていて、その人が思っている以上に、その人の内奥に入り込んで行くのでしょう。後年になって、それが現れて来るのですね。」 





バーンハート、モールディング対談「 Frivolous Tonight 」について 2: ノエルかえる不恵留

バーンハート、モールディング対談「 Frivolous Tonight 」について 3: ノエルかえる不恵留

バーンハート、モールディング対談「 Frivolous Tonight 」について 4: ノエルかえる不恵留

バーンハート、モールディング対談「 Frivolous Tonight 」について 5: ノエルかえる不恵留

バーンハート、モールディング対談「 Frivolous Tonight 」について 6: ノエルかえる不恵留

バーンハート、モールディング対談「 Frivolous Tonight 」について 7: ノエルかえる不恵留

posted by ノエルかえる at 09:07| Comment(0) | Apple Venus | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする