2010年01月31日

The man who sailed around his soul. 訳

 「The man who sailed around his soul.」、パートリッジの歌。歌詞は八連。四連が二部形式になっていて、それが二度繰り返されています。形式は、a-a'-b-b' の形。

 歌詞の内容は、「Jason and The Argonauts」と重なるものがあるようです。第一連にある、 egoの語も、 Argonauts と重なる音があります。

 Todd Bernhardt さんとの対談で、Bernhardt さんは、内容は一般的なものだけど、歌詞は完璧と言っていました。レコーディングまでに、パートリッジは歌詞を完成してはおらず、ラングレンに締め切りを作られたそうですが。

 歌詞の言葉は、航海に関係する語が選ばれています。

 「 in the hold 」、hold は、a storage in the lower part of ship. です。船底の船倉。
 「To rope and tar his … 」の部分。船の麻で作られた帆綱は、腐敗を避けるためにタールを塗るのですが、そのタールの代わりに血を塗っていると言う描写だと思います。
 「was doomed to journey 」の部分、doom は運命付けられるの意味もあり、doomed love 悲恋 という使い方もありますけれど、ここでは、刑を宣告された、と言う意味で使われていると思います。
 「find a hole」、hole は、投錨地、係留地、停泊地。
 「Was doomed to journey from the start」、Idea、チョークヒルのサイトでは、from になっています。日本盤( リィシュー )の歌詞カードでは、to 。歌っているのを聞くと、to のようですが。ここの文は、二つの意味を同時に言おうとしているのかもしれません。次の行のof 以下は、journey に掛かっていると思われます。そうすると、全ての恋愛が壊れるように運命づけられた旅と言う意味に読めます。それを含意しながら、その旅を再び始めからやり直すように、刑が宣告された、と言うことではないかと思いました。

拙訳です。




こんな男がいる。自分の魂を航海したのだと言う男、
東から西、極から極まで航海したのだと言う。
その男の人格は、酔った船長であり、亡者であり、叛逆者であると言う男。
ありとあらゆる理性を船倉に閉ざしたのだと言う男なのだ。

こんな男がいる。自分の心を彷徨したのだと言う男、
羅針盤も持たずに、水先案内人も海図もなしに旅したのだと言う。
帆綱にタールの代わりに自分の乾いた血を塗ったと言う男。
自分自身を見出した時には、自分の醜怪さとおぞましさを
曝け出してしまったと言う男なのだ。

ああ、海にはセイレーンがいる、
人の鼻先で鈴を鳴らして歌うと言うのだ。
セイレーンは、人間たちを引き摺り込むと言うのだ、
罪に陥れるのだ。

今では、男はまるっきり独りになって座っている。
どこにも、家のような場所が男にはないのだ。
ただ、革製の鞄のようなもの、
それに生きた証を入れると言うのだけれど、それを持っているだけだ、
けれど、それも空のままだ。
自分の魂を航海したのだと言うのに。

自分の魂を航海したのだと言う男、
その男が帰って来た、そして、とある投錨地を見つけたのだ。
そこでは、男の帰還を同情と真心が待っていて、
男の凍えた身体を温めてくれると思っていたのだ。

自分の心を彷徨したのだと言う男、
その男は、これまで男が毀した恋を
また始めから旅するように宣告されたのだ。
男がついた嘘のすべてが腕に入れ墨されているのだから。

その入れ墨は、たくさんの足のある水母があり、
また、翼のある天使がある。
その男はあまりに深くを見ようとし、
どうしてでも覗き見ようとするような男だったのだ。

今では、男はまるっきり独りになって座っている。
男は、熱い血と骨は知っているのだ。
それが全てなのだから。
男は、追い求めていた宝を見つけたのだ。





追記:
「 journey (from / to ) the start 」の所、
from だと、始めら旅をやり直す、と言う意味で、
to だと、始めへと遡る旅、と言う意味なのでしょう。
パートリッジの歌詞の傾向から考えると、to の始めへと遡る旅の方が当たっているかもしれません。

posted by ノエルかえる at 17:45| Comment(2) | TrackBack(0) | Skylarking | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
いつも楽しく読んでます。毎回歌詞への探究心、素晴らしいと思っています。僕はXTCファン歴20年ちょいの男です。学生の頃は金貯めてSWINDONに何度も行き街中歩いたもんです。今夜はSKYLARKINGをゆっくり聞く事にします。
Posted by オーエン at 2010年02月03日 22:11
オーエン さん、コメントをありがとうございます。
スウィンドンに行かれたのですか、それもなんども!
うらやましいです。
Posted by ノエルかえる at 2010年02月04日 08:06
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