2012年05月03日

パートリッジ、ベルナール対談「 Beatown」3

ベルナール「この歌は、実に力強い歌ですよね。今朝、私は、ヘッドホンで意識を集中して聞いたのですけれど、歌の規模の大きさに感動しました。このアルバムの中で、最も規模の大きい最も重要な歌ですね。」
パートリッジ「ああ、ジョン・レッキーは、三台の録音機でフェイジングを作っていますからね。すごいですよね。ああ、でも、そのことを忘れていましたよ。」
[ Phasing:同じ楽句を複数の楽器で演奏させるのだけれど、それぞれ違うテンポで演奏させる。その結果、エコーが鳴っているように聞こえると言う、作曲方法。ポピュラー・ミュージックでは、1959年に、Toni Fisher が「 The Big Hurt 」で使った。音楽では、スティーブ・ライヒが特徴的。 ]
ベルナール「レッキーさんは、どのようにしたのですか?」
パートリッジ「あれは、フェイジングの最善の方法でしたね。ええと、まず、二台の別々の録音機・テープに、同じ二つの録音テープをセットするのです。録音テープは、元は同じものをそれぞれの機械で複写するのです。それから、三台目の録音機で、その二台を再生させて録音するのです。それで、その二台の再生の同調を僅かばかりずらして…、」
ベルナール「それで、文字通り、位相の写像になるのですね!」
パートリッジ「そのとおりです。録音後に録音されたものに特殊効果をかけるよりもずっといい方法です。第一台目の録音機を再生させて、それに対して、少しだけずらして、二台目を再生させる、そうして、全体のトラックが出来て行くのです。そうすると、音の位相に櫛を入れている感じになるのです。それを三台目で録音するのです。[ この方法、アメリカの現代音楽家 Alvin Lucier の方法を思わせます。アルヴィン・ルシエ:物理的音響派と言われていた記憶が? ただ、スピーカーを介せずにテープからテープへ直接で一回だけ重ねただけでは、倍音は発生しないでしょうけれど。]」
ベルナール「レッキーさんは、何か楽器も演奏されているのですか? フェイジングには、ベースは含まれていないように思うのですが。私には、ドラムズか高級オーディオ装置のように聞こえるのですけど。」
パートリッジ「ジョンは、100パーセント何も楽器は弾いてないと思います。貴方は、別の次元の局面を作っているのかもしれませんよ。全部を録音してフェイジングにしたのは確かだと思います。」
ベルナール「分かりました。この方法は一回だけ使ったのですか、何度も使ったのですか?」
パートリッジ「たぶん、何回か。でも、「 Beatown 」程の深い次元では使ってはないですね。例えば、「 Jason and Argonauts 」ではフェイジングを使いました。でも、「イアソン」の場合、機械的なものですね、ベル・フランジャーとか何とかと呼ばれていた装置で、フェイジングをしたのです。全部のトラックを100パーセント、フランジャーにかけたのです。ですが、「 Beatown 」の場合、テープを使って、フェイジングを作ったのです。深みが明らかに違いますよ。貴方もきっとそう思うでしょうね。貴方は、こんなことを私に思い出させてくれました。あれは、誓って、テープを使ったフェイジングでした。ジョンが、私たちに見せてくれたトリックなのです。私たちは、感銘したのです。
 それで、あれは、アビー・ロード・スタジオの第2スタジオで作ったのです。ビートルズの部屋ですね。だけれど、当時の私たちには、それは少しも重要ではありませんでした。」
ベルナール「ええ、貴方がそのことを話して下さったのを覚えています。」
パートリッジ「私は、ビートルズ否定主義でしたからね。それに、この歌では、パンク風発声を、馬鹿らしい、キャンキャン言う歌い方をしているのですから。」
ベルナール「とても面白いです。それは、スタジオ版ですよね。私は、ライブ版も聞いたことがあるのですが、そちらでは、もっと明瞭に歌っていますよね。貴方は吠えてはいませんでした。」
パートリッジ「『 Go2 』の時に、「この馬鹿みたいな吠える様な歌い方を続けて行くべきだろうか、もっと喉を緩めて歌うべきだろうか」と考え初めていたのです。それで、デイブと一緒にライブをするようになった時に、もっと喉を緩めて、自分らしく歌うようになったのだったと思います。」
posted by ノエルかえる at 08:11| Comment(0) | TrackBack(0) | Go 2 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。
※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

この記事へのトラックバック