2007年02月02日

『Go 2』の衝撃

 XTCのアルバムで何が一番好きですか、と、尋ねられたならば、ビートルズでは、『Rubber Soul』ですねと答えます。XTC のどのアルバムも好きで、その程度には差はありませんから。答えられないのです。
 けれども、XTC のアルバムの中で、傑作はどれだと思いますか、と、尋ねられたら、『Go 2』『Mummer』『Nonsuch』を挙げます。中でも、『Go 2』は、その衝撃度の点で、他とは違うと思います。
 ポピュラー音楽、ロック音楽で、New Wave という言い方は、もうしないのでしょうけれど。80年代初頭では、よく聞かれたものでした。New Wave が、XTC の為に用意された言葉ではないことは明らかでしょう。XTC は、何故だか、常に、商業上の舞台からは離れていましたから。その上、すでに、Kraftwerk も、ULTRABOXも活動をしていたでしょうし。Ramones もTelevison も。
 でも、もしかしたら、New Wave とOld Wave を峻別してしまったのは、この『Go 2』なのではないか知ら、と思うのです。一旦ではありますけれど、Robert Fripp にKing Crimson を、また、Jimmy Page にLed Zeppelin を諦めさせたのは、このアルバムだったのかもしれないと。
 ポピュラー音楽では、常に、速い速度で流行が変わります。それに合わせて、人びとが求める歌手、演奏家の魅力も変化します。新しいカリスマが現れると、以前の者の魅力には、人びとは惹かれなくなります。『Go 2』の登場は、そのような流行の移り変わりとは、違うように感じます。
 音楽の対する軸を取り替えてしまった、という感があります。King Crimson やLed Zeppelin を聴くようには、XTC の『Go 2』を聴くことが出来ません。全く別の地平で鳴っている音なのです。まるで、鉱物の世界に入ったような。そこで見出される美しさは、他のポピュラー音楽のものとは、全く違っていました。
 『Go 2』から、数ヶ月遅れて、PIL が、『Public Image』を発表しました。この注目度の高いバンドの登場で、全く新しい音楽に対する感性は、周知されることになったのです。XTC の『Go 2』は、その祖型であったと思います。『White Music』では、まだ、その感性は現れ切ってはいませんでした。それに、XTC 自体、この軸での音楽からは、すぐに離れてしまうのですが。兎も角、『Go 2』は、全く異世界の音楽でした。

 蛇足:私は、日本の地方の小村の出身で大きなレコード店も知らずにいました。それで、たくさんのディスクが並んでいるのを見ずにいたからかもしれないのですが、後にヨーロッパの都市に住むことになって、驚いたことがあります。小さなCD店にも、Jah Wobble のコーナーがあるのです。XTC はもちろんありません。Sex Pistols のコーナーもないのですが。(もちろん、パリ市のような都会は違うでしょうが。) こんなに、音楽の嗜好に違いがあるものなのか、と驚いたのです。
posted by ノエルかえる at 10:43| Comment(0) | TrackBack(0) | Go 2 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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