2015年08月04日

The Beatles「 Golden Slumbers 」訳

 やはり、最初に気になるのは、there was a way と言う句。その way に付けられている冠詞が不定冠詞 a だと言うこと。明らかに、 コーラスの二行目の awake と音韻的な関係にあるのだろうけれど。 
 もし子供の頃に通いなれた道と言うのであれば、冠詞は、定冠詞 the である筈。実際に、「 The Long and Winding Road 」では、 the なのだから。 
 記憶が不確かだから、ここかも、と言うことがあるかもしれない。あるいは、帰途に使った道がいくつかあって、その何れでも構わない、と言うことかも知れない。それに、御伽噺のように、いつかは分からないけど昔々何所かは分からないけどある所のある道、と言うことなのかも知れないけれど。または、読者がそれぞれ思い浮かべる任意の道と言うことでいいのかも知れない。 
 それなら、「以前、一本の道が在った」と訳せばいいのだろうけれど。 
 でも、また少し違った想像力を働かせると、子供だから道でないところを道のように通っていた、と言うこともある、と思え出して。 
 追記: それに、way は=道と言う確定した意味を持つ言葉ではなくて、ある方向へ向かうと言うような漠然とした概念の言葉だから、そのような曖昧さを訳す時にも持たせられればいいのだと思うけれど。

 それで、この歌は、ポール・ビートルが、16世紀の詩人トーマス・デッカー Thomas Dekker がウィリアム・ホートン William Houghton と共に書いた戯曲『 Patient Grissel 』の中で使われる詩を引用して作ったと言うこと。
 なので、ヴァース部分で子守唄を歌おうと言う情景が語られて、コーラス部分は、その歌われる子守唄、と言う構成だということで。 
 追記: それから、「値千金の眠り」としたのは、死者の瞼に硬貨を置く風習を連想したから。それは、次の行に、rise と言う語が使ってあって、それが、復活、昇天を思わせるので。

 元にしたのは、ビートルズのホームページの「 Songs 」。
Golden Slumbers | The Beatles 



ほら、あそこが、帰り道に辿ったところだよ、
そう、家に帰るのに道のかわりに通ったよね、 
眠りなよ、利かん坊、泣くのはおよしよ、
そうすれば、子守唄を歌ってあげよう。 

「値千金の眠りがお前の目をふたぐ、
お前が頭を起こすと、微笑みが目を覚まさせる。
眠るんだ、利かん坊、泣くのを止めるんだ、
そうすれば、子守唄を歌ってやろう。」 

ほら、あそこが、帰り道に辿ったところだよ、
そう、家に帰るのに道のかわりに通ったよね、 
眠りなよ、利かん坊、泣くのはおよしよ、
そうすれば、子守唄を歌ってあげよう。 
posted by ノエルかえる at 21:32| Comment(2) | TrackBack(0) | 薬師 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
ノエルかえるさん、おはようございます♪

素敵な素敵なご邦訳でいらっしゃいますね
ホロリといたしまシタ
ポールさんの現在進行中のOUT THEREツアーでも
「Golden Slumbers」は
Carry That WeightとThe Endとのメドレーで
ライブの大トリに歌われていますね
there was a wayの「a」のご解釈、
たいへんたいへんイケていますね♪
拙ブログの「Golden Slumbers」の記事の日本語訳さんたちの中にも
UPさせていただきますね★
感謝感激です


Posted by goigoi at 2015年08月06日 08:05
goigoi さん、こんにちわ、
ありがとうございます、
トーマス・デッカー のことは、goigoiさんに、教えて頂きました。 
a、once と始まってるから、自然に a が来てると言うのが本当かも。
ただ、トーマス・デッカーの詩の awake を利かそうとしているのだとは思います。
それを日本語に移すのは、私には無理です。
とりあえず、ポールの歌詞とトーマス・デッカーの詩の文体を変えるくらいしか出来ないのですが、、、
では、
Posted by ノエルかえる at 2015年08月06日 09:05
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