2017年02月25日

Joyce 「 Chamber Music 」の20 訳

 ジェイムズ・ジョイスの詩「 Chamber Music 室内楽 」の20 。( 「室内楽」は全部で、36篇。第5篇は、シド・バレットが曲を付けている。 ) 

 第20篇は、XTC / コリン・モールディングの「 Grass 」を思わせるので。  
コリン・モールディングは、『 The Big Express 』製作後から『 Skylarking 』製作前の間に、パートリッジからシド・バレットを聴かされて、感化されたそうだから。それで、『 Skylarking 』の彼の歌は、バレット風なのだけれど、もしかしたら、バレットが曲を付けたジェイムズ・ジョイスの「室内楽」にも目を通していたのかもしれない。『 Skylarking 』の彼のどの歌も、「室内楽」の詩に通じている様にも思えるから。「室内楽」も、『 Skylarking 』も、パルナシアニスムな感じがする。

元にしたのは、Wikisource のもの :  
Chamber Music - Wikisource, the free online library  





僕は思うんだ、僕ら、 
深い松の森に寝そべったら、どうだろうって。 
濃い涼しい影の中、 
真昼に、ね。 

寝そべるのには、素敵だよ、 
キスするのには、素敵だよ、 
松の巨樹の森林は、 
「孤絶境域」になるんだ! 

君のキスが降りてだんだん近づくと、 
どんどんよい薫りがつよくなる、 
君の乱れた柔かい 
髪といっしょになって。 

松の森に、 
真昼に、 
さあ、僕といっしょに 
行こう、愛しい君。  



西脇順三郎の訳 :
暗い松林の中で 
 僕達は横つてみたい、 
正午の時間に 
 深い涼しい影の仲で。 

そこで横はるとは、どんなに美はしいことか、 
 接吻はうるはしきことよ 
大きな松の林が 
 寺院の通廊のやうになるところまで。  

落ち来る君の接吻は 
 愈々美はしいものになるだろう 
君の髪の 
 柔かい混乱と共に。  

オー、松林へ、 
 日の正午に、 
僕と一緒に来たまへ 
 美はしい恋人よ、サー行かう。    




蛇足: 
「 wood 」と言う語が使われているけれど、ここでは、勿論、「森」。 
ビートルズの「 Norwegian Wood (This Bird Has Flown) 」のことで、
「woods」だったら、「森」だけれど、単数だから、「材木」だ言う、説明を、まだ見かけるけれど、そういうことはない。 
wood でも、woods でも、森の意味がある。 
Norwegian と言う形容詞、ノルウェー製の/ ノルウェーで産出された、が付いているので、「材木」の意味になる。
posted by ノエルかえる at 12:47| Comment(0) | TrackBack(0) | 薬師 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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