2017年03月17日

ベルナール、パートリッジ対談「 It's Nearly Africa 」4

ベルナール「録音は、各パート、それぞれで行ったのですか? それとも、一緒に録音したのですか?」
パートリッジ「リハーサルでは、メンバーが一緒に演奏した筈ですよ。これまでも、何度かお話ししたと思いますが、時々、テリーは、「録音には、パーチィーとだけ一緒にしたい。」と言っていたものです。ところが。この曲に関しては、テリーは、録音には、誰とも一緒になることを望まなかったのです。」 
ベルナール「それはつまり、チェンバースさんは、上手く合わせるのがいっぱいだった、と言うことですか?」
パートリッジ「テリーは、一人座って、調子をつかんで、同じ所をぐるぐる循環すると言うことをしたかったのです。スタジオのトークバック・システムを使って、私たちが「もう十分だろう。」と言う様になるまで、そうしていたのです。時には、曲が、テリーを落馬させるのです。( くすくす笑う ) 彼は、「ゼン」の境地に入っているのですよ。つまり、彼は、周期にかっきりと合わなければ、自分が済まないのです。それですから、途中で調子が変わる様な曲だと、時には、曲が彼を落馬させると言うことが、本当に、起こるのです。」 
ベルナール「成る程ですね。それが、どれだけ気を散らせてしまうか、よく分かります。ある一つのことをしようとしていて、他の演奏家の音が聞こえてしまうと、それに呼応しようと、何か、インタープレイをしたくなるでしょうからね。」
パートリッジ「そうですね。何か変化をしたくなったとしたら、他の奏者を見回して、それから、同じ輪をぐるぐる回って演奏している、「ゼン」の場所から出て行くのですよ。 
 まあ、テリーは、マナー・スタジオの石造りの室に入って行きました。『イングリッシュ・セトルメント』はそこで製作したのです。そこには、タウンハウス・スタジオにあったものと同じ様な石造りの室がありました。テリーは、「開始を言ってくれ、するから。そして、もう十分だと君らが思ったら、止めてくれ。」と言ったのです。」 
ベルナール「それでですね、録音には、クリック・トラックもメトロノームの類いも何も使わなかったのですか?」
パートリッジ「ええ、クリック・トラックは使っていません。テリーが一人演奏しているのです。私たちは、彼に初めの合図をだします、すると、彼は始めるのです。」 
ベルナール「驚きです。私が、この歌を演奏した時ですけれど、それは、私にとって、ある種の挑戦でしたから。このパターンを叩くことが出来ない、と言うのではないのです。叩けます。ですけれど、この同じパターンを、非常に正確に、いい乗りのまま、五分間叩き続けると言うのは、非常に非常に大変なのです。ですから、このことについても、何かお話して下さるのではないでしょうか。」
パートリッジ「そうですね、私たちがどうやって曲を終えればいいのか分からなかった、と言うのは確かですね。お聴きになれば分かると思いますけれどね。実は、テリーは、トークバック・システムを外して、ミキシング・デスクに置いて、スタジオに入ってしまったのです。おかしな話ですけれどね、誰も考えなかったんですよ。ヒュー・パジャムも含めてです。ドラムズにリヴァーブの装置を着ける時に、スタッフが、トークバック・システムのイヤフォンを外したのです。それで、テリーは、通じなくなったまま、演奏を始めたのです。もし、私たちがその事に気が付いていれば、曲の最後の部分には、リヴァーブが掛かる筈だったのです。リヴァーブの装置を着けた時、何か残ったままだったのです、それに気が付けば良かったのに。テリーは、デスクにイヤフォンを残したまま、スタジオに入って行ったのです。それで、私たちは、終りをどうすればいいか、まるで分からなかったのです。これでも、明らかですよね。私のリハーサルについての記憶が、漠然としているのは、何故なのか、と言うことがです。たぶん、この曲を通してのリハーサルは、二度程しただけなのでしょう。」
posted by ノエルかえる at 09:12| Comment(0) | TrackBack(0) | English Settlement | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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