2018年04月03日

About DIY 4-Track EP

 下のブログに掲載されていた、EP『 Great Aspirations 』の各曲についてのコリン・モールディングのコメント。このインタビューがこの記事の筆者がしたものか、いくつかのラジオか何かのものを纏めたものなのかは分からない。 
MAKING PLANS - XTC's Colin Moulding And Terry Chambers Ponder Live Shows After DIY 4-Track EP - An Ideal For Living 
公開の日付は、2018年3月2日。 


 「 Kenny 」、このEPでは唯一ギターを使って作曲された歌であるけれど、この歌は、運動場を失うことになったアカデミー・スクールを指弾するものである。 
 「私は学校の管理人の息子でした、それですから、大きな運動場を自由に使っていたのです、それに、その運動場こそが私の想像力を養ってくれたのです。」とモールディングは明かす。「現代の幼い子供たちの問題は彼らが何かの課題に熱中することがないと言うことだと私は思うのです。子供たちは通りの角でぼんやり待っているだけなのです。」 

 モールディングは、子供たちの親たちが地区の学校が上級の学園[ アカデミー ]になると言う案に惑わされているが、実はまやかしの目論見書を売り付けられようとしているのだ、と主張している。 

 「人々は、もっと大きなもっと良質なものを得るべきだと考えていますけれど。とは言っても、アカデミーは、学校のひとつなのです。運動場がなくなれば、学校と言うものの美しさのすべて、それに、子供たちを育む雰囲気と言うものが無くなるのです。私は、それはあまりに均衡を欠いた取り引きだと思います。」 

 モールディングは、この歌はフィリップ・ラーキンの詩「 The Whitsun Wedding 」に触発されたと言っている。 

 「誰かがクリケットをしに遣って来る行がありますよね。列車から運動場が見えるのです。列車から、と言うことが詩の行を引き起こしているのです。私は、列車の動きに似たこのギターのリフを思い付きました。一つのことが次のことを導き連れて来るのです。― 思考の鎖ですね。」 


 「 Comrades of Pop 」も同様に若者のことを念頭に書かれているのだけれど、それは全く違った視点からのものである。 
 パートリッジへの当て付けだと誤解している者もいるのだが、モールディングは、若いバンドへレコード・ビジネスの危険を警告しているのだ、と言っている。 

 「私はキャリアの終りに差し掛かっています。それで、音楽産業に入ろうとしている若いポップ人たち全員に緊急に連絡を取って、決してしてはならないことは守銭奴とは関わり合いになると言うことだ、と言いたいのです。そうでないと、守銭奴たちは若い彼らを惨めな状態にしますから。」と、モールディングは沁み沁みと言う。 

 「君たちの味方だと言う人たちは、必ずしも味方ではないのです。レコード会社を考えて見ると、支払いの係が複雑でどうなっているのか分からない場合は特にそうなのです。」 

 レコード会社はバンドがレコードを作り続ける為には何でもする、バンドの負債を消す為に金を貸し付けることまでもする、とモールディングは強調します。 

 けれども、裏面を見れば、負債はレコード会社に移動しただけだとすぐに分かる。そうして、低いロイヤリティーで良いと言う、厳格な履行の権利を得るのだ。 

 「それが私たちに本当に起こったのです。」とモールディングは悲痛に言う。 
 「私たちは前のマネージャーとの裁判にお金が要ったのです、それで、ヴァージン社がそのお金を出していたのです。会社だけが弁護士費用を出すことが出来たものですから。 
 私たちは、会社は本当に私たちの味方なのだろうかと疑い始めたのです。と言うのも、巨額な請求書が私たちの元に届き続けたからです。訴訟が片付く様には全く見えなかったのです。十分に注意深くなくてはなりません。」 

 モールディングは、元マネージャー、イアン・リードとの裁判から生じた思わぬ結果にも触れる。結局は、バンドは仕事道具を置いてストライキをすることになったのだ。ストライキに依って、自分たち自身をヴァージン・レコード社の契約から解放しようとしたのだ。 

 リードとの裁判に資金を提供する見返りに、ヴァージン社は、バンドのレコードの売り上げから相当のロイヤリティーを得たのだ。XTC はヴァージンに約3,000万ポンドの利益を齎している筈だと見積もっているのにも関わらず、利益を得るのに汲々としていたのだ。[ 1992年当時のレートは、1ポンド240円くらいなので、72億円と言うことか?] 

 最後の一撃は1992年に起こった。横暴にも、シングル「 Wrapped In Grey 」をヴァージン社は早急に取り止めてしまったのだ。パートリッジは、柩の中で息を止めさせらられ様としている赤ん坊に喩えている。バンドは六年の間仕事から手を退き、結局は、ヴァージン社は契約を終了させた。 

 「 Greatness 」の中で、モールディングは、彼が感嘆している偉大な才人たちに讃辞を贈っている。それには、ポール・マッカートニー、アレフレッド・ヒッチコック、スティーブン・スピルバーグ、ジョージ・ガーシュインがいる。 

 しかしながら、そこには驚く様な結末が待っている。彼は、今では「切望する」と言うのは旧弊と看做され「苦境を藻掻きながら進みたくはない」と公言する様になっている、と嘆いている。 

 中心部では、歌は平凡さを論評することへ変わっている。偉大さへ向けて懸命に努力することをしないことへの論評だ。 

 モールディンは言う、「現代は誰もが何らかの賞讃を得ると言う世界なのです。二三度の強烈な批判があっても傷つくことはないと思います。それは、偉業を成し遂げるのに向けて、人を鍛え上げるのです。」 

 もしも音楽に合いさえすれば、歌詞にもっと多くの人たちを入れることが出来ただろうと、明かしている。 

 「私は多分もう百の名前を挙げることも出来たでしょう。ですが、それは韻律に合わないのです。例えば、デヴィッド・リーン David Lean も入れたかったのです。でも、それもぴったりと来ませんでした。」 

 「聴かれた方は、第2ヴァースにアメリカ人、第1ヴァースにはイギリス人が挙げられているのに気が付くでしょう。[ 第1ヴァース: チャーチル、ヒッチコック。第2ヴァース: スピルバーグ、ガーシュイン。 ] 」と言って、モールディングは笑う。「バランスを取った方がいいだろうと考えたのです。と言うのはつまり、私でさえ、書いている時には商業的な配慮があると言うことですね。」 

 インタビュアーである私は、モールディング氏に現在の音楽シーンで活躍する[ 若い ]人の中で彼が讃辞を贈るのは誰かと尋ねる機会を得ることが出来たのだが、彼は、一時、言葉を失った。 

 「先日、やはりこのことについて私に尋ねた方がありました。ですが、私が本当に強い印象を受けたと言えるレコードは一枚もないのです。」 また、彼は次の様に説明する。「何か良いものがあるとすれば、それは、音楽産業の周辺部にあるのが常ですよ。」 

 暫く黙った後、モールディングは、[ 彼自身が参加している ] 2016年のアリソン・セコンズ Allyson Seconds のアルバム『 Little World 』を挙げた後、1988年のラーズ The La's のアルバムを思い付く。 
[ Allyson Seconds − Little World : https://www.youtube.com/watch?v=-6CAJPx30FQ ]

 また一方で、モールディングは、エド・シーラン Ed Sheeran やアデル Adele の様なヒットチャートの常連たちには関心を持っていない。 

 「この歌は、全体的に、そんなに真剣に受け取るものはありませんよ。縁者のことをビールで酔いながらみっともなく泣いて偲んでいるというものです。私の嗜好から言えば、不安( キルケゴール用語の ) と悲嘆がこの歌には多過ぎます。私は、楽観が好きなのです。それが死についての歌であっても、楽観を入れた方が好きですね。」 

 「 Scatter me 」が私たちを首尾よく連れて行く所は他でもない、彼が直面している彼自身の限られた命なのだ。 
 ( ビデオを参照のこと: https://www.youtube.com/watch?v=Zkh_0ejs12Y ) 

 モールディングは、この歌はウォンテージとスウィンドンの間の草丘を歩いていて思い付いたのだと言う。彼は日課の様にその草丘に沿って歩いていると言う。 

 「歩いていて、小さな祠の側を通り過ぎたり、あるいは、地面にめり込んだ小さな十字架の側を通ることがありますよね。直ぐ側には、花や写真が添えられています。すると、ここには誰かの遺灰が撒かれたのだろうな、と思うでしょう。」とモールディングは説明する。 

 「マッギネス・フリント McGuinness Flint の「 When I'm Dead and Gone 」と言う歌もありますよね、その歌詞には、「 you want to leave some happy woman living on 」とあります。[ When I'm Dead and Gone - Wikipedia ] 昔、私はそれが素晴らしい感情だと思っていました、その感情が私に留まっていたのです。それが、最終的に私の歌の一つになったとしても、驚くことはありません。」  
posted by ノエルかえる at 10:00| Comment(0) | Great Aspirations | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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