2018年07月13日

English Settlement 2016 アンディ・ソング・ノート 11

「 Snowman 」 
アンディ: 
 ポートベロ通りの外れのヴァーノン囲繞地[ Vernon Yard : パートリッジの書き方だと地名の様だけれど、Vernon Yard Recordings はヴァージン傘下のレコード・レーベル。 ]にあるヴァージン・レコード社へ行かなければならないことがあると、決まって、用件を迅速に済ませて、立ち寄るべき寄港地が二つあったのだ。一つは、アル・クラークのビールが入った冷蔵庫である。そして、二つ目は、その隣りに隠し場のあった、彼のECMのアルバムのコレクションである。彼は常々「一枚しか残ってないアルバムは持って行くな、そうでないのは自由にしていい。」と申し立てていたのだ。ヴァージン社は、ECMのレコードを英国内で販売していたと言うことを、諸君も承知して置くと良い。何故、アルがECMのアルバムを全部二部ずつ持っていたかと言う理由が解せるだろう。…、しかし、それも、蝗の群れ XTC が遣って来るまでの話しであった。

 或る日、エバーハルト・ウェーバーの『 Fluid Rustle 』[ Fluid Rustle - Wikipedia ]と言うアルバムを勝手に持ち出しのであった。そして、その時から、それを掛けて聴くのを止められなくなったのであった。その中の一曲に於いて、ビル・フリューゼルがバラライカでリズムを弾いている。それが曲の核と成っているのだ。私は魅了された。ツアーのヴァンの中でそれを繰り返して聴く度に、私に起こる反応作用は度合いを増していったのだった。そして、私は、似た様なジャンジャンと鳴る感じのものを使って歌を書こうと決心したのだ。私は、バラライカを持ってはいなかった。その音を、自分のエレクトリック・ギターで作ってしまおうと思ったのだ。また、この歌は、レコーディングされる前に、ステージの経験により、威風堂々としたものに仕立て上げられたのだった。テリーのレゲエ・スタイルのドラミングは、コ・ムのベースのお喋りメロディと良く噛み合っておる、デイブと私は、その上を滑走しているのだ。落ち着きの無い大股の闊歩が出来ている、それを私は何としても捉まえたかったのだった。 

 マナー・スタジオでは、逆向きのリヴァーブの塗布は、この曲に北極圏の雰囲気を出すのへの一助と成った。歌詞の主題は、九年後に「 Always Winter Never Christmas 」を書くまで、私の中に感染し潜伏したのだ。同じ主題だ。同じ種の人間が、中間部に於いて、私の生涯での最高のカプレット( 対句 ) を口にするのだ。「 People will always be tempted to wipe their feet... on anything with welcome written on it. 」 私は認めざるを得ない。これを凌ぐものを創ろうと、私は苦悩して来ているのだ。諸君は、終部での見せ掛けのフェイドアウト、少しだけ戻って来ると言うあれだ、に関して、あれは、スモール・フェイセス Smal Faces の「 I Feel Much Better [ Tin Soldier (song) - Wikipedia ] 」か「 Afterglow [ Afterglow of Your Love - Wikipedia ] 」に発想を得たのだと私を非難するだろう。時には、そこから借りると言うことができないのならば、良い芸術の利用価値とは何ぞや? 

デイブ: 
 この歌は、1981年のツアーを通じて、ステージでよく練られたものでした。私は、短いアルペジオのハーモニーを考え出しました。それには、リッケンバッカーの第九番目のフレットの後ろにカポを装着しないといけませんでした。そのアルペジオは、アンディのギターの上に、よく合った冷たい氷の感じを出しています。アンディは、私のギブソン ES-335を直接にコントロール・デスクに繋いで演奏して、それをレコーディングしたのです。その遣り方で、障碍も感じずに無理無く作業が進んだのだったと覚えています。と言うのも、私たちは、その遣り方に慣れていたからです。後になって、ヴォーカルが加えられた後にですが、アンディは、開始部分に情景を想起させる様な短い音形が必ず欲しいと言い出したのです。それで、私は、ピアノを持ち出して、「雪が降る」短いモチーフを考え出しました。それに、アンディがプロフィット5を使ってチリンチリンと言う様な音を作って重ねたのです。アルバムの曲順が決まると、このアルバム最後の曲と「 English Roundabout 」の最後の間にクロス・フェイドを充てることが決まったのです。 




English Settlement 2016 アンディ・ソング・ノート 、全部終わり。 
posted by ノエルかえる at 09:00| Comment(0) | English Settlement | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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