2018年09月10日

バーンハート、モールディング対談「 The Meeting Place 」3

バーンハート、モールディング対談「 The Meeting Place 」2: ノエルかえる不恵留





バーンハート「ウッドストックのトッド・ラングレンのスタジオに入る前に、貴方方はリハーサルをされたのですか?」
モールディング「それが、このレコード全体の問題なのです。私たちが飛行機に乗る前に、メンバーの誰もが「リハーサルはするつもりがないよ。彼はどうしても変えてしまうからね。」と言っていたのです。それで、私はこう思っていました。「それでは、私たちはリハーサルはしないでおこう、それがいい。」 そうして、ウッドストックに着いたのです。そこで気が付いたのです。「僕は、各曲について何も知らないよ! 誰もコードを教えてくれてないよ! どうするんだ?」って。( 笑う ) そうしてトッドが、「じゃあ、まず一度通してやってみよう。」と言ったのです。「なんてことだ」と思いましたよ。 
 誰もどうなるのかわかっていませんでした。私が知っていたものといえば、アンディのデモだけだったのです。」 
バーンハート「( 暫く笑う ) それで、デモに沿って演奏して見ていたのですか?」
モールディング「いいえ! 全くです。それがどんな歌だか、聴いて楽しんでいただけです。演奏はしていませんでした。アンディたちはこう言い続けてましたからね。「リハーサルする意味がない。」」 
バーンハート「それではです。ラングレンさんが過去にプロデュースした作品を見れば、いつもそうしていたように、彼が作品の中で貴方達よりも重要な役割をしようとしているつもりだと言うことを、貴方は事前に知っていましたか?」
モールディング「彼が電話して来たときにはこう言っていたのです。「はい、聞いて。君らの曲順は、私が既に決めたからな。」 私は、「おやおや。パートリッジはどうするつもりか? 」と思いました( 笑う )。ちょっと変わってるな、と思ったのです。「こんなことはこれまでなかったぞ。この男は、牛の角を矯めてしまうんだな、本当に。」と考えました。と同時に、「これは良いかもしれない、これが必要なのかもしれない」とも考えました。と言うのも、ヴァージン社では、誰もが、このところ私たちはヒットを出してないと、ちょっと腐り始めてましたから。この男が、私たちが進むべき道を示そうとしているのかもしれない、と思ったのです。それで、彼はとてもいい仕事をした、と私は言う他ないですね。 
 それでもですね、その時点で、多分もっとたくさんの干渉があるだろうな、となんとなく思ったのです。それは、私たちがイギリスにいる間にもありましたからね。彼は、電話をして来て、収録曲と曲順を聞かせたのですから。ですから、私たちはリハーサルをしなかったのです。でも、私はそれについて、今でも考え続けています。私は何が起こるかもう少し知っておくべきだったのではないかと思うのです。少なくとも、コードだけは覚えておくことは出来たでしょうに。でも、アンディとデイブが無意味だと言うので、私はそれに納得していて、( 笑い ) 気に掛けなかったのです。 
 もちろん、変更されたコードはそうはありませんでした。でも、かなり編曲をされて、加えられた部分が多くありました。特に、ストリングスのアレンジです。でも、歌の基本的な枠組みとコードの構造は、ほとんどそのままで同じだったのです。」 
バーンハート「思うのですが、これまで貴方が仰ったことなのですが、自然発生的なことということです。それは、屡々、リハーサルをしない時に起こることですよね。けれども、貴方が調子が狂っていたと感じられていると言うことは、何か別の問題があるのですね。」
モールディング「ええ。私は、もっとリハーサルをするべきだったと、今は思っています。私たちの経験を通じてそう思うのです。私たちは、大抵は、ファースト・テイクにしたことの方に満足したものでした。もっと分析して考えて演奏したものよりもです。 
 アンディの方法とトッドの方法は、全体的に違っているのです。アンディのは、ずっと分析的で論理的なのです。時には、25テイクも録ることさえあります。そうなると、演奏する楽しみも何処かに消えてしまっていて、歌の魂は無くなっているのです。そうすると、テープを反対に回して、初めからしたくなりますよ。一方、トッドは、「やってみよう、通して録れれば、完璧でなくても、魂はそこにあるからね。それを記録しておこう。失敗を気にしない様に、全体に魂があればいいのだから。」と言うのです。」 
バーンハート「それは『 Skylarking 』についての聞き逃せない話です。と言うのも、通しで録音すると言うことについては、パートリッジさんは、『 Skylarking 』の録音時に覚えた苛立ちという観点から話されたのですが、その通しでの録音は、ラングレンさんの仕事は全部が込みの一定額の費用で行うので、彼の都合で手早く済ますと言う事だった、と言われていました。」
モールディング「私はそれだけの理由だったとはとても思えません。それが、トッド・ラングレンの方法なのでしょう。彼はそうするのを好んでいるのです。そう言う考えを持っているからです。それに、私も同様に考えているのですが、ベスト・テイクと言うのは、バンドが通しで演奏している時に、エンジニアがそれを何とか捉える様に努めて、やっと得られるものなのです! それをレコードにすべきなのです。」 
バーンハート「誰もが物珍しく張り切っていますからね。」
モールディング「誰もが想いを新しくしていて、誰もが「赤ランプ恐怖症」には罹ってないのです。赤ランプが灯っていても、ミスをしたかどうかは気に掛けないのです。」 
バーンハート「正にその通りですね。新鮮な気分で、しかも、リラックスしている。」
モールディング「リラックスして、その上に、すべきことをしているのです。意識的にではないのです。それはあるがままなのです。そこで起こっているのは、正に魔法ですね。意識的になると、演奏は駄目になる、と私は考えています。」  


posted by ノエルかえる at 10:00| Comment(0) | Skylarking | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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