2018年10月12日

バーンハート、モールディング対談「 The Meeting Place 」8

バーンハート、モールディング対談「 The Meeting Place 」7: ノエルかえる不恵留





バーンハート「一緒に仕事をする前から、トッド・ラングレンの作品には馴染みがあったのですか?」
モールディング「いいえ。私は、ニューヨーク・ドールズのファースト・アルバムを彼がプロデュースしたと言うことだけで、彼を知っていました。」 
バーンハート「では、彼のアルバムは何も聴いたことがなかったのですか?」
モールディング「ええ、ありませんでした。テレビで、ユートピアと一緒にステージに出てるのを見たことがあっただけです。それで、私は、これはバスタードポップだな、と思ったのです( 笑う )。[ 原文は、the bastard top となっているけれど、pop の間違いでは? あるいは、洒落? バスタードポップは、複数の曲から、一つからはヴォーカルを取り出し、他方からは伴奏を取り出して一つに合わせて別の曲にしてしまうと言う方法。] それから、「あの手の人たちのすることだな、ギター・ソロの世界だ。」とも思いました。それで、プロデューサーが決まった時に、デイブが一曲か二曲をレコードで聴かせてくれらのです。「 I Saw the Light 」[ I Saw the Light (Todd Rundgren song) - Wikipedia ]を聴きました。「なんていい曲なんだ!」と思いました。彼にそう言う面があることを知らなかったのです。 
 他の誰かが、トッドはナッツ Nazz にいたことがあると教えてくれました。それに、たくさんのバンド、ミュージシャンのプロデュースをしていたと言うのです。勿論、私もドールズのことは知っていました。私たちは皆んな、「 Jet Boy [ Jet Boy - Wikipedia ] 」に夢中だったのです。」 
バーンハート「そうですか、では皆さんは、スタック・ヒールを荷物に入れて合衆国に送ったのですか? ( 笑う )」
モールディング「( しばらく笑って ) 以前には、私たちバンドのメンバー全員がスタック・ヒールを持っていたことがあるのです。レコードにそのヒールでパリンパリンという音を録音したらどんなに素晴らしいだろうと考えていたのです。そうしてあの時ですよ、あのドールズのレコードの音の制作責任者と仕事をすることになった分けですよ。 
 でも、元々、私はトッド・ラングレンを評価していませんでした。テレビで見た印象の所為ですね。でも、今は彼には見た目以上のものがたくさんあると私にも分かっています。」 
バーンハート「『 Slykarking 』のレコーディングの後に、ラングレンの作品を聴いていますか?」
モールディング「いいえ、聴いていません。音楽というのは、大抵はです、音楽の方から私のところへ来るのです。私から出向いて探したりはしません。私が音楽を作っているからですね。私は音楽に対して知識欲があって色々探しているのではないのです。」 
バーンハート「貴方の場合、ご自分の着想を「純粋」にして置きたいと言うのは、意図してなのですか? 私は、このことについて何人かのミュージシャンに聞いてみたのですが、どちらの考えも、それぞれその考えを取っている人がいるのです。他の人の音楽を意図して聴かないようにしている人がいます。彼らは、他人の音楽が自分の着想を弱めてしまうと思っているからなのです。反対の人もいます、太陽の下にあるものには何でも耳を傾けようと意識している人たちです。それは、インスピレーションを得る為なのです。」
モールディング「私は前者の方だと思いますよ。私は外に出て広く何かを探し求めて、それをそのまま吸収すると言うのは好きではないのです。」 
バーンハート「ですが、お若い時には、もちろんそうされましたよね、多くの人がそうするようにです。」
モールディング「まったくその通りです。私もそうしました。でも、こう思うのです。ものごとは順序正しい手続きを経て実現して行くものだ、と。人が何か他の人の作品を聴いて、その一週間後に傑作を書けるとは、私は思いません。それは消化されなければならないし、年月の艶を帯びて行かなければならないのです。 
 息子がMP3 を送って来て、「これをどう思う?」と聞いてくることがあります、もちろん私はそれを聴くでしょうね、でも、わざわざ音楽を求めて外へ出ては行かないのです。私の内部には、もう十分に音楽があると思っています。あまりに多くのものを聴きすぎると、際立って他とは違うものにはならないと思います、どこにでもあるようなものになってしまいがちです。オーソン・ウエルズはこのようなことを言っていました。「この業界は、映画製作について過度に知りすぎている者たちで溢れかえっている。私が興味を持つのは、自分がしている分野について何も知らない人なのです。」」 
バーンハート「なるほど、「誤解」をする人ですね。」
モールディング「そう言う人は、何か革新的なことをしてしまうのです。ベッドルームかどこかで、色々試行錯誤している人たちです。私は、いつも、オールラウンドなミュージシャンには慎重に対応するのです。必要な方法の一つではあるのでしょうけれどね。でも、どう演奏していいか分からないでも、素晴らしいアイデアを持っている人はいるのです。たぶん、進める手順は何も知らないのでしょう。でも、その何も知らないと言うことが、アイデアをもっと面白くするのです。手順を知らないからなのです、それで、古い罠に落ちることなく、何もかもをあるがままに始められるからなのです。」 


posted by ノエルかえる at 10:00| Comment(0) | Skylarking | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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