2017年07月02日

Scenes from Swindon New Town in 1950s

 スウィンドン・ビューポイントの「 Scenes from Swindon New Town in 1950s 」と言う映像。XTC の「 The Everyday Story of Smalltown 」をイメージするのには、ちょうど良いのではないか知らと思う。 
 「 Washaway 」も。 

Scenes from Swindon New Town in 1950s | Swindon Viewpoint
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2012年07月17日

通勤

 Swindon ViewPoint に、1958年の通勤の光景のフィルムが公開されていました。

http://www.swindonviewpoint.com/video/men-leave-swindon-works-1958

 おそらく、工場から帰宅する人の列です。

 それで、「 The Everyday Story of Smalltown 」の歌詞、Shiney grey black snake of bikes は、オートバイではなくて、自転車に訂正します。



語り部、町を叙述する吟遊詩人が歌う
「数知れない自転車が街道で列をなすと、ああ、正に、灰黒に煌めく大蛇となり、
町を這い擦り進む。
大蛇は、男たち子供たちを載せるや、
ああ、工場へ連れ去る。」
男たちが歌う
「街道のポプラ並木よろしく、おれらは等間隔に立ってるん。
目覚まし時計を作ってるん。そりゃあ、上さんたちを起こすんさ。」
子供たちが歌う
「ぼくらが間に合うかって、聞かないでよね。
ぼくら、人生の舞台が始まる合図のサイレンが鳴るのに、
遅れんように急いでいるんだからさ。」
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2012年07月14日

グレゴリー「 The Everyday Story of Smalltown 」回想

 ベルナールさんとの対談で、グレゴリーが、「 The Everyday Story of Smalltown 」を回想したもの。
2008年2月25日付け

http://www.myspace.com/xtcfans/blog/361109265




 久しぶりにこの歌を聴き返して見た時に、私が思ったことと言うのは、「駄目だ、これはミキシングが必要だね。」でした。この歌は、アンディの歌の中で、私が好きなものの一つなのですけれど。彼が初めてこれを持込んだ時には、これをシングルにと言う強い希望が、私にはありました。ですけれど、私の見る所では、レコーディングされたものは、演奏そのものを正当に録音してはないように思います。1980年中頃のオーディオの流行で、DAT [ デジタルテープレコーダー ]でミックスすることが決まりました。それは、思い出の中の嫌なことの一つです。そして、それが、『ビッグエクスプレス』の売り上げが芳しくなかったことの主要な要因だと思います。

 この歌は、部分的にですけれど、BBC ラジオ番組の『 The Archers 』に触発されているのではないかと思うのです。番組は、毎日15分間の放送で、まだ放送しているのですよ! 英国国歌と同じ程に人々によく知られている軽快な音楽に載って、上品な悠長な話し方のアナウンサーが「『 The Archers 』をご覧に頂きます。田園に住む方々の日々の生活でございます。」と言って、番組が始まるのです。私たちの町、地方都市なのですけれど、その多くのことを思い浮かべようとすると、確かに、歌詞で歌われる町の人口構成にぴったりですね。ですけれど、アンディが言っているように、この歌が、アルバム全体の中心になるようなものだったとは、思わないのです。

BBC - Radio 4 - The Archers

 曲には、様々な楽器の音、実際の音声が使われています。ですが、その多くは埋もれてしまって不鮮明になっています。それで、平板な躍動感のない聴覚経験を生み出してしまったのです。ベースは堅固で迫力がありますし、ドラムは歌に合わせてガチャガチャと音を立てて動き回りテンポの変化に確実に合わせています。でも、ギターと管楽器のサンプル、それに、子供の声は、完成されたミックスでは、十分に活かされませんでした。

 私は、12弦のリッケンバッカーを弾いています。どなたか、これが [ the Beatles の ]「 Fixing a Hole 」の引用だと見抜かれた方はおられますか? いくつかの気の効いたフックを創り上げたのですけれど、聞こえなくなっています。管楽のサンプルは、ティアーズ・フォー・フィアーズのご好意で使えました。彼らは、とても親切で、彼らのE-mu エミュレーターと大量のフロッピー・ディスクを貸してくれたのです。当時、ティアーズ・フォー・フィアーズは、バース市内の私たちとは反対側にあるスタジオにいて、彼ら自身のアルバム『 Songs from the Big Chair 』で大変忙しくしていたのです。カート・スミスさんがそれを持って来たのを、私は覚えています。彼は、もうずっとスタジオ内で暮らしていた人のように見えました。

 プロデューサーのデビッド・ロードがエミュレーターを設定しました。それから、バンドのメンバー全員が、キーをつついたり音を出したりして面白がったのです。その音と言うのは、その当時では、キーボード楽器から出て来るだろうと思われていたものとは違っていました。それは、ものすごく進化したメロトロンのようでいて、しかも、高音質のデジタル・サンプルを使えたのです。単音ではありましたけれど。結局は、私が演奏することになりました。けれど、各部分は、合議で決められました。鍵盤のタッチングの感度やエミュレーターの反応の速さについては、覚えていません。ただ、ピッチのツマミがあって、トロンボーンでスライドを使ったり、あるいは、ビブラートをかけると言う効果を加えるための調節器があったのは覚えています。それは、この曲の中で、部分的に成功した部分です。

 歌の大規模なフィナーレでは、ほとんどアンディのお気に入りと言っていいレコーディングの技術が使われています。初めの部分のボーカル [ ヴァース部分のボーカル ] と器楽でのテーマが、コーラスと対照させるように、重ねられているのです。それが、喜びに満ちたカノンの形式になって、騒々しく響きながら次第に消えて行くのです。そして、「 I bought myself a Liarbird 」の導入部のだらけたギターの音と、きれいにクロスフェードしています。素晴らしい瞬間です。

 この歌を久しぶりに聴いて、もう一つ思い付いたことがあるのですが、それは、この歌は、いかにも、Kaiser Chief [ 1996年デビューのイギリス、ヨークシャーのバンド ] の曲にありそうだ、と言うことです。私には、この歌が彼らのアルバム『 Employment 』にぴったりと合っていると思えるのです。

 私が実際に思っているよりも、この歌に対して厳しい態度を示しているのですけれど、( それに、私たちは、その後の24年の間に、多くのことを学びもしているのですから、 ) ともかく、この歌は、私から見れば、ちょっとよく出来たデモ・テイクに過ぎないのです。いい加減なミックスで駄目にされた、傑作の一つなのです。


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2012年06月26日

The Everyday Story of Smalltown 訳

 以前に訳していたものは、パートリッジとベルナールさんの対談を読むと、全く間違っているので、

 歌は、コーラス部分から始まり、ヴァース部分、コーラス、ヴァース、ブリッジ、コーラスとなっています。パートリッジが、青少年向けオペラの抜粋と言っていたので、そのように、コーラス部分は合唱隊、ヴァース部分はナレーター、ブリッジ部分が主人公と言う風に訳してみました。
 以前に訳した時は、Idea のサイトのLyrics を元にしたと思います。今は、それはないので、今日時点のチョークヒルに掲載されているもの。


合唱隊、ここでは一人、村の子供が歌う
「これがぼくらの町なんです、毛布を被って鼾をかいてるでしょう、
いつも、あの金音で町は目を覚ますんです。
あれは、牛乳配達が町を回ってるんです。
小さな町なんです、でも、町は、正体を明かさない間借り人、
( もしか、都会の殺人鬼? ) を隠してるんですよ、
町の外れで眠りこけてる恋人たちも隠してるんです。」

語り部、町を叙述する吟遊詩人が歌う
「数知れない自転車が街道で列をなすと、ああ、正に、灰黒に煌めく大蛇となり、
町を這い擦り進む。
大蛇は、男たち子供たちを載せるや、
ああ、工場へ連れ去る。」
男たちが歌う
「街道のポプラ並木よろしく、おれらは等間隔に立ってるん。
目覚まし時計を作ってるん。そりゃあ、上さんたちを起こすんさ。」
子供たちが歌う
「ぼくらが間に合うかって、聞かないでよね。
ぼくら、人生の舞台が始まる合図のサイレンが鳴るのに、
遅れんように急いでいるんだからさ。」

合唱隊、二人、子供と老人が歌う
「これがぼくらの町なんです、谷間に縮こまっているでしょう、
日曜日はいつも、行進曲で町は目を覚ますんです。
救世軍のブラス・バンドが町を回ってるんです。
小さな町なんです、それで、誰かが便所で咳き込みながら吐き出す言葉が分かるんです、
一体全体、誰が町を駄目にしたんだ、って、
連中が小さな町を取り壊してしまったのかい?って。」

牛乳配達人が歌う
「あたしは変わらないと仰るのですね、
プログレスの奥様。
でもほら、あたしはオクソ・スープを飲むようになったのですよ、
では、お暇しましょう、
でも、カタログ販売の最新の寝間着姿の奥様が
嫌だと言うのじゃありませんからね、
もう老い耄れのあたしには、奥様は進みすぎていらっしゃるのですわ。
次に回って来たら、今年は1990年と仰るでしょうね。」

小さな町が立ち上がって歌う
「吾は此処に住んで、一千年、いや、おそらくはもっと長い年月。
吾は、戦争に出て行った子らを皆、庇ってやった。
すると、子らは、その返礼にと、吾の中で、互いに愛を育んだのだ。
軋む寝台で、
自転車小屋で、子らは愛し合ったのだ。
独身者も既婚者も愛し合ったのだ。
トーリー党員も共産党員も愛し合ったのだ。
子らが愛し合って、吾を肥やしたのだ。
子らが愛し合って、吾は育ったのだ。」

合唱隊、大勢、村の全員が歌う
「これがぼくらの町なんです、毛布を被って鼾をかいてるでしょう、
いつも、あの金音で町は目を覚ますんです。
あれは、牛乳配達が町を回ってるんです。
小さな町なんです、でも、町は、正体を明かさない間借り人、
( もしか、都会の殺人鬼? ) を隠してるんですよ、
町の外れで眠りこけてる恋人たちも隠してるんです。」

合唱隊、もっと大勢、過去から現代まで村に居た全員、生きてる者も死んでる者も歌う
「これがぼくらの町なんです、谷間に縮こまっているでしょう、
日曜日はいつも、行進曲で町は目を覚ますんです。
救世軍のブラス・バンドが町を回ってるんです。
小さな町なんです、それで、誰かが便所で咳き込みながら吐き出す言葉が分かるんです、
一体全体、誰が町を駄目にしたんだ、って、
連中が小さな町を取り壊してしまったのかい?って。

小さな町、
これがぼくらの小さな町。」




7月17日訂正:
数知れないオートバイが街道で列をなすと、ああ、正に、灰黒に煌めく大蛇となり、
町を這い擦り進む

数知れない自転車が街道で列をなすと、ああ、正に、灰黒に煌めく大蛇となり、
町を這い擦り進む
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2012年06月25日

パートリッジ、ベルナール対談「 The Everyday Story of Smalltown 」10

ベルナール「さて、貴方とグレゴリーさんは、この歌では何をしているのですか? ムールディングさんのベース部分は、しごく普通に思えます。」
パートリッジ「うん。左スピーカーから聞こえる速いギターは、全部、デイブです。チョッピング奏法ですね、「 Ball and Chain 」でのギターと同様ですね。右側の、もう少しだけ、ひらひらしてビリビリした感じのが、私です。」
ベルナール「グレゴリーさんは、キーボードも演奏してますよね、違いますか? それとも、デイビッド・ロードさんなのですか?」
パートリッジ「ほとんどは、デイブです、、と思います。デイビッド・ロードは、側に凭れ掛かって、「デイブ君、こんな風に出来ないかなあ?」とか言っていましたね。たしか、一台しかキーボードがなかったのだと思いますね。それで、本物の管楽隊のように、旋律を積み重ねていったのです。
 この歌の最初に書いた部分はですね、それはまだ、今あるような歌にしたいと言う考えもない時ですが、バースの前のモティーフだったのを、私は覚えています。ギターで書いたのです。まだコードだけでしたけど。コードを押さえて、[ モティーフからバース部分への進行を ] 根音を色々と動かしてみたのです。鮮明に覚えています。それが、この歌の始まりだったのです。[ その結果、モティーフからバース部分になると、Eになってしまった。 ]」
ベルナール「そうですか、まず音楽を思い付いて、それから、歌詞が出来始めたのですね。」
パートリッジ「ええ、その時に、小さな町、スウィンドンについて自分が書きたがっていることに思い至ったのです。誰もが、スウィンドンについて話す時は決まって、「スウィンドン?、ああ、高速道路4号線にある小さな町ね。」と言うのです。この二十年の間に信じられないくらい大きくなったのですけれど。実際のところ、ドーナツ化現象の定義そのままの町なのです。何もかもが、郊外へ移ったのです。中心部には何もないのです。」
ベルナール「歌を書く過程を具体的に覚えていますか?」
パートリッジ「ああ、困ったことがありました。それは、歌われる対象になるものに関わることですし、いくつかのメロディがブラス・バンドに相応しい特徴を持っていると言うことに関わることだったのですけれど、バース部分がEの調だったのです。それには、私は、過ちを犯している様な感じを抱いたのです。Eは、ブルースそのものの調ですから。「他の調に変えるべきだろうか? Eではまるっきり間違っている気がする。」と思っていたのです。」
ベルナール「普通はそうですね。」
パートリッジ「普通はそう、アメリカ的なものですね。ですけれど、私は、滑稽なまでに英国的であるものにしたいと思っていたのです。」
ベルナール「それでも、オープン・E・チューニングで弾いているのですか?」
パートリッジ「いいえ、この曲では違います。オープン・E・チューニングではない曲の一つです。」
ベルナール「アルバムのほとんどの曲は、オープン・E・チューニングですよね。」
パートリッジ「ええ、そうです。でも、この曲は違うのです。
 私は、Eであることが間違いだと感じていました。ですが、こう自答したのです。「いや、そうあるべきだ。そうでないと曲が成り立たない。これが正しいコード進行なんだ、全部がそうなんだ。」 それで、この曲はすべて、青少年向けオペラからの抜粋なのです。私は、コンセプト・アルバムを作った、と、自分の頭の中で言いかけたのですけれど、言いませんでした。「これはコンセプト・アルバムですね!」と言われるのが、汗が噴き出しそうなほど面映いことですから。」



おわり
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2012年06月23日

パートリッジ、ベルナール対談「 The Everyday Story of Smalltown 」9

ベルナール「フィップスさんは、素敵な軍楽隊の雰囲気をこの歌に与えていますね。」
パートリッジ「ええ。行進曲のポップ版ですね。陳腐に聞こえるかもしれませんね、でも、このドラムズの音が私から離れないのです。そして、その音で、私は、この歌に出て来る登場人物達がこの行進曲の中で私と一緒になり、スウィンドンの町を練り歩くのが、図らずも思い浮かぶのです。この歌の想像の中で行進を続ければ続けるだけ、よりたくさんの人々が集まって来るのですよ。ここが重要なのです。ミドルエイト[ ブリッジ  In squeaky beds / In bicycle sheds のあたり ]の終わりの部分で、そこでは、蒸気機関車が蒸気を吐き出す音を入れていますけれど、それからスネアの強打が来ます [ ミドルの歌詞が終わった後 ]、そして、また、歌に戻ると、広場で子供たちが叫んだり喚いたりする声が聞こえるのです。私は、どんどんと人が行進に集まって来るという光景を、人々が思い浮かべて欲しいと思ったのです。」
ベルナール「分かります。私はそれに気がついていました。でも、いつも、それが何なのだろうと思っていたのです。ひょっとして、聞き間違いかもしれないと思っていました。
 私の友人のサイモン・ナイト君は、チョークヒルで、最新のマスタリングの技術について話していました。彼は、最新のマスタリング技術は、歌を音響的極限を超える所まで使っていて、聴覚上の「余裕の空間」を無くしている、と言っていました。」
パートリッジ「ええ、今では、エンジニア達はそのように歌を録音しますね。そう言う方向で歌を扱うのですね。それで、歌が全く動かないようにしてマスタリングをするのです。でも、それでは、歌は弱くなってしまいます。と言うのは、ダイナミクスが無くなっているからですよ。」
ベルナール「そうですね、この歌は、その反対の良い例ですね。「 Smalltown 」は、音響的には、着実に積上られていて、劇的な場面を創出しています。意図的に、貴方はそうしたのですか?」
パートリッジ「私たちは、この歌の登場人物達と町自体がどんどん膨れ上がって行くと言う印象を与えようとして、曲を組み上げるように努力したのです。だから、ミドル部分の終わりで、蒸気機関車の音を使って、そのシュッシュッと言う音を軽くフェイド・アウトにして、汽車が去って行く感じにしたのです。そうして、バン! 突然、トンネルの向こう側が見えるのです。町中の人々が巨大なパレードに加わって、ドシンドシンと歩き回っているのですよ、分かりますか?」
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2012年06月22日

パートリッジ、ベルナール対談「 The Everyday Story of Smalltown 」8

ベルナール「では、ドラムズについて話して下さい。ピート・フィップスさんですね、それで、リン・ドラムではないですね、違いますか?」
パートリッジ「うん、そう。ピートはいい仕事をしたねえ! 私たちは、ピートがドラムズだけでなく、部屋全体の音を鳴らすようにしたのです。と言うのはですね、私は、本当の行進の大きな足踏みの音の感じが欲しかったからなのです。」
ベルナール「貴方がデモ・テイクを作った時には、ドラムはプログラミングされたものなのでしょうけれど、フィップスさんはそれに基づいて…、」
パートリッジ「ええ、ピートはデモ・テイクを基の型にしてました。でも、最初から、プログラミングされたドラムズにはしたくなかったのです。私が、ドラムズをプログラミングされたものにしたかったのは、「 Train running low 」でのドラムズ・パートに於けるように、それが機械的なものを連想させる様な、曲全体を貫いて機械的であるものだけなのでした。一般の聴衆は、「 Shkake up Donkey up 」も機械でプログラミングされたものだと思っているようですが、そうではありません。あれは、ピート・フィップスなのです。ピートは、信じられないくらい素晴らしいドラマーです。」
ベルナール「ええ、正に、そうだと思います。」
パートリッジ「ピートは毎日太極拳をしていました。私たち XTC が、ある朝遣って来ると、ピートはもう居て、道具一式が揃っていて、何かをしてたのです。( 囁く声で ) 「ピートを邪魔するなよ。」「何をやってるんだ?」「何でもない、ああやって流れを作るんだ。空中に挙げた足をゆっくり動かして、ホルムズ海峡の潮流を正しているんだよ。」( 笑い ) まあともかく、ピートは、この曲では、いい仕事をしてくれました。 」
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2012年06月21日

パートリッジ、ベルナール対談「 The Everyday Story of Smalltown 」7

ベルナール「その通りですね。さて、この曲の音楽も、もちろん、歌詞と関連を持っています。歌詞の中の「 the Sally Army 」のことを話されたのですが、その[ ブラスバンドの ]雰囲気は曲の中に取り込まれているのですか?」
パートリッジ「ええ。」
ベルナール「行進曲のリズムが取り入れられていますね、それから、模造の管楽隊も…、」
パートリッジ「間違いなく模造の管楽隊です。プロデューサーのデイビッド・ロードは真に卓越した編曲家です。彼は、こう言ったのです。「ふむ、フリューゲルホーンが一管要るね、それに、トロンボーンが二管、トランペットも二管、」と楽器を並べて行ったのです。それで、私たちは言ったのです。「いいですね、でも、費用はいくらかかるのです?」 その時、私たちXTC は、費用のことで不安になっていたのだと思います。
 それで、デイビッドはこう答えました。「よし、聞いてごらん。どうすれば出来るか教えてあげよう。君がデモ・テイクで作っていたもの、あれが私は本当に好きなんだよ。あれは、ブラス・バンドにすべきものだね。もし、XTC に十分な予算がないのだったら、ブラスのサンプリングのいいものを作った人を知っているよ。」
 私はデモ・テイクでは、紙を巻いて作ったものを鳴らしていたのです。「ブラス・バンドにすべきた」と言うことで、その人こそが、私たちのプロデューサーになるべき人だと、私に分からせたのです。それで、いいサンプリングの例と言うのが、Tears for Fears だったのです。」
ベルナール「ああ、それで、アルバムのクレジットにあるのですね。」
パートリッジ「ええ、XTC は、Tears for Fears から、エミュレータとキーボードのセットを借りて、急いで共同で使う取り決めをしたのです。そして、次のようにしたのです。デイブ「よし、このメロディをやってみよう」 私「了解! そのメロディを打ち込んだぞ。」 コリン「ううん、ハーモニーも一緒にしたら?」 すると、デイビッドが「わかった、呼応するメロディを入れてみよう。」 と、このように共同でアレンジをしたのです。とても上手くいきました。模造の管楽隊については、悪い所は全然ないですね。」



 クレジットにTears for Fears の名前を、私は見つけられないのですが、
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2012年06月20日

パートリッジ、ベルナール対談「 The Everyday Story of Smalltown 」6

ベルナール「どうして、Oxo を使ったのですか?」
パートリッジ「オクソは、合衆国にはないですか?」
ベルナール「ビーフ・ブイヨンの様なものはありますけど。」
パートリッジ「同じものでしょう。一般には、髄液を乾燥させたサイコロ型の固形のものです。それを沸騰したお湯に入れて、かき混ぜるのです。それで、それを食物にかけたり、そのまま飲んだりします。ちょうど、食欲を促進させるお茶と同じですね。一種の男性精力剤だと思います。肉体労働者が言う「一杯でピンピン!」、「おいらは、猛牛の血を飲んだぜい!」ですね( 笑い )。冬の寒い日に、元気を付けるというものですね。
 次は、「 It's not that you're repulsive to see / In your brand new catalogue nylon nightie [ 最新のナイロン製寝間着カタログのあなたは、/ 見るもおぞましいわけではないです。 ]」ですね。私が子供の時に、母さん達が着ていたものです。母さん達は、朝、それを着て牛乳を取りに戸口に出るのですよ。漫画の様な蛍光色で透けて見える様な寝間着ですよね。今でも、エロティックだと思いますね。
 うちは、郵便のカタログで暮らしていた様なものです。町に出るのはかなり大変だったのです。ですから、年に一、二回、郵便で通信販売のカタログを取っていたのです。両親達が買ってしまう前に、私は下着のページを見たのです。それで、コルセットの下はどうなっているのか知りたくて。分かりますか? ブヨブヨのおなかを締め付けてるパネルの下がどうなっているかです。私の子供らしい興味は、締め付けているパネルの下でブヨブヨのおなかがどうなっているかだったのです。
 ともかく、私の母は、カタログで買った最新のナイロンの寝間着を着ていました。団地の棟続きの長家の母さん達は皆同じのを着てたのです。「 You're too fast for little old me 」と言う行ですね。進歩夫人ですからね。「 Next you'll be telling me it's 1990 」の行、私が考えたのは、子供の時の私に取っては、1990年は未来だったということです。。」
ベルナール「もちろんそうですね。そして、これを貴方がお書きになったのは、1980年代半ばなのですから、このように書いてあると言うのは、より興味深いものがありますね。と言うのはですね、違う年代のことを題材に書いていると言うことになるのですから。」
パートリッジ「ええ、私が子供の時のことですね。その時に、私の周囲に居た人たちを思い出しながら書いたのです。その時、私が考える未来と言うのは、私たち皆んなが、金星に住んでいて、木星で休暇をとって、錠剤をご馳走にしていて、背負いのジェットエンジンを背負って、銀色の身体にぴったりのスーツを着ていて、、って、貴方はご存知かなあ?
 でも、実際には、コンピューターはあるけれど、まだ1950年代と変わらないですね( 溜息 )。
 そうして、次の登場人物が舞台に登場です、町そのものです。「 I have lived here for a thousand years or maybe more / And I've sheltered all the children who have fought the wars And as payment they make love in me [ 僕は、千年、ここに住んでいる、多分、これからも、まだ。 / 兵役から逃れた子どもたちを匿ってきた、 / 子どもたちは、その返礼に僕のなかで愛を育んでくれた。 ]」。その返礼は、まったくもって、町が欲しいものなのですね。
 それで、愛し合う仕方の長いリストが続くのですね。「 In squeaky beds / In bicycle sheds / Inside of their heads / As singles and weds / As Tories and Reds / And that's how I'm fed / And that's how I'm fed 」 これが、町が人々に頼んでいることなのですね。つまり、人々が次の世代の人々を現代に創り出すということです。だって、人々が去っていなくなってしまえば、町自体も死んでしまうのですから。」
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2012年06月16日

パートリッジ、ベルナール対談「 The Everyday Story of Smalltown 」5

ベルナール「目覚まし時計のイメージを使われた理由が、今、言われたことなのですね。 この行を際立たせているのですけれど。」
パートリッジ「次ぎに行きましょう。「 We're racing the hooter that'll signal life's up / 就業時間が始まる合図のサイレンに戦々恐々としている 」と言う行ですね。工場の中では、どんな生活かなどと話す暇を、工員は持ってはいけないのです。工員は、バイクに乗ってやって来て帰りますけれど、帰る先と言うのは、「次の就業開始のサイレンが鳴るまでそこに居るだけさ。サイレンが鳴っちまえば、会社は俺らの賃金から差っ引くか、一日全部の賃金を無しにして家に追い返すかどっちかだからな、たった10分遅れてもだぜ。」なのです。遅刻などしようものなら、工場はその人達をろくでなし扱いにするのです。汽笛は、仕事が始まると言う合図なのですけれど、つまるところ、人生が始まるという合図と同じなのです。と言うのは、殆どの人が、グレート・ウェスタン工場で働いていたのですからね。それが、スウィンドンの人々の人生だったのです。
 「 Smalltown, crouching in the valley / 谷間に縮こまっていた村が 」です。ええと、私が、最初にスウィンドンに住んだ家は、「 Valley 」と呼ばれる地区だったのです。それで、「 Woken by the sally army / Sunday marchround 」はですね、大抵の日曜日は、救世軍のブラス・バンドが、辺りを行進して歩くのが習慣なのです。一週間のうちで、他の日よりも長く眠れると言うのが、日曜日ですよね。ですけれど、時には、眠れない日があるのです。だって( 笑い )、狂信的な宗教団体が、朝の天国的な時間に、町を上へ下へブラス・バンドでパレードして歩くのですからね。
 「 Smalltown, coughing in the toilet 」。おじいちゃんです。「 Who on earth would spoil it / Would they pull down Smalltown? 」はですね、ここは、上手く出来なかったと思います。意図を説明する必要がありますね。考えの一つは、スウィンドンをバラバラに切り刻むことで、町を台無しにすべきではない、と言うものです。それは空恐ろしいことです。当時、スウィンドンは、開発で細切れにされ初めていたのです。ですが、他方で、「さあ、壊してしまえ! 新たに始めるんだ。今はもう無茶苦茶だから。」という考えもあったのです。その両方の意味を持たせたかったのです。
 それで、ヴァース部分の「 If it's all the same to you / Mrs Progress 」が続きますね。これは、バート牛乳配達、バートパン配達のバートさんがこのようなことを言っていたのが頭にあったのです。演劇の中の登場人物のようですね。「 Think I'll drink my Oxo up / And get away 」。これと似たことが実際にあったのですよ。私の母は、よく、バートさんを家の中に入れて、お茶を上げていました。その時に、バートさんが言っていたのが、「ああ! これは、飲み干さなきゃいけませんねえ、奥さん。飲んだらおいとましましょう。」なのです。」
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2012年06月15日

パートリッジ、ベルナール対談「 The Everyday Story of Smalltown 」4

ベルナール「色が何であれ、蛇に似ているのは、その鱗の表面に薄く虹色の偏光を纏っていることですね。」
パートリッジ「そうですね。それが、黒なのか銀なのか灰色なのか、判然としないのですね。それで、「 he slithers / 蛇が這う」の行の後、レコードでは、漫画的な蛇の音を出すために、シェーカーを振っていると思います。
 「 Bearing up the men and boys 」が、次の行ですね。小さな子供も、当時、大人と同様に働いていたことは、ご存知ですよね。
 それで、次は、「 We're standing in poplar lines 」…、」
ベルナール「どうして、「ポプラ」なのですか?」
パートリッジ「ああ、通りには、真直ぐな通りにはですね、大抵ポプラを植えるのですよ。大陸では、そうですね、フランスでは、見かけるでしょう。ポプラの並木は、風除けになるのです。」
ベルナール「そうなのですか。私は初めてこの歌を聞いた時には、「 popular line / 一般的な詩行(?) 」に聞こえたのです。貴方達が、商業的な人気のある歌の節を作っているということの、洒落なのだと思ったのです。」
パートリッジ「あれ、あれ、あれ。違いますけれど、面白い考えですねえ。そんなことは、考えもしてませんでしたよ! 「ポプラ」、樹木です。スウィンドンの何箇所かには、ポプラの並木があるのです。それで、人々が工場で働く様子も、ポプラ並木と同じで、一直線に並んでいることが多いのです。
 それで、どこの行の話しをしていましたか知ら? 「 Making alarm clocks that'll wake our wives up 」ですね。スウィンドンでは、目覚まし時計を作ってはいなかったと思いますけれどね。私は、何か小さな物、とは言っても、いかにも機械的で同じことを反復するということを思い描かせるイメージが欲しかったのです。そして、その物を、おしまいには自分自身で買ってしまうというアイロニーの感じが欲しかったのです。どうです、芸術的な独創性を認めて下さいね。
 それから次の行は、「 Don't ask us, we haven't the time 」ですね…、」
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2012年06月14日

パートリッジ、ベルナール対談「 The Everyday Story of Smalltown 」3

ベルナール「では、歌詞についてお話し下さい。まず、「 Smalltown, snoring under blankets / Woken by the clank / It's just the milkman's dawn round. [ 小村の生活、/ 毛布に包まり鼾をかいていると、/ 金音で起こされる。/ 牛乳配達がやってきたのだ。 ] 」ですね。」
パートリッジ「blankets、clank と言うのは、とてもハリウッド的ですね。オズの魔法使いの詩文の類いですね。それで、実は、今でも、私は牛乳配達に起こされるのです。現在では、小さな電動荷車の音を聞くことが出来るだけですけどね。ヒュイジジジー・バンッと言う音です。バンッと言うのは、牛乳配達人が、遊園地のバンパー・カーに似たペダルから足を離す時に鳴るのですよ。パタンと止まるのですね。
 牛乳屋さんは、家族全員がとても親しくしている人なのです。バートと言うのです。私が子供の頃から、ずっと家に配達してくれるのです。それで、バートさんは牛乳配達を辞めたら、おかしなことに、今度は、パンの配達を始めたのです。五年前までは、バート牛乳配達だったのですが、それからの五年間、多分これからもっとの間は、バートパン配達なのでしょうね。」
ベルナール「二つの人生が一つに綴じられましたね! では、「 Smalltown, hiding under covers / The lodgers and the lovers / Are asleep 'round Smalltown.  [ 寒村には、 / 秘密組織の社員が隠れていたりもする、/ 恋人たちが眠っていたりもするのに… ]」ですけれど。」
パートリッジ「あああ、何てロマンチックなんだ。」
ベルナール「( 笑い ) 「 Shiny grey black snake of bikes / He slithers / Bearing up the men and boys / To work. 」は、どうでしょう。」
パートリッジ「いい行だと思いますね。誰かから聞いたのです。グレート・ウェスタン工場の「退社時間」になると、ものすごい量のバイクが出て来るのです。と言うのは、自動車を持っている人は、当時は、少なかったからですね。それで、誰かがそれを、「バイクの巨大な蛇の様だった。」と言っていたのです。でも、私は、本当に黒かったのだろうかと、訝ったのです。それで、ずっと考えて、灰黒だったのではないかと推量したのです。それで、結局は、Shiny grey black snake of bikes としたのです。」
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2012年06月13日

パートリッジ、ベルナール対談「 The Everyday Story of Smalltown 」2

ベルナール「では、「スモールタウン」に戻りましょう。これは、スウィンドンについての…、」
パートリッジ「ええ、スウィンドンについて、そして、スウィンドン自体を歌った歌です。注目して欲しいのはですね、ミドルエイト( ブリッジ ) 部分です。そこで、歌い手は、町そのものになっているのです。」
[ I have lived here for a thousand years or maybe more
And I've sheltered all the children who have fought the wars
And as payment they make love in me
の所。
ヴァース、コーラス部分では、歌い手 ( 発話者 ) が町を叙述するので三人称になっているけれど、
ブリッジ部分では、一人称に変わっている。 ]
ベルナール「歌の一番美しい部分ですね。私はそう思います。私はこの歌の歌詞にとても魅力を感じています。」
パートリッジ「そうですね、歌詞がこの歌の力になっています。「 Red 」と反対の例ですね。「 Red 」では、歌詞は無意味で、騒音が曲の力になっていますから、楽しい「”騒”音の風景」と言うわけですね。でも、この「スモールタウン」には、歌詞の力があります。」
ベルナール「当時、貴方は、作詞家としては、どこに由来を持っていたのでしょうか?」
パートリッジ「この歌を今日聴いたのですけれど、ディラン・トーマスまがいのものがあるな、と思いました。この歌を書いた頃、私は、『 A Child's Christmas in Wales 』と言うトーマスの本を読んでいたのです。多分、そうだったと覚えています。私は、エドワード・アーディゾーニ Edward Ardizzone が挿絵を描いている版を持っていました。アーディゾーニは有名な装丁家ですね。とても楽しく読んだのです。トーマスの言葉を紡ぐやり方が、私は好きなのです。それは、各言葉が、それぞれ影響し合うと言うやり方です。私も、そのやり方を、何度も何度も試してみたのです。ですから、「スモールタウン」の歌詞の中にも、ディラン・トーマス的調べが少しですけど、あるのだと思います。自惚れに聞こえるかもしれませんけれどね。」
ベルナール「いいえ、そんなことはまったくありませんよ。私は、この歌詞を読む度に、驚嘆すべきイメージの喚起力、奥深さに、改めて気付くのです。私が、グラハム・フェローズと彼が演じる役のジョン・シュットルワース John Shuttleworth が好きだと言うことを、以前に話した時に、彼は人々をからかっているのだけれど、同時に、彼は人々に共感を感じているのだ、と話されました。」
パートリッジ「ええ、あれは愛情ですね。」
ベルナール「本当にそうですね。それで、貴方が歌詞に「 coughing in the toilet / 便所で咳き込んでいる 」と書く時も、シュットルワースの「ふむ、皆がやっていること、それは全部、我らはもうしてしまったことだ。」と同じですね。」
パートリッジ「ええ、歌詞の多くは、私の祖父のことなのです。父方母方両方の祖父です。( 映画『ア・ハード・デイズ・ナイト』の主人公ポールを真似て ) 「だってさ、だれだって、ふたりの人をおじいちゃんて呼ぶだろ、そうだろ?」( 笑い ) 祖父の一人は、人生の大半をグレート・ウエスタン鉄道で働いたのです。グレート・ウエスタン鉄道は、スウィンドンのウォル・マートの様なものだったのです。誰もがそこで働いていたのです。」
ベルナール「スウィンドンは、企業城下町だったのですね。」
パートリッジ「ええ。相当の人数、町の三人に二人は、グレート・ウェスタンで働いていたと思います。工場は、高い壁の向こう側にあったのです。それで、町の人は誰もが、工場を「内側」と呼んでいました。「お前、どこで働いてんだい?」「おら、内側だ。」と言う風にです。
 それで、私の母方の祖父は、グレート・ウェスタンで長年働いたのです。この歌に登場する人物の一つの面になっているのです。それで、その人物のもう一面は、私の父方の祖父で、彼は、公営団地の小さな平屋のトイレの中で巻煙草を巻いて、咳き込んだり、空咳をしたりするのです。祖父たちは、線路に近いロッドボウン Rodbourne に住んでいたのです。小さな家屋で、トイレは外でした。それで、トイレには、三日月型の明かり取りがくり抜いてあるのですよ。貴方はご存知ですか?」
ベルナール「屋外トイレですね、知っています。」
パートリッジ「で、祖父はそこに座って、咳をして痰を切るのですね。私に取っては、それが、スウィンドンの音の風景の一つなのです。もう一つのスウィンドンの消えることのないの音は、グレート・ウェスタンの工場が労働者を呼び込むために鳴らす汽笛です。それを、私たち XTC は、遂に、長年鳴り続け、最後の日となったその汽笛を録音して、「 The Meeting Place 」で使ったのです。」
ベルナール「「 coughing in the toilet 」について貴方が語られる印象は滑稽ですね、同時に、いかにも平民的ですね。私は、「 coughing in the toilet 」と「 woken by the Sally Army Sunday marchround 」は、土曜の夜に遅くまで遊び耽ったせいで、吐き気がしているのだと、ずっと思っていました。」
パートリッジ「おや、それは違いますね。祖父がトイレで巻煙草を作っているのです。それは、音の風景なのです。その音で祖父が何処にいるのか分かるのです。トイレに煙草を持って入っているのが分かるのです。一時間程後に、トイレに入ると、まだ、巻煙草の匂いがするのです。」




Edward Ardizzone が挿絵を描いた Dylan Thomas の『 A Child's Christmas in Wales 』:

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2012年06月08日

パートリッジ、ベルナール対談「 The Everyday Story of Smalltown 」1

 ベルナールさんとパートリッジの対談、「 The Everyday Story of Smalltown 」について。
2008年2月18日公開のもの、
http://www.myspace.com/xtcfans/blog/358807019





ベルナール「さあ、「 The Everyday Story of Small Town 」についてお話し下さい。小さな町への讃歌を貴方に書かそうとしたものは何なのですか?」
パートリッジ「しばらくの間、この歌を聴くことはなかったのですが、今日、これを聴いて、ある結論に達しました。こう言うことです。『 The Big Express 』当時、私は、ある面、徹頭徹尾スウィンドンについてのコンセプト・アルバムを創りたいと言う願望の中にあったのだ、と、今は思うのです。私がスウィンドンの町で得た物、私のスウィンドンの町での生活、そして、スウィンドン自体の歴史、それらを含めた、徹底したコンセプト・アルバムです。このアルバムを『 The Big Express 』と名付けた理由は、そう言う考え方からだったのだ、と思います。たぶん、コンセプト・アルバムと言うことを隠したコンセプト・アルバムなのです。ですから、「 Train running low 」と言う曲があり、「 The Everyday Story of Small Town 」と言う曲があり、私の父の経験から受け継いだ「 All You Pretty Girls 」と言う曲があり、当時、冷戦に首まで使っていると言う状況下での核のハルマゲドンへの私の個人的な恐怖を書いた曲があり、マネージャーとの関係を書いた「 Liarbird 」と言う曲があるのです、それらは全て、私の自伝的な内容なので…、」
ベルナール「それから、「 Red Brick Dream 」もですね。」
パートリッジ「「 Red Brick Dream 」は、徹頭徹尾スウィンドンですね。コリンの「 Wash away 」は、ペンヒル公営団地の生活を歌ったものです。やはりコリンの「 I remember the Sun 」は、公営団地に接した、そこで私たちが遊んでいた公園を歌っています。どの点から見ても、『ビッグエクスプレス』は、コンセプト・アルバムとはこう言うものだと多くの人が考えている様なものより、もっとずっと、コンセプト・アルバムらしいものなのです。でも、私たち XTC は、これをコンセプト・アルバムとは、全然言いませんでした。ですから、『ビッグエクスプレス』は、反『 Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band 』なのです。『サージェント・ペッパー』は、誰もがコンセプト・アルバムだと看做しています。でも、そうではないのです。それで、『ビッグエクスプレス』をコンセプト・アルバムと看做す人は誰もいません。でも、本当はコンセプト・アルバムなのです。」
ベルナール「貴方がそう言われるのを聞いて、とても興味深いです。と言うのはですね、私は、何かが続いているように感じていたのです。特に、『 Mummer 』とは対になっているように思えるのです。二つのアルバムは、私には、一つのコインの表と裏のようです。一つは田園で一つは都市で…、」
パートリッジ「その通りですね。コリンと私が住んでいたペンヒル公営団地なのです。今のではありません。いまでは、建物が覆いつくしていますから。でも、以前のペンヒル団地は田園地帯に突き出ていたのです。団地に最初に建てられた家に、私は住んでいました。Latton Close 通り[ Latton Close, Penhill, Swindon ]です。うちの庭の6メートルばかり向こうは農場でした。垣根を飛び越えて、農場や小川やそのようなものの中を歩き回ることができたのです。コリンも同様でした。私たちは、よく野原に行ったのです。それで、ショット・ガンで撃ったり、手荒いことをする農家の子供に追い払われていたのです。」
ベルナール「でも、本当に撃たれたのですか?」
パートリッジ「撃たれたかどうか、はっきりとは覚えていません。脅かされたこと、農家の子供がショットガンを振り回していたことは覚えていますけど。周りの人たちは、散弾で撃ったのだと、私に言っていましたけど。農家の子供は、公営団地のクズ野郎が自分たちの畑地を通っていくと思うだけで憎々し気に感じていたのですね。「奴らが、俺たちの森や俺たちの土地で図々しくも遊ぶ法があるもんか。」と思っていたのですね。」
ベルナール「成る程、ですけれど、貴方達は、畑の作物やその他のものに損害を与えてはいなかったのですね。ただ、遊んでいただけで。」
パートリッジ「そうですよ。小枝を摘んで弓と矢を作ったり、曲げて隠れ家を作ったりですね。ああ、秘密の小屋ですよ。子供には大きく思えましたね。」
ベルナール「それで、あの歌が出来るのですね。[ 『 Skylarking 』に収録されなかった「 Let's Make a Den 」 ]」
パートリッジ「ええ。ああ、あれは、大人になる練習だったのですね。」




現在のLatton Close の突き当たり辺りを、Googleストリートビューで、

スクリーンショット 2012-06-08 18.56.55.png
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2012年04月19日

クレセント・スタジオ跡

 パートリッジが、ツィッターでMark Arbury と言う方と会話をしていて、クレセント・スタジオについて話していました。
Do you know where CRESCENT was? Next to chapel that is now small gig/gallery.Corner building.
http://twitter.com/#!/xtcfans/status/192679947985354752

 この会話から、クレセント・スタジオのあったと思われる場所を、グーグルマップで探して、ストリート・ヴューで見てみました。
違うか知ら? 違うかも。


大きな地図で見る

スクリーンショット 2012-04-19 22.58.37.png



上の写真の角から、小路を入った奥の突き当たりの建物、
こちらの方が、これまで、写真で見たスタジオに近いような気がします。

スクリーンショット 2012-04-20 15.44.06.png
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2011年12月23日

Kicks YOUR ass?

 APE Forum に投稿されていた、Jeff Truzzi さんの「 Shake You Donkey Up 」の解説


Dec 21 2011, 12:14 AM


Kicks YOUR ass?

To quote Andy Partridge quoting Josef Stalin:
Quantity has a quality all its own.

The music director for the Ringling Brothers Barnum & Bailey Circus told me that the admission price only pays the overhead:
ALL of the profit is in the concessions, programs, etc.

And the very first online disagreement and music theory discussion I ever had was praising "Shake You Donkey Up" on the Idea forum.
Someone challenged me by saying come on, it's just a country song.
I said right: the only country song you'll ever hear with a 13th chord in it.
Then he asked what a 13th chord was. (Big mistake.)
I said it's actually A9 on guitar, but Andy's voice on 'girl' slides from A up to F# - which is the 13th of a dominant 9th chord.

See how beautifully I brought this back around?
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2011年12月13日

You're The Wish Chords

 APE のフォーラムに、パートリッジが掲載した「 You're the Wish (You Are) I Had 」のコード:


Dont know the names of most of them but eyes down for a half full house..........

opening and verse shapes

87OO88 "what was I supposed to do..." =???
797877 "simply was there...." = B7

870088 to B7 again then into chorus

079999 "you're the wish you.." = E6
069999 "are I ..." =???
577655 " had...." =A
799877 =B

around twice,then

079999 "your'e the wish that..." =E6
069999 "I had." =???

244322 "little did I know..." = Gb
42444x "rainy day..." =???
64444x "all the little..." =???
74444x "put away..." =???

870088 "you..." =???
13/12/00/13/13 =??? but as you can see i'm past the octave now
15/14/00/15/15 =???

is this making sense folks?

Then the middle bit...

688766 "if wishing is..." =Bb
557575 "bad bad bad..." =D7
464544 "then send me to... =Ab 7/6 ?
133211 "hell..." =F

repeat again,into the {ahem} solo ha ha

x8/10/10/10/10 under solo
x6/10/10/10/10

back into repeat chorii

This is pretty much what i'm playing.Dave on piano/keys and guitar,don't ask? Colin too? Have fun folks.


2011年12月12日
http://ape.uk.net/forum/index.php?s=ce3d8ee73651bda94d8a509e6447ee92&showtopic=1122&pid=19619&start=0&#entry19619
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2011年09月14日

古風な音楽劇のような

 この数日、『 THe Big Express 』を聞いています。発表当時は、David Lord による最新鋭の音、鋼鉄のイメージのエレクトリック・ギターの音が印象に残っていました。ところが、今、このアルバムを聴くと、全く違う印象を、私は受けるのです。例えば、最も鋼鉄的でエレクトリックの爆音と思われていた「 Train Running Low on Soul Coal 」でさえ、エレクトリックな音の印象は後退して、バンジョーにも聞こえるギターの音が耳に残るのです。
 それは、これまで、私がアルバムに抱いていた疑問と関係あるのかもしれないと思います。と言うのは、パートリッジのこのアルバムについての言及「前作とは違い、エレクトリック・ギターのアルバムにしたかった。スウィンドンをテーマにしている。」と、実際のアルバムとの違和なのですけれど。
 「 All You Pretty Girls 」「 Seagulls Screaming Kiss Her, Kiss Her 」は、スウィンドンとは関係無いように思えますし、その二つの歌と「 You're the Wish You Are I Had 」「 The Everyday Story of Smalltown 」は、硬質なエレクトリック・ギターとも合わないように思えていました。
 それらは、どれも、パートリッジの歌で、彼特有の演劇的な構成を持つ歌です。それを、XTC と言う要素を外して、旋律、和声、構成、歌詞を読んでみると、古風な音楽劇の様相を見せるように思えます。劇的と言っても、ミュージカルのように大きな構成を持ったものでなく、短い落し話のようなものです。小さなミュージック・ホールで、旅回りの楽団が見せるような、ちょうど、アガサ・クリスティーの『 Sleeping Murder 』に出ような、劇仕立ての歌です。第二次世界大戦前かも知れない頃の歌、という印象なのです。
 その時代と言うのは、パートリッジが惹かれているモダンの時代でもあります。音楽はと言えば、無調の十二音技法はまだ普及せず、マーラー風の、あるいはジャズ的な、飽和状態に近い和声を用いていた頃です。それも、パートリッジの好みに近いように思えます。
 そう言う、過飽和な規範を越えてしまうような傾向を、パートリッジは、鋼鉄な轟音的なエレクトリック・ギターと思ったのではないか知ら、と、今は思うのです。
( 私たちが、XTC にビートルズ的なものを感じると言う時、実は、ビートルズにもあった、前時代的な濃密な感覚を聞いた時に、そう思うのではないか知ら? )
 この夏、私は、『 L'Illusionniste 』と言う、フランスのアニメーション映画を見ました。フランス映画なのですが、舞台はイギリス。パリでは流行らなくなった奇術師がイギリスに渡り、そこでもやはり、時流から遅れたものとして捨てられてしまうという物語でした。時代は、1960年頃の設定。その奇術師の仕事場が、小さなミュージック・ホールなのでした。そのミュージック・ホールにも、ロカビリー・バンド ( ある意味、ビートルズの比喩 ) が現れて、奇術師の仕事を奪うのですけれど。『 The Big Express 』の歌は、その追われてしまった、奇術師やジャグリング芸人、曲芸師達にこそ、合うようなものなのではないか知ら、そう思うのです。
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2011年01月03日

Train Running Low on Soul Coal 訳

 パートリッジの「 Train Running Low on Soul Coal 」。

 この歌は、列車が歌っていると言う設定です。機関車トーマス風? ですので、「 Shake you Donkey up 」同様に、不正確な英語なのだと思います。

 「 dreamsvill 」と言う語、アメリカの南西部で地名に使われる、- ville ( Nashville のような ) を使った言葉遊び。

 余計な感想ですけれど、この歌詞、まるで次の『 Skylarking 』のセッションの苦難を予言している様にも思えます。


拙訳です





ぼくは列車、たましい石炭でのろのろ走る。
人間たちが押したり引いたりするのは操縦するため、ぼくは機関車。
人間たちはそんなことしちゃいけないよ、いやだ、いやだ、いやだ。
そんなことしないでよ。

ぼくは列車、ゆめ蒸気でのろのろ走る。
人間たちは警笛を強く引っ張る、ぼくに悲鳴を上げさせるため。
でも、人間たちはそんなことしちゃいけないよ、いやだ、いやだ、いやだ。
そんなことしないでよ。

ぼく思うんだ、冬の間は南に行こうって。
ぼく思うんだ、内奥寒地にいたら気が塞いでしまうって。
ぼく三十歳、若者でないし、年寄りでないし、その間。
ぼく犬ころ、言われたことをする。
でも、ぼく、もう石炭はないと言われた。
古くなった機関車にはないって。
ぼくは列車、たましい石炭でのろのろ走る。

ぼく思うんだ、冬の間は南に行こうって。
ぼく思うんだ、西に行こうって、そこなら、ぼくの最高速度、
這うほどになるから。
ぼくの線路はまっすぐ。壁に向けてまっすぐ。
人間たちは、その壁に古い機関車をぶつける。

ぼくの世話をしてくれる人たち、みんな出て行った。
想像力は梱包されて送り出された。
だから、ぼくが血を流している傷がどこなのか、ぼくは分からない。
傷は留めねじじゃないかな、割れてるんじゃないかな。

ハンマーが振り下ろされる。
全車輪のブレーキが金切り声を上げる。
ぼくとからっぽのニ両の客車は、
まだ、丘を滑り降りている。
次の停車駅は、生憎、ドリームス・ヴィルだって。

ぼく思うんだ、冬の間は南に行こうって。
ぼくは列車、たましい石炭でのろのろ走る。
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2010年12月05日

I Remember the Sun 訳

 ムールディングの「 I Remember the Sun 」。

 「 golden sand 」と言う語からは、次のアルバム『 Skylarking 』のパートリッジの「 Summer's Cauldron 」が連想されます。

 「 Yes I'm sleeping, my mind's on the blink 」、『失われた時を求めて』的なのか? そんなこともないのでしょうけれど。

 at the drop of a hat は、without hesitation or good reason の意味ですけれど、hot との連想も働いているのかもしれません。


拙訳です、




原っぱで、日に灼けて黄金に輝く砂と同じほどに熱くなって、
僕らは何時間も遊んだんだ。
僕はあの日々に思いを馳せているんだ、僕らには
とてつもない力があったあの日々に。
そう、眠っている間には、僕の心は明滅する思い出に乗っているんだ。
そう、それは、パラパラと捲られるインクで書かれたページのように思えるんだ。
僕は遠い日々のことを思い出す、
たくさんのことが思い出されるんだ、でも、
何よりも、太陽を思い出す。

太陽を見つめようと細めた両の目を突き抜けて、
火の玉が脳の中に留め付けられたんだ。
道路のターマックは柔らかくなってしまい、
籾殻は燃えて煙の壁に塗り込められる。
そう、僕は泣いているんだ、涙が込み上げて来る、
何の訳もないのに、感傷的になってしまうんだ。
学校に通っていた日々を思い出すと、そうなるんだ。
僕は遠い日々のことを思い出す、
たくさんのことが思い出されるんだ、でも、
何よりも、太陽を思い出す。

太陽は始終照っていた、
僕らの身体に力を注ぎ、僕らの心を燃え立たせたんだ。
けれども、日焼けは、すぐに消えてしまう。
道路の上で水のように見える陽炎の熱が消えるのと同じに。
何よりも、太陽を思い出す。
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2010年11月28日

You're the Wish You Are I Had 訳

 パートリッジの「 You're the Wish You Are I Had 」。
 歌詞は、「 Rocket from a Bottle 」に通じる部分もありますし、「 Ballet for a Rainy Day 」「 Stupidly Happy 」に通じる部分もあるように思えます。

 歌が作られた順はわからないのですが、この歌、ムールディングの「 Washaway 」に合わせたのかもしれません。

 「 I'm going off my head 」というところは、面白く思いました。頭が外れて、飛び出すと言うのは、戯画的で、パートリッジの好みなのだと思います。
 林檎を食べさせる、と言うのは、創世記の神話からでしょうけれど、一二杯飲ませると言うのが分かりません、何かの神話か説話でしょうか? パートリッジの好きな『フランケンシュタイン、あるいは現代のプロメテウス』から?

 「 What was I supposed to do? 」、最近のニュースでは、十代の黒人少年を射殺した六十代の婦人の言葉に、この用法がありました。武器を手に金を脅し取ろうとしいた少年に対して、この言葉を使っていました。過去に自分が採った行動の他に措定出来る行動があっただろうか、自分には考えられなかった、と言う趣旨で使われている用法です。
 この歌でも、「どうすればよかったんだろう?」と読む方が自然なのかもしれないのですけれど。自分が創り上げた幻想が、眼前に現存しているのを見た驚き、と言う感じを出したいと思いましたので、自分がしていたことさえ、わからなくなった、という風に読みました。


 拙訳です



一体僕は、何をしようとしてたんだ?
僕は世界を廻り歩いた、そしたら、ただ、彼女がそこにいたんだ。
僕の血は、ほとんど氷のようになったよ。
彼女は君の顔をしていた、君の唇だった。
それに、君の目だったし、君の髪だったんだ。

君は、僕がずっと抱いていた願望だと言うのに。
君は僕の願望なんだ、僕が抱き続けていた妄想。
君は僕の望みの投影なんだ。

僕が造り上げたものだって、彼女がわかっているかどうか、僕にはわからない。
僕は彼女に林檎を食べさせて、
それに、ほんの少し飲ませたんだけど。

願望、願望、僕の願望、
願望、願望、僕の願望が、君へなだれこむ。

一体誰が信じるだろうか?
僕が、思いで天使を地上に降ろした、何て言ったとしたら。
誰もが、僕が頭を吹き飛ばした、って思うだろう。
彼女は、僕と同じバスに乗り、後ろに座ったんだ。

君は、僕がずっと抱いていた願望だと言うのに。
君は僕の願望なんだ、僕が抱き続けていた妄想。
君は僕の望みの投影なんだ。

雨の日にこんな事が起こるなんて、少しも知らなかったんだ。
僕が前に捨てちまった望みの欠片が全部集まって、
君になるだろう、なんて知らなかったんだ。

願望、願望、僕の願望、
願望、願望、僕の願望が、君へと結晶する。

ああ、でも、思い焦がれるのが、君の迷惑ならば、
そう、僕を地獄へ落としておくれ。
いや、もし、君が僕の願いを持ち帰ってくれたなら、
この冷たい世界は、程よく火照るだろう。

僕がずっと抱いていた願望、それが君なのだから。
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2010年11月21日

Reign of Blows (Vote No Violence!) 訳

 パートリッジの「 Reign of Blows (Vote No Violence!) 」。


拙訳です。



暴力の時代、
暴力の領国、
暴力の作用が、人々の肩に滝のようになだれ掛かる。
あまりの大勢の男たちが兵士の装いをさせられた、
一方で、神の子羊は地中に曳き行かれた。
冠の重みが被さる地面の下。
それは、苦難と蛮行の冠なのだ。
それは、鉤十字と金槌と、
余計者だけを刈る円鎌のシンボルなのだ。

暴力の支配、
暴力の領国、
暴力の時代が、革命の嵐に先だって始まる。
人々には、解決の余地がない。
そのために、拷問が頭を擡げるのだ。
青と白と赤に飾られた星条旗、
鉄の処女が荒々しく打ち壊す。
共和国が炎上する光を半面に受けて、
ヨシフ・スターリンはまるでアンクル・サム ( 合衆国 ) そのままだ。

暴力の時代、
暴力の領国、
暴力の波流がアベルの亡骸を流してしまった。
そして、カインが世界中のバベルの王になったのだ。
だけれども、君がカインを彼の車で殺してしまい、
テロリスト口調で話すとしたら、
私は、君がどのような人間であるかは問題にはしないんだ。
覚えておいて欲しい、暴力は、黒の女王が王座に帰るのに、
賛成票を入れるだけだ、ということを。
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2010年11月19日

I Bought Myself a Liarbird 訳

 パートリッジの「 I Bought Myself a Liarbird 」。

 歌詞の内容はともかく、使われている言葉、rain、summer、は、次のアルバム『 Skylarking 』の核になるイメージのようなのですが。


拙訳です。
最初の On an average English …と、最後の On an average English …、違うように読んでみました。最初のは、物語の始まりのかんじがあるようなので。


僕は自分で、「ライヤーバード」とか言うのを買ったんだ。
ライヤーバードはやって来て、僕はガブガブ飲んで、ベロベロになったんだ。
嘘がパラパラ降り注ぐ、雨のように、
それは、ありふれた英国の夏の午後のことだった。

僕は自分で、一冊のノートを買ったんだ。
ギターの腕を磨いて、下見に行ったんだ。
ライヤーバードの真似た触れ太鼓の通りの仕事かどうか。

ライヤーバードが自分から言ったことはただ、
「オレはオマエを有名にできる。」
言ったことはただ、
言ったことはただ、
「誰でも知ってる名前にできる。」
それだけなんだ。

「思うに、セカイはオマエのもの。
オマエがあると思うもので出来ている。
ウソかマコトかどうか、
オマエの聖書でわかるだろう、
そうでなければ、このレコードの裏スリーブで。」

僕は自分で、ライヤーバードを一羽買ったんだ。
ものごとはドンドン滅茶苦茶になるんだ。
ライヤーバードは、カッコーカッコーとだけ繰り返すアホーになって、
僕がやるもの全部を飲んで膨らんだんだ。

僕は自分で、大失敗を買ったんだ。
ライヤーバードはガツガツ喰って、ブクブクになって、止まり木を折ってしまったんだ。
そうなって、僕らは気が付いたんだ。
ライヤーバードは、自分では飛べない鳥だったんだ、って。

ライヤーバードが自分から言ったことはただ、
「オレはオマエを有名にできる。」
言ったことはただ、
言ったことはただ、
「誰でも知ってる名前にできる。」
それだけなんだ。

「思うに、セカイはオマエのもの。
オマエに返すものはない。
ウソかマコトかどうか、
オマエの祈禱書でわかるだろう、
そうでなければ、コーンフレークの箱の側面で。」

僕はライヤーバードを追い出したんだ。
酒は一杯ちょっとだけど、それ以来、僕は分かっているんだ。
真実は輝いている、
いつもの英国の冬の午後の陽のように、って。
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Lyrabird

 パートリッジの「 I Bought Myself a Liarbird 」、

Liarbird は、Liar - bird 、嘘・鳥なのでしょうけれど。
Lyrabierd と言う鳥がいます。オーストラリアの固有種です。コトトリ ( 琴・鳥 ) 。物まねがとても上手な鳥です。


 BBC のドキュメンタリーのビデオがYouTube に。



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The Lie

 パートリッジの「 I Bought Myself a Liarbird 」の歌詞に、The lies falling out like rain と言う行があるので、関係ないのですが、
Sir Walter Raleigh の詩「 The Lie 」を備忘しておきます。


Go, Soul, the body's guest,
Upon a thankless errand;
Fear not to touch the best;
The truth shall be thy warrant:
Go, since I needs must die,
And give the world the lie.

Say to the court, it glows
And shines like rotten wood;
Say to the church, it shows
What's good, and doth no good:
If church and court reply,
Then give them both the lie.

Tell potentates, they live
Acting by others' action;
Not loved unless they give,
Not strong but by a faction.
If potentates reply,
Give potentates the lie.

Tell men of high condition,
That manage the estate,
Their purpose is ambition,
Their practice only hate:
And if they once reply,
Then give them all the lie.

Tell them that brave it most,
They beg for more by spending,
Who, in their greatest cost,
Seek nothing but commending.
And if they make reply,
Then give them all the lie.

Tell zeal it wants devotion;
Tell love it is but lust;
Tell time it metes but motion;
Tell flesh it is but dust:
And wish them not reply,
For thou must give the lie.

Tell age it daily wasteth;
Tell honour how it alters;
Tell beauty how she blasteth;
Tell favour how it falters:
And as they shall reply,
Give every one the lie.

Tell wit how much it wrangles
In tickle points of niceness;
Tell wisdom she entangles
Herself in overwiseness:
And when they do reply,
Straight give them both the lie.

Tell physic of her boldness;
Tell skill it is pretension;
Tell charity of coldness;
Tell law it is contention:
And as they do reply,
So give them still the lie.

Tell fortune of her blindness;
Tell nature of decay;
Tell friendship of unkindness;
Tell justice of delay:
And if they will reply,
Then give them all the lie.

Tell arts they have no soundness,
But vary by esteeming;
Tell schools they want profoundness,
And stand too much on seeming:
If arts and schools reply,
Give arts and schools the lie.

Tell faith it's fled the city;
Tell how the country erreth;
Tell manhood shakes off pity
And virtue least preferreth:
And if they do reply,
Spare not to give the lie.

So when thou hast, as I
Commanded thee, done blabbing--
Although to give the lie
Deserves no less than stabbing--
Stab at thee he that will,
No stab the soul can kill.
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2010年11月18日

Summer afternoon

 パートリッジの「 I Bought Myself a Liarbird 」の歌詞に、an average English summer's afternoon と言う言葉があります。

 直接関係しているとは思わないのですが、小説家 Henry James の言葉に、
「 Summer afternoon... to me those have always been the two most beautiful words in the English language. 」と言うものがあります。たぶん、Henry James が アメリカの小説家 Edith Wharton に送った手紙の中の文、確かめてはないのですが。
 Henry James はもうすでに大成していた時に、これから文学の世界に出ようとしていた Edith Wharton が彼に作品を送って批評をもらったと言うことです。James は、若い Wharton の才能を高く評価したと言うことです。
posted by ノエルかえる at 19:33| Comment(0) | TrackBack(0) | The Big Express | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年11月14日

This World over 訳

 これは、チョークヒルのサイトの歌詞を元にしました。

蛇足:『 When the Wind Blows 』がアニメーション映画になって公開されたのは、1986年なので、この歌よりも後です。絵本の出版は、1982年なので、この歌よりも前です。

拙訳です。



ああ、それはつまり、この世界は終わってしまう、と、あなたは言われるのですね。
そうしてつまり、次の世界が始まるのだと。

そうなった時、あなたはこれまでのどんな母親もそうしていたのと同じように微笑むでしょうか?
双子の新生児に産湯を使う時にですよ。
そうなった時、あなたはミサイル戦のことを子守唄に歌うのでしょうか?
異常な数の手足を拭いてやる時にですよ。

なのに、あなたは、この世界は終わってしまう、と言う。
そうして、次の世界が始まる、と言う。
ああ、この世界は終わってしまう、と、
あなたは言いながら、悲し気に笑い顔を作るのですね。

そうなった時、あなたは、遠くなり神話の国と化してしまった
この世界のことを子供たちに語り聞かせるのでしょうか?
そして、顔が知られた指導者のことも?
そしてまた、庭ではもう何も生えない理由を教えるのでしょうか?
この世界が終わってしまったのは、
その指導者が箍の外れた競争に勝ちたいと思ったからなのだ、と、教えるのでしょうか?

そうなった時、あなたはこれまでのどんな父親もそうしていたのと同じように微笑むのでしょうか?
子供たちと一緒の日曜のハイキングの時にですよ。
そして、あなたと子供たちは、どこまでも続く瓦礫の堆積に行き当たり、
子供たちは、「ロンドンって、どんなの?」と、聞くでしょうね。

あなたは答えるのです、「ああ、無くなった世界だよ。」と。

そして、あなたは、遠くなり神話の国となってしまった世界のことを教えるのでしょうか?
どうやって、御子が聖母の元にやって来たかと言うことも。
そして、あなたは子供たちに教えるのでしょうか?
世界の上のすべてのものを人間が殺してしまった理由を。
そして、非難も退けられると言うのでしょうか、人間は御子の名の下にしたのだから、と。

この世界は終わってしまう、
そのように思えるのです。
この世界は終わってしまう、
続いた夢の終わりなのです。

この世界は終わって、消えてしまう。
posted by ノエルかえる at 13:41| Comment(0) | TrackBack(0) | The Big Express | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年11月11日

Seagulls Screaming Kiss Her, Kiss Her 訳

 これはかなり以前に訳していて、私のコンピューターに残っていたものです。もう投稿していたと思っていたのですが、無いようなので。
 改めて、検討はしていません。

追記:
 この歌の彼女には人魚のイメージがあります。つぎの『 Skylarking 』の「 Mermaid Smiled 」に繋がるかしら?


浜には雨が降っている。
彼女が躙り寄ってくるけれど、僕には届きはしない。
並ぶ波は、描かれてしまったように動かない。
鷗たちの渦巻く声。

軍艦色の海、
空ろな波音を立てて、退いてゆく潮。
翳った波打ち際は、眠気を誘う。
鷗たちの渦巻く声、
「決めろ、決めろ」

桟橋ではためく旗には、
一体全体、お前が待つ訳は、と、綴られている。
霧が目の前のものまで隠してしまったけれど、
彼女が近づくのは見える。

腰を降ろそうにも、デッキチェアは白布の下。
吟遊詩人の口上に縋ろうにも、それは空ろな救命胴衣。
彼女の髪には潮の香が残っている。
鷗たちの渦巻く声、
「決めろ、決めろ」

躊躇う者は逃す者

彼女を望むのなら、
手を取って告げなければ、
躊躇っていたら、11月まで躊躇っていたら、
11月には、もう事は決まっている、
彼女は砂へ還るのだ。
少女のままに留めておかなければ。

君の外套好きだよ、と、僕は言う。
彼女の有り難うが、僕の心を牽き揚げる。
僕は、彼女の言葉が聞き取れない、
鷗たちの渦巻く声で。
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2010年11月07日

All You Pretty Girls 訳

 パートリッジの「 All You Pretty Girls 」。

 歌詞の中の 「 when I'm fathoms asleep 」で使われている fathoms 、海の深さを測る単位で、 1 fathom は、約1.8メートル。日本語の尋が六尺で、ほぼ同じです。
 普通、形容詞には使いません。ここでは、複数形のようでもあるのですが、所有格のようでもあって、よく分かりません。複数形なら、数ファゾムの深さの眠りでしょうし、所有格なら1ファゾムの眠りです。
 どちらにしても、深い眠りではないのだと思います。1ファゾムの眠りとすると、船員用の狭い船室の寝床を想起させます。

 「 the salt sea rolling 」の salt sea は、塩辛い海の水と言うことなのだと思います。ですけれど、死海と読むと、想像が広くなるので、そうしてみました。



拙訳です、



なァ友よ、ひとつ頼まれてくれるカ、
なァ友よ、おいらが海で死んだらヨ、
なァ友よ、ちょっとしたボヒメイを書いてくれヨ、
そいで、それを流してくれヨ、聞いとくレ、こう書くんだヨ。

「幸あれ、幸あれ、ベッピンさんたち皆々に。
港そばの、田舎娘に町娘、皆々に。
幸あれ、幸あれ、ベッピンさんたち皆々に。
浜辺で海を見て待っている娘たち、皆々に。」

「幸あれ、幸あれ、ベッピンさんたち皆々に。
港そばの、もの静かな娘におしゃべり娘、皆々に。
幸あれ、幸あれ、ベッピンさんたち皆々に。
浜辺で海を見て待っている娘たち、皆々に。」

おいらは思い出すんだ、娘の振る白い二の腕をヨ、
ゆれゆれて目まぐるしく変わる海の
その蒼海原の波頭を見るとヨ。
おいらは思い出すんだ、毎晩、一尋の深さの眠りの底で、娘をヨ、
夢の中ではヨ、
おいらと娘は同じにゆれたんだヨ。 ギシギシ

おいらは見当つけてるんだ、娘の頬にヨ、
吹き荒ぶ死海の水が飛んでよ、真珠の涙になったんだろうってヨ。
おいらが港を出港した、あの日のことヨ。
おいらは恋しいんだ、娘の拡げた温いシーツがヨ。

ナンカもっと言おうと考えるにはヨ、
おいらは、まだまだ、飲まにゃいけまいヨ。

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2010年11月04日

Wake Up 訳

 ムールディングの「 Wake Up 」。

 代名詞の you を、「ぼく」にして読んでみました。
 第三連の瀕死の男と、 you 「ぼく」は、同じ人間かもしれません。


拙訳です、

「起きなさい!」の声

洗濯のしてないシャツの中のきれいなのを着て、
そのまま、ぼくは、ふらつきながら階下に降りる。すると夜明けなんだ。
そしてバスに乗る、バスの中は大騒ぎなんだ。
ぼくはこの大騒ぎにいつまでも慣れないんだ。
ぼくは、起きたままの顔だったって、気が付いたんだ。
ぼくは、人間の競走に出たんだ。
ぼくは、世間はぼくを追い越して行った、と分かったんだ。

誰が気にする? ぼくが死んでいるかもしれないって。
誰が気にする? ぼくが病床に臥せっているって。
誰が気にする? ぼくが覚え書きを残しているって。
誰が気にする? ぼくが秘密をもう話してしまっているかもしれないって。

「起きなさい」の声。

軽い食事をしただけで、休み時間は終わってしまう。
そのまま、ぼくは次の仕事に取りかかるんだ。
にっこり微笑む女の子のせいで、
ぼくは気が散ってしまっていた、それで、元気が出たんだ。
ラジオが大きな音で鳴っているんだけど、
片方の耳に入って、もう片方の耳から出て行ってしまう。
ぼくは、レコードが終わったことも気が付かなかったんだ。

「起きなさい」の声。

道路には、さっきから集まった人集りがある。
一人の男が瀕死になっていた。
血が側溝に流れて行く。
ぼくは口を大きく開けているけども、何も言えないんだ。
男の身体は、鰻のようにのたうち回っている。
群衆の人々には、何の分別もなく、触りもしないし、思うこともないんだ。
誰かが行って、毛布を掛けてやればいいのに。

誰が気にする? ぼくが死んでいるかもしれないって。
誰が気にする? ぼくが病床に臥せっているって。
誰が気にする? ぼくが覚え書きを残しているって。
誰が気にする? ぼくが秘密をもう話してしまっているかもしれないって。
誰が気にする?
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2010年06月01日

Washaway 訳

 ムールディングの「 Washaway 」、『 The Big Express 』のセッションで録音されて、「 All you Pretty girls 」のシングルのB面にカップリングされた歌です。
 歌は、スウィンドンの日常のお昼の情景をスケッチしたもの。パートリッジの「 Respectable street 」や、『 The Big Express 』の「 Smalltown 」にも繋がる歌です。
 
 歌詞は、B面発表の歌なので、Idea のサイトには掲載されていません。Chalkhills のサイトのものを読みました。

 歌詞の言葉に関してのノート:
「 loose change 」小銭。
「Mr. Softee」自動車でアイスクリームを販売するお店。
「 ringing for his supper 」sing for one's supper と言う表現があります。
何かのサービスをして、何かを手に入れると言う意味。


拙訳です。




かあさんは台所にいて、それで湯気を上げてる、湯気で窓がくもる、
茹であがったキャベツの匂い、流しから臭ってくる、
それで、どんなにこすっても、汁のしみは取れないんだ。

洗え洗え洗え、たっぷりの水で洗い流せ!
洗え洗え、つけちゃったしみをどれもみんな洗い流せ!

( お昼休みで )
通りは人気がなくなった、
だれももうひと仕事なんて思わない、
長いすでみんな休んでる、
財布には小銭だけだし、
小銭って言っても、使いようのない小銭だもの。

( お昼休みだから )
ミスター・ソフティーがやってくるんだ、
くるまは、アイスクリームのコーンの格好に飾ってある、
鐘を鳴らして、糧を得るんだ、
ミスター・ソフティー号、お屋敷の方に向かったぞ!
でもでも、お屋敷には、千ものヨークシャー・プディングがあるから、
たぶん、ちっとも儲からないんだ。

ねえみんな、町の人たちがどうやって、
無理矢理に時間をつぶしているかわかったかい?
お金と言うものは都会にあるんだ、
お金と言うものは心を喰って増殖するんだ、うんざりだね、
みんなを失望させるよね。

洗え洗え洗え、たっぷりの水で洗い流せ!
山の手では普通にコインランドリーという仕事があるんだよね。

洗え洗え、汚れを洗い流せ!
洗え!
汚れを洗い流すんだ。
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2010年05月17日

Shake You Donkey Up 訳

 パートリッジの「 Shake You Donkey Up 」、pidgin english と言うことなので、そのように、ピジン日本語で書いてみました。
 これを歌っているのは、ひょっとして、歌われるのとは別のロバ?


ホラ、アレ人、来るネまた。
着てるネ、いつもあの皮。
アレ人、まえ、人間でした、見たいネ。

見レ、アレ人は長耳ネ、
デスカラ、アレ人は茶色目ネ、
デスカラ、その目で、ほんと、アレ人見てるネ。

恥ナイカ? アナタ様、蹴って下さって、あの女に、
恥ナイカ? アナタ様、アレ女アナタ様蹴るの、アナタ様の背中、ロバカ様。

アレ女、本当ヨ、アナタ様ボカボカするネ、ロバ様、
アレ女、本当ヨ、アナタ様バカバカするネ、ロバ様、
アレ女、本当ヨ、アナタ様ボカボカするネ、すごい痛いネ。

アレ女、アナタ様運ぶの方法ですネ、
デコボコの氷に上で、運んだデス、
アナタ様、拍車が刺さっていました、今もだネ、
アナタ様、歩くネ、ご無理ですのに、
アナタ様、荷崩れネ、恥だから、
アナタ様、傷あるネ、背中だけないネ。

アア、子供タチ、あの方に鞍を付けて乗るのですヨ、
愛の戦いに突っ込むですヨ、デスカラ、
アレ女、アナタ様、隠れて、叩くネ。

アレ女、本当ヨ、アナタ様ボカボカするネ、ロバ様、
アレ女、本当ヨ、アナタ様ボカボカするネ、ロバ様、

アナタ様バカバカするネ。
posted by ノエルかえる at 22:44| Comment(0) | TrackBack(0) | The Big Express | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年04月09日

(The Everyday Story of) Smalltown 訳

 これは、以前に訳していたもの、訂正もしないままです。
歌詞を読み返すと、後の「グリーンマン」に繋がるようです。ただ、歌の始めの部分の we と、終わりの部分の I が、重ならないようにも思えます。 I は、グリーンマンのような村の聖霊のように思えます。

拙訳です。


スモールタウン

小村の生活、
毛布に包まり鼾をかいていると、
金音で起こされる。
牛乳配達がやってきたのだ。
寒村には、
秘密組織の社員が隠れていたりもする、
恋人たちが眠っていたりもするのに…

バイクの煙管の墨色の輝きを見せて
彼は滑走する
男たち、若者たちを仕事へと急き立てるのだ。
僕らは、
ポプラの並木の中にたっている。
目覚まし時計を造っているのだ、
僕らの妻たちを起こすものを。
僕らに、時間があるかなんて聞かないでほしい。
人生が終るサイレンが鳴らないかと焦りながらやっているんだから。

小村の生活、
谷間に縮こまっていた村が、子供の救世軍に起こされる。
日曜日の行進だ。
便所で咳き込んでいる、そんな生活。
いったい誰が、村を駄目にしたんだろう、

進歩婦人、
あなたのとっては、何も同じと言うのですね、
僕が、オクソのスープを飲み干す間を下さい、
そしたら出て行きましょう。
最新のナイロン製寝間着カタログのあなたは、
見るもおぞましい訳ではないです。
ちょっとだけ年の僕には、あなたは早すぎるのですよ。
次に会った時には、
1990年ですよ、て言うのですかね。

僕は、千年、ここに住んでいる、多分、これからも、まだ。
兵役から逃れた子どもたちを匿ってきた、
子どもたちは、その返礼に僕を愛してくれたもの。
その愛し方と言えば、
軋むベッドや、
自転車小屋や、
彼らの頭中やで、
独身者も、既婚者も、
ローリー党員も、レッズ党員も、
それぞれの方法で。
どれだけ、僕は満たされたでしょう。





2012年6月26日、訂正
パートリッジのインタビューを読んで:
The Everyday Story of Smalltown 訳: ノエルかえる不恵留
posted by ノエルかえる at 10:30| Comment(0) | TrackBack(0) | The Big Express | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年10月17日

the sally army

 「(The Everyday Story of) Smalltown」の歌詞に出る the sally army 、スウィンドンの救世軍 ブラスバンドは見つけられませんでしたけれど、YouTube にいくつかのビデオがありました。

オックスフォード:


ロンドンのthe City Temple :



それから、
録音盤のプロモーションビデオ:



Together

Together

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Ucj
  • 発売日: 2008/11/24
  • メディア: CD







 ポピュラー歌謡で、歌詞に The Salvation Army が使われている、有名なものには、Simon & Garfunkel の「A Hazy Shade of Winter (冬の散歩道)」 があるのだそうです。

posted by ノエルかえる at 09:42| Comment(0) | TrackBack(0) | The Big Express | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年11月13日

H.M.S. Pinafore

 「All You Pretty Girls」に関して、パートリッジが言及していた、
W. S. Gilbert 台本、Arthur Sullivan 作曲の、喜歌劇『H.M.S. Pinafore』。
1878年の作品。
2005年のBBS プロムスのビデオがYouTube に投稿されていたので備忘します。

全9の1:



2:
http://www.youtube.com/watch?v=t_VXhdgad3g

3:
http://www.youtube.com/watch?v=Aq8YJFIGhuo

4:
http://www.youtube.com/watch?v=W5flN3UBsFg

5:
http://www.youtube.com/watch?v=cTaSH66Ls7s

6:
http://www.youtube.com/watch?v=pleqB7Fl_-I

7:
http://www.youtube.com/watch?v=RadzgUPDq4o

8:
http://www.youtube.com/watch?v=9FZv2j4Cad8

9:
http://www.youtube.com/watch?v=fvu9YM1eiyg
posted by ノエルかえる at 22:02| Comment(2) | TrackBack(0) | The Big Express | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年11月11日

Pidgin English

 「Shake You Donkey Up」の歌詞は、pidgin English で書かれているそうです。
でも、どこの言葉とのピジンなのでしょうか?
日本語でしょうか?
posted by ノエルかえる at 22:56| Comment(2) | TrackBack(0) | The Big Express | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年07月20日

Jim Moray 「All You Pretty Girls」

81年、マンスフィールド生まれの、ソングライター、
Jim Moray の2008年のアルバム『Low Culture』に、所収の「All You Pretty Girls」。


on iTunes music store


『Low Culture』on Amazon.jp



Jim Moray のこれまでの作品:
『I Am Jim Moray』(EP)2001、『Sweet England』2003、『Jim Moray』2006。


posted by ノエルかえる at 09:27| Comment(0) | TrackBack(0) | The Big Express | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年11月11日

Mr.Softee

 ムールディングの歌「Wash away」に登場する、Mr.Softee は、小さなワゴン車でアイスクリームを販売する会社の名前です。The Beatles の『Help !』にも、カイリ教徒たちがリンゴたちを追いかける時に、使っていました。あれも、Mr.Softee だったか知ら。
(ビートルズの映画のは、Mr.Whippy でした)

 ニューヨークのMr.Softee のwebページがありました。もともとは、アメリカの会社です。

Mister Softee NY

posted by ノエルかえる at 14:16| Comment(0) | TrackBack(0) | The Big Express | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

「Wash away」を含むムールディングの三曲

 ムールディングの「Wash away」は、『The Big Express』制作時に、録音されたものですけれど、アルバムには採り上げられませんでした。アルバムのためには、「Shiny Cage」も書かれていたようです。どれも、スウィンドンをテーマにしているので、収められてもよかったのではないか知ら。
 ともかく、アルバムには三曲が録音されたようです。「Wake Up」「I remember the Sun」と「Wash away」です。

 「Wash away」は、耳に易しく入って来るような歌ではありません。半音ずつ上がっていくピアノの反復が基軸になっています。それは、焦燥感に背をくすぐられているような、快と不快が入り交じっている感覚です。ムールディング自身は、このピアノの音に付いては、ビートルズの「Lady Madonna」が頭にあったのか、と言っています。ボードヴィル風と言うのは共通していますけれど、「Lady Madonna」ほど楽し気ではありません。音楽ショーではなくて、劇音楽のように聞こえます。ミュージカルの一曲のような。あるいは、クルト・ワイルのキャバレー・オペラのようだと言う方が近くないか知ら。諧謔があって、騒々しいのですが、そのグロテスクさの中に、美しさが潜んでいます。不思議な歌です。
 「Wake Up」も、静謐さと、耳障りな衝突音が入り交じっている不思議な歌ですけれど。

 この歌を、アルバムから外したのは、私は残念い思います。歌詞の主題も、スウィンドンです。その歌詞に描写されている様子も、パートリッジの「The Everyday story of Small town」に呼応しています。また、音も、「Shake you Donkey up」と釣り合っていないでしょうか。
「Reign of Blows」を外して、こちらを入れた方がよかったのでは、と思うのです。
 ムールディングの三曲と言うのは、『Mummer』もそうでした。三つの全く異なった音響が、緊張感を生じさせます。「Wake Up」「I remember the Sun」と「Wash away」も、半睡半醒と静謐、騒乱が三面の祭壇画のように合わさっているように思えます。
 そうして見ると、『Skylarking』の五曲も、「Grass」「The Meeting place」を一部、「Big Day」を一部、「Dying」「Sacrificial Bonfire」を一部の三部に見立てることも出来ないか知ら。また、『Skylarking』で、ラングレンは、ムールディングの歌に、ストーリーを見いだしてるのですけれど、同様に、『The Big Express』の三曲にも、ストーリーを感じないでしょうか。「Wake Up」、「Wash away」、「I remember the Sun」と並べば、朝から夕方への時間の流れがあります。

 ともかく、奇妙に捩れた歌の旋律は、十九世紀末から二十世紀初頭の歌謡のようでもあるのですけれど、当時から同じように続いている下層階級の節くれ立った生活の、正直な反映ではないか知ら。ときおり、ムールディングの歌を、ディケンズ風と言う人がいます。この歌などは、そのように感じさせる典型でしょう。



on iTunes store

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2007年06月27日

人魚姫 (Seagulls Screaming Kiss Her kiss Her)

 明るさはあるのだけれど、空は晴れわたっているわけではない。薄い灰色の靄が降りている。高空では冷たい風が吹荒んでいるのだろう。まだ温かみのある海面と高空との間で、空気は乱れている。靄が渦巻いているようだ。キャンパスの上の筆跡のように、陰影がその渦を見せている。
 海岸には、波が、絶えることなく打寄せている。砂浜に紋様を描いては、消し去って。僕は、また、この長い浜を歩いている。もう用済みになった腰掛には、防水シートが掛けられているから、休んで、海をうち眺めることも出来ない。歩きながら、波の描く紋様を見詰めている。
 それは、あの日と同じだ。思い出そうとして、夢見心地に誘われそうになると、向こうで鳴る吹流しのはためく音が、はっきりと聴こえて、幻想を吹払ってしまう。
 あの日、夏はすっかり過ぎてしまった九月の日、僕は、やはり、この海岸に来ていた。バカンスの客たちは、もう帰ってしまっていたけれど、僕は、残っていた。僕は、朝まだきの中、素足を砂に減込ませるようにして歩き、その冷たさを喜んでいた。そして、僕は、彼女を見つけた。
 それは、前日に、僕が造った砂山を波が彫像したものではないかと、目に入った瞬間は思ったのだけれど。そうではなく、一人の少女だった。波打ち際に、半身だけを見せて、俯せに横たわっていた。僕が近づくと、少女は半身を反り挙げて、僕に縋ってきた。波の中にある半身は、魚だった。
 彼女は、人魚だった。
 僕は、彼女を波から抱き上げるべきだったのだろうか。縋り付こうとする彼女は、けれども、波から抜け出ることは出来ないようだった。僕は、、 驚愕して砂に尻を突いた僕は、そのままの格好で後ずさりするばかりだった。幾杯もの波が人魚を洗った。そして、砂になってしまった。

 もう十一月になってしまった。砂は凍てついていて、とても素足にはなれない。僕は、人魚がいた辺りの砂を見詰めている。波の描くその紋様は、彼女の髪の型のよう、、
 目の前を、鴎が羽撃いて行った。その拡げた翼を漉かした光が、彩光のように輝いて、回っている。




"Seagulls Screaming Kiss Her kiss Her" on iTunes store

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2007年06月06日

Seagulls play domino

 「Seagulls Screaming Kiss Her kiss Her」を聴いていると、コードが同じなのでしょうか、あるいは、旋律線が鏡像のように反転しているようにも思えたりもしますが、Syd Barrett の「Domineos」が浮かんできます。
 『The Big Express』セッションのシングル「Red Brick Dream」も、『原子心母』の頃までのピンク・フロイドのコードに似た雰囲気です。

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Seagulls Screaming Kiss Her kiss Her

 エレクトリック・ギターとスウィンドンが軸のはずの『The Big Express』。その中で、両方とも満たしていない「Seagulls Screaming Kiss Her kiss Her」。やや似た構成を持つ「You're the Wish You are I had」は、スウィンドン市のバスが登場し、間奏に、撓められたエレクトリック・ギターが使われているのに。(スウィンドン市バスの停車を求めるボタンが、シングル「This World over」のアートワークに使用されています)
 けれども、このアルバムの焦点はこの歌にあると感じます。パートリッジの歌の典型的な型、圧縮されたバース、張裂けるまで緊張を高めるブリッジ、浮揚感に開放されるコーラス、が成功しています。
(テンポは、もっとゆっくりでも良かったかとは思うのですが)

 パートリッジが作歌に当たって、終止、キーボードで作ったものだということです。その上、水のイメージで作られています。すると、それは、ムールディングの「Wonder Land」に通じます。ムールディングが、水底に沈んだ鐘の音のような深い音を中心に作っていたのに対して、パートリッジは、乾いた木製の甲高い音を中心に作っています。それは、飛沫する水滴の印象なのでしょうか。
 ですので、この歌は、パートリッジが、「Wonder Land」に触発されて書いたものだろうかと思っていたのですけれど、実際は、『English Settlement』の頃から書き始めていたのだそうです。

 バースは、旋律が非常に大きな力で押し潰されたようなのですが、それは、隆起しては沈み込む波に、海自身の大量の水の重力と、それを払いのける程の張力が鬩ぎ合う様子を連想させ、海の重みを感じさせます。
 その重たい海の光景は、以前の作品『Black Sea』のアートワークを想起させます。(歌詞にも、black coastline と、出てきますけれど)
 ブリッジでは、杳い波打ち際で立ち騒ぐ鴎。その甲高い鳴声が、音像化されています。歌詞の「screaming」は、スクリューにも通じますし、巻貝をも連想させるかも知れません。
 そして、コーラスの浮遊感は、霧中にいる感覚を与えます。コーダは、落下の感覚。
 歌詞には、「screaming」の他にも、「tug」という、船・海を連想させる語が使われています。「牽き綱」が鳴る音が「Skylarking」のもう一つの意味でもあるのなら、「Seagulls Screaming Kiss Her kiss Her」は、『Skylarking』との紐帯でもあるのかも知れません。また、「砂に還る」という行は、人魚姫を連想させますから、『Skylarking』の「Mermaid Smiled」につながるようです。

 何より、この歌の特徴は、パートリッジの二つの面、呪文を唱えながらぐるぐる回るという面と、辻で演じられる歌物語の面、それが融合していることにあります。キーボードとウッドブロック様の打音の反復は、ただ、歌詞の旋律の背景であるのではなく、独立して一つの情景を生み出しています。その情景の揺らぎが、旋律の揺動と不思議な調和を鳴らしています。
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2007年03月26日

アルバム『The Big Express』

 アルバム『The Big Express』は、音が充満しています。音の塊のようです。その塊は、身動きもせずに、端然と座っています。この印象は、それ以前のXTC の作り出していた音楽世界とは、違う様な気がします。『Mummer』までのXTC は、自分たちの心象が自由に飛び廻れる空間を切り開く、と言うものでした。この『The Big Express』は、その空間が詰まっているのです。
 あるいは、心象が実体化して、空間を占めてしまっているのでしょうか。これを制作したクレセントスタジオの煉瓦作りの室中の空気の全てが張りつめて音となり、目に見える塊となったのだ、と。そうならば、このアルバムは、XTC の音楽そのものだということです。
 パートリッジは、このアルバムに取り掛かるにあたって、出自であるスウィンドンをテーマに考えた、と言っています。けれども、歌詞からでは、「Smalltown」一曲のみがそうであるようです。ムールディングの二曲と、アルバムには収められていないシングル曲一曲は、スウィンドンの歌なのですが。
 パートリッジの頭中にあったのは、スウィンドンと言う土地が持つ響きだったのかも知れません。スウィンドンの大気に漂っている響きを捉えようとしたのでしょうか。それをクレセントスタジオに持込み、実体化したのかもしれません。
 また、アルバム制作に向けて、パートリッジが書き溜めていたものは、エレクトリック・ギター中心の歌でした。それ故、太い骨組みのものとなっていました。それが結果として、響きを詰込むことに好都合だったということもあるのではないでしょうか。
 アルバムは、実際は、エレクトリック・ギター中心の歌は半分で、アコースティックなシンフォニックな感触のものが半分です。この二分裂の傾向は、パートリッジは常に持っているのでしょう。二つに分裂はしているのですが、双方とも、充満した音響空間を実現しようと編成が大きくなっています。
(ムールディングの二曲が、エレクトリック・ギターの面と、アコースティックの面を分かりやすく見せていると思います)
 アルバムの制作を担当したのは、ロード(David Lord)。彼は、バース大学音楽学部長で、教会のオルガン奏者でもある人物。ロードが持っていた音楽の技術を使い、XTC は、大きな編成の音楽を創ることを学び、このアルバムで実践したのでしょう。
 編成が大きく、ヴァイオリンやユーフォニュームが使ってあると言っても、このアルバムの音楽の中心は、リズム部にあります。XTC の経歴中、最もリズムが前面に出ているものかもしれません。ドラムズだけではなく、多数の打楽器が使われています。オーケストラは、このアルバムでは使っていないのにも拘らず、シンフォニックに聴こえるのは、その打楽器群が統合されているからでしょう。その打楽器群をシンフォニックに統合するには、各楽器の音色が一定していないと難しいのでしょう。全編、リン・ドラムズが使用されている理由だと思います。
 歌の旋律はどれも、不安定で捉え難いものです。和声も、不協和音を多用してます。それは、旋律が空でなく、中身の詰まった実体であることを思わせます。豊かに実を結ぶ果樹の枝であるようです。
 とても豊かな印象のアルバムです。


album details: Idea

on iTunes music store



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2007年03月14日

鋼鉄の車輪は蟋蟀を轢かない

 XTC は、パートリッジの主導するバンドです。バンド活動の計画や方向は、彼の意思で決定されています。時に、彼は、バンドの90%は自分であると言います。80%ということもありますが、70%に落ちることはないようです。
 この数字は、バンドの創作への貢献度であるとは、私は思っていません。バンド内の発言力であるならば、そうなのだろうと思うのです。『Mummer』の一連の計画が終わった後、パートリッジは、開放E 弦にしたエレクトリック・ギターを抱えて、日を過ごしたそうです。そして、何曲かを完成させたと。次のアルバムは、その曲を中心に創ることを、彼は決めたのでしょう。ムールディング、グレゴリーは、この決定には、全く与ってないのだと思います。
 実際にアルバムに収められた曲では、「All You Pretty Girls」「Shake You Donkey Up」「This World Over」「I Bought Myself a Liarbird」「Reign of Blows」と「Train Running Low on Soul Coal」がそれに当たるのでしょう。これらのエレクトリック・ギターの打撃的な音響が、アルバム『The Big Express』の印象を占めることになります。この唐突な決定に、『Black Sea』に引き続き、ムールディングは対応出来なかったのでしょうか。
 変ホ長調は、「英雄の調」なのですが、このアルバムの重厚さも、そこからのものでしょうか。また、管楽器を合わせやすい調でもあるそうです。そのようなこのアルバムの特性が、最もよく聴かれるのは「Shake You Donkey Up」か知ら。
 調性の重厚さと、エレクトリック・ギターの打楽器的使用から出来上がった音像は、アートワークとなった鋼鉄の車輪に符合しています。けれども、私は、鋼鉄の冷たさを感じません。機関車がそうである様に、どこか、生き物の様な感触があるのです。
 鋼鉄の車輪の下方には、緑色の蟋蟀が留まっています。車輪は静止していて、この蟋蟀を踏みつぶすことはないでしょう。豪快な力を蓄えた者の優しさを見るようです。それは、XTC のヒューモアなのでしょう。
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2006年12月15日

the sally army

 「(The Everyday Story of) Smalltown」の歌詞から、またひとつ。
the sally army は救世軍。 the Salvation Army の呼称です。

Sally Army : wikipedia
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The lodgers

 「(The Everyday Story of) Smalltown」の歌詞には、The lodgers と言う語があります。
これは、下宿人という意味ですけれど、単にその意味ではないと思います。
 ヒッチコック監督で映画化された『The Lodger』(1927年)だと思います。Belloc Lowndes の同名小説を映画化したものです。内容は、切り裂きジャックがロンドンで話題になっていた頃、片田舎のBunting 氏の家に、正体不明の下宿人がやって来て…というものです。

The Lodger : IMDb


『下宿人』on Amazon
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2006年12月11日

Oxo

 『Big Express』のB面一曲目は、「(The Everyday Story of) Smalltown」です。アルバム『Big Express』の核の歌です。パートリッジによるスウィンドンの描写です。牛乳配達の缶が鳴るカタカタと言う音で夜が明け、時計工場が始業し、家中ではなく外の便所で咳き込む声が聞こえる、そんな片田舎の描写です。(スウインドンには、フィリップス社のレコードプレイヤー工場があったのではなかったか知ら)
 この歌詞に出てくる Oxo は、イギリスの食品会社です。固形スープが有名です。1908年のロンドン・オリンピックでは、Oxo 社はスポンサーとなり、選手の体力強化のために、Oxo ドリンクを提供しました。歌詞の中で飲んでいるのは、このOxo ドリンクでしょうか。

Oxo 社、UK

posted by ノエルかえる at 13:50| Comment(0) | TrackBack(0) | The Big Express | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする